2月26日締め切りの長野県の特定鳥獣保護管理計画(クマ)について、以下の意見を送りました。
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長野県 林務部 森林整備課 鳥獣保護係 御中
第2期特定鳥獣保護管理計画(ツキノワグマ)の策定に係る意見をお送りします。
<該当箇所>P.14
7 保護管理の実施 (3)個体数の管理
・捕獲許可の方針
エ 方法
(ア) 捕獲方法は、捕獲従事者や一般人に危険が及ばないよう「銃」及び「箱
わな」に限定することとする。
<意見>
わなには「氏名、住所、電話番号、捕獲の有効期間、その他鳥獣保護法にもと
づく政令で定められた標識を付けなければならない」を追加するべきである。
<理由>
2007年4月施行の改正鳥獣保護法第9条12項に定められたことを周知徹底させ
る必要性がある。
<該当箇所>P.14
7 保護管理の実施 (3)個体数の管理
・捕獲許可の方針
オ その他
(ア)
捕獲したツキノワグマの個体を第三者に売買することで、一般に捕獲の必要性
について疑問を抱かせることのないよう、捕殺された個体は原則として捕獲許
可者又は従事者の自家消費及び埋設・焼却により処分するものとする。なお、
捕獲許可申請書に捕獲後の処置について処分方法を明記するとともに、捕獲許
可の条件とするものとする。
<意見>
「捕獲個体については、捕獲方法および捕獲日時と捕獲地点を1キロメッシュの
地図に書き込む等、捕獲状況の詳細な報告を義務づけるとともに、可能な限り
研究機関においてその体重、性別、推定年齢、胃内容等を調査し、そのデータを
保護管理計画に還元するものとする。」を追加するべきである。
<理由>
ずさんで効果のない有害捕獲のあり方を改善するためには、詳細な捕獲報告書の
提出の義務づけと、そのデータの分析が必要不可欠である。少なくとも2006年の
大量捕獲の検証に基づく計画であるべきである。
<該当箇所>P.15
7 保護管理の実施 (3)個体数の管理
・特定地域における個体数の管理の特例
※栄村での伝統的なマタギ猟については、特例として、春期における被害の発生を
予察した個体数調整を継続する。ただし、平成19年は許可しない。
<意見>
春グマ駆除、個体数調整、予察駆除は行なうべきではない。
<理由>
1,鳥獣保護法上では、狩猟は猟期の期間内でのみ許可される行為であり、いわ
ゆる春グマ駆除は「予察駆除」である。春グマ猟という言い方は行政用語とし
ては認められない。
2,一方、春グマ駆除は実体としては「春グマ猟」であたったために、被害防止
対策としての効果があるか否かの実証的調査はなされてこなかったし、これか
らも不可能であろう。さらに今後、春グマ猟を通じて捕獲実験をするということ
は、いたずらに殺生を拡大させるだけである。少なくとも、過去の捕獲情報の
詳細を点検した上での被害との相関関係を精査することから始めるべきである。
3,春グマ駆除は、まだ冬眠中か冬眠からさめたばかりの体力の衰えているクマ
を、クマの生息域に踏み込んで狩るものである。いわゆる伝統的春グマ猟の主
目的はこの時期に肥大した「熊胆」を採取することにあり、被害対策とは無関
係である。むしろ、逆に被害を出さないクマのみを捕殺してきた可能性もある。
4,クマは個体差の大きい動物であり、シカやイノシシにおける個体数調整と
いう概念にはなじまない。学習放獣が有効な個体とそうでない個体の差も存在す
る。春グマ駆除で、集落に出てこないクマを捕殺することは、被害対策とは無関
係であり、いたずらに捕殺数を増大させるのみである。
5,2006年のかつてない異常出没は、この年の堅果類の不作、及び暖冬、少雪
という異常気象と強い関連性がある考えられる。冬眠前の食いだめが不十分
であり、かつ暖冬により冬眠への導入障害があったことによる異常出没であれ
ば、生息数の増加や分布域の拡大とは無関係である。環境要因の多角的な検証を
行うことが先決である。
以上