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家畜福祉に関する国内外の取り組み


 先進諸外国では、家畜福祉に関する指令や法律が制定されたり、大手企業や団体が率先して家畜福祉を実行するなど、具体的で実効性を伴った家畜福祉が推進されています。
 一方、日本は家畜福祉に関する意識が低く、実効性を伴った法律などもなく、先進諸外国にはるかに遅れをとっています。

家畜福祉に関する日本における取り組みと世界の動向をご紹介します
 

国内での家畜福祉の取り組み

◆国内の家畜の現状及び問題点

 日本では2011年現在、約147万頭の乳用牛、約276万頭の肉用牛、約977万頭の豚、約1億7,592万羽の採卵鶏を飼育し、約6億3,380万羽のブロイラーが2010年に処理されている(農水省、2011)。

 その飼育形態は、舎飼、繋留、拘束という低福祉な方式が一般的であり、乳用牛は主に繋留方式で飼養され(全体の87.5%)、肉用繁殖牛は主にペン飼養、繁殖豚は主にストール飼育(同、83.1%)、採卵鶏は主にケージ飼育(同、98.7%)である。

 また、ブロイラーは主に平飼いであるが(同、99.9%)、諸外国に比べ高密度(平均150.6kg/坪)で飼育されている。(畜産技術協会、2008)

◆消費者の意識

 東北大の佐藤教授らが1996年に行った消費者アンケート調査によると(n=595)、家畜福祉と経済性に関する質問では、72.1%の人が家畜に対しストレスを与えない飼い方を望み、ある程度の価格上昇はやむを得ないと回答した。

 また、2009年に、(株)ニチレイフレッシュが行った消費者意識調査(首都圏の消費者800人を対象)によると、アニマルウェルフェア(家畜福祉)の認知度は全体の20%に満たなかったものの、家畜福祉に配慮した畜産物の購入意欲には70%が共感を示した。

 これらのことから、日本の消費者が家畜福祉に配慮した畜産物を求める声は、欧米と基本的に異ならないことが示唆される。

◆国内の家畜福祉の主な取組み

  • 2001年: 「畜産動物の健康と福祉」を考えるシンポジウム開催
    → 日本獣医畜産大学、地球生物会議、株式会社養賢堂の主催。
    研究者、生産者、消費者団体、動物保護団体が畜産動物の福祉問題について議論した日本初の取組み。
  • 2002年: 農業と動物福祉の研究会(JFAWI)発足
    → 研究者、市民団体、生産者、消費者等で構成。
     OIE(国際獣疫事務局、世界動物保健機関)に参加する国際的NGOとしてICFAW(国際農業動物福祉連合)が結成されることとなり、これに参加する日本のNGOとして発足。
    ほぼ毎年シンポジウム、ワークショップ、研修会等の集会を開催。
  • 2004-07年: 家畜福祉を考慮した飼育環境並びに輸送環境総合評価法の確立
    → 東北大の佐藤衆介教授を中心として、帯広畜産大学、(独)農研機構、広島大学、麻布大学、玉川大学、畜草研の共同で行われた科研費プロジェクト(基盤研究(A))。
     行動変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発、生理変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発、家畜福祉輸送総合評価法の開発に関する研究がなされた。
  • 2007年2月: 「家畜にも人にも優しい信州コンフォート畜産認定基準」を制定
    → 長野県松本家畜保健衛生所による日本初の家畜福祉の実践的取組み。
    家畜福祉と資源循環型畜産について基準項目及び基準値が設定され、それらの評価内容や項目ごとに配点を決め総合評価をする形となっている。
  • 2007-10年: 「アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理に関する検討会」
    → 農水省が畜産技術協会へ「国産畜産物安心確保等支援事業(家畜飼養管理国際基準等対応事業)」の一環として委託。
     同協会は2005年に「家畜福祉に配慮した家畜の取扱いに関する検討会」、2006年に「快適性に配慮した家畜の飼養管理に関する勉強会」、2007年からは「アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理に関する検討会」を設置。
     2011年に「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」を策定。EUなどの法的拘束力を有する指令と比較すれば、実効性があるのかが疑問。
  • 2008年: 東北大学農学研究科に「家畜福祉学寄附講座」が設置
    → (株)イシイの寄附のもとに設置された国内初の家畜福祉学の講座。
    (2011年度は赤鶏農業協同組合、(株)アクシーズ、(株)イシイ、(株)ジャパンファーム、(株)ニイブロ、ケンタッキー・フライド・チキン(株)、プライフーズ(株)第一ブロイラーカンパニー、(有)北海道種鶏農場の計8社からの寄附により運営)
  • 2009年: シンポジウム「世界が動く―アニマルウェルフェア畜産への改革」開催
    → 国際的に加速する家畜福祉政策に伴い、国内の先進的な取組みを行っている消費者、外食小売業者、食品加工・流通業者、環境企業によるワークショップと、東アジアにおける家畜福祉への取組みについて、韓国、台湾、中国の報告がなされた。

 

家畜福祉に関する世界的動向

◆OIE(国際獣疫事務局、世界動物保健機関)の動向


 動物検疫関係の基準を作成する国際機関であり、日本を含む世界178カ国が加盟するOIEでは、2002年に動物福祉作業部会が設置され、2004年に総会で、以下のような家畜福祉の原則が採択された。

