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ALIVE News 2009.6.26
1.虐待の情報 本年5月に、神戸市にあるプロレス団体『ドラゴンゲート』の道場でサルが虐待を受けているという情報が寄せられました。そのサルは10年ほど前に、野生の子ザルを“可愛いから”と道場関係者が連れて帰ったものだとのことで、虐待の様子がインターネットのブログで写真付きで公開されていました。 事務局では所轄する神戸市生活衛生課に問い合わせをし、以下のようなことが判明 しました。 3月初めに市民から通報があり、保健所が立ち入りをした。ニホンザルは特定動物 なので飼養には神戸市の許可が必要だが、無許可で飼育されている。道場のメンバー は、「サルは9年前にペットショップから購入したが、その店はもうない。サルは道場の全員で飼育しており、責任者はいない」と、とのこと。 当然、市では、直ちに特定動物の飼育基準に適う施設を設置して飼育許可を取 るように指導。また、サルの背中に傷があり毛がはがれていたために、治療するよう に指導したとのことです。これまで5回にわたって飼育の改善を指導したが、「檻を買う費用や、飼養許可を取る費用がない。譲渡先を探している」という回答だったそ うです。 2.動物虐待の事実 『ドラゴンゲート』関係者のブログでは、おぞましい動物虐待の数々が記されています。 本年2月11日付けのブログでは、「コラ」と名付けたサルをパイプ椅子や石や角材で殴っていること、酒を飲ませ、熱湯をあびせ、コールドスプレーを吹きつけ、エアーガンを口の中や目に撃っていることが記され、「コラ」が首輪を外して逃げたとも書いています。 2月13日付けの同ブログでは、「コラ」をどつき、何百発も叩いたこと、3月3日付けでは、「コラ」を燃える薪であぶり、熱湯を全身にかけたこと、4月3日付けでは、「コラ」を箱の中に閉じこめ、制汗剤をめちゃくちゃ吹き掛け、ライターの火を近づけ箱を爆発させたこと、4月22日付けでは、「コラ」を角材で殴り、首を締め上げて意識を失わせ狭い箱の中に閉じこめたこと(写真2)、5月1日付けでは、わきの下が大やけどしているにもかかわらずシャンプー、石けん、トリートメント、ボディソープ、育毛剤をふりかけて洗い(写真3)、再び狭い箱に入れたこと、などが記されています。 これが事実だとすれば、到底許されない動物虐待であり、その罪が厳しく問われなければなりません。
(3)
(2)「コラ」を閉じ込めていた箱
3.無許可飼育・無登録飼育 ニホンザルは特定動物として飼育が都道府県知事等の許可制となっています。施設の基準に基づき脱走の防止や危害防止を図ることが義務付けられており、また1頭ごとの個体についてマイクロチップを装着するなど個体識別をして登録することも義務付けられています。 同『ドラゴンゲート』のオフィシャルブログでは、4月23日付けで、「コラ」が首輪をもぎ取って脱走し、けがをしたものが3名いると書き、捕獲して「コラ」の首を締め上げている写真を公開していました(写真1)。 これまでに9年以上も無許可で飼育施設もなく屋外で鎖につなぎ、その間にたびたびサルを脱走させけが人も出ていることなど、動物愛護法の無許可・無登録飼養違反の罪であることは明らかです。
4.鳥獣保護法違反 鳥獣保護法では、野生ニホンザルは被害防止対策等の理由がある場合に限り、都道府県知事の許可によって捕獲することが認められます。野生動物を単に“可愛いから”という理由で捕獲し、連れて帰ったという証言が事実だとすれば、違法に捕獲し、違法に占有している状態であり、同法に基づいてサルは没収されなければなりません。 そもそもニホンザルのような野生動物は、成長に伴い野性を発揮し、ペットのように飼育することは困難です。このような野生