「畜産動物の福祉の改善は、生産性と食の安全を改善する可能性があり、したがって、経済的な利益を生み出すことが可能である」。

 2005年から2010年までの間に、陸路・海路輸送、屠殺、疾病管理目的の殺処分、養殖魚等における福祉指針を制定した。現在、動物種ごとの飼養管理指針を制定中。

◆EU(欧州連合)の動向

     欧州では1960年代に工場的畜産が問題とされたことから家畜福祉の検討を進め、1980年代後半から90年代にかけて家畜の取扱い等に関するEU指令を次々に策定。
  • 1986年: 「バタリー採卵鶏の保護基準」指令(99年改正)
  • 1991年: 「輸送中の動物の保護基準」指令(01年改正)
  • 1991年: 「豚の保護基準」指令(01年改正)
  • 1993年: 「屠畜又は殺処分時の動物保護基準」指令
  • 1995年: 「採卵鶏の保護に関するヨーロッパ国際協定」
  • 1997年: アムステルダム条約「動物の保護および福祉」議定書
  • 1998年: 「農用動物保護」指令
  • 1999年: 「採卵鶏保護基準」指令
  • 2000年: 「有機畜産規則」
  • 2005年: 「食用肉鶏の保護基準」指令など

  例えば、養豚の保護のための最低基準では、飼育規模10頭以上の農場に対して、子豚、育成豚、未経産豚、妊娠経産豚ごとの最低床面積が定められている。また、2006年からは未経産豚・妊娠経産豚の繋ぎ飼い飼育が禁止とされ、種付け後4週間から分娩予定日の1週間までの期間は群飼することが規定されている。さらに、2013年からは、妊娠豚用のストール飼育も最初の4週間以降は全面禁止となる予定。

  採卵鶏の保護のための最低基準では、採卵鶏1羽当たり水平面積550u以上で、ケージ高さは全ケージ面積の65%以上が40cm以上の高さであることが要求され、35cm以下の部分があってはならないとされており、バタリーケージに関しては2012年1月1日を以って使用禁止となっている。

 EUは加盟国全体が家畜福祉を向上させるように、2005年から2010年までの動物福祉5カ年計画を定めて、現在第2期となっている。

 またEUは、生物多様性の保全、有機農業、家畜福祉、景観保全を環境直接支払いの要件として、政策的に推進している。

◆アメリカの動向
  • 米国では連邦法で輸送(1906年)や屠畜(1958年)に関する法律を制定しているが、家畜福祉に関する新たな規制等の動きはないものの、州政府の先駆的な政策化が進行してきている。
    例: フロリダ州(2002)、アリゾナ州(2006)、オレゴン州(2007)で繁殖雌豚のクレート飼育を禁止
  • アメリカ市民の家畜福祉に対する意識に関しては「家畜福祉についての厳格な法令化に賛成する」割合は全体の62%(Gallup世論調査)、「家畜を虐待から保護するために政府検査官の検査が必要と考える」割合は62%(Zogby世論調査)と関心が高い。
  • 2011年7月7日には、アメリカ鶏卵生産者連合会(UEP)が、現存の通常ケージをより福祉性の高いグループ飼育ケージへ2029年までに置き換えることに合意。2011年12月31日以降は通常のケージを導入しないこととし、採卵鶏の福祉を向上させる連邦法の制定に向けて動き出している。但し、この法案がバタリーケージ禁止を定めた州法(例 カリフォルニア州)を後退させてはならないという批判も起きている。

◆その他の国の動向

  • スイスでは世界に先駆けて1991年に採卵鶏のバタリーケージの使用を禁止。
  • 2011年改正の韓国動物保護法では、家畜福祉増進のための動物福祉畜産農場の認証が定められた。
  • インドではいくつかの州政府が2011年に採卵鶏の強制換羽を中止するよう指示。

◆その他IGO(政府間組織)の動向

  • 国連食糧農業機関(FAO)は特に発展途上国においてアニマルウェルフェアを普及させるに必要な能力開発に力を入れている。
  • 世界銀行グループの一機関である「国際金融公社(IFC)」は、生産事業計画におけるアニマルウェルフェアの重要性に関する印刷物を作っている。

◆その他市場の動向

  • 自然食品等の小売部門で世界最大を誇るホールフーズマーケットは、米国内で販売されたすべての精肉を5段階の家畜福祉格付け制度によって認証することを公表。
  • 米大手食品会社であるゼネラルミルズは、2011年のCSR報告書の最後で、ケージ飼育によらない卵の仕入れプログラムを公表し、同社で使用する100万個の卵をケージ飼育ではないものに切り替えることを約束している。
  • 世界最大の豚肉生産・食肉処理企業であるスミスフィールドは2017年までに繁殖豚のストール飼育を廃止することを発表。
  • IKEAオランダは2011年に同社豚肉生産チェーンで扱う豚肉の去勢処置を完全に廃止。
  • 米マクドナルド社は2011年11月、採卵鶏を虐待していた農場との取引を中止。

 
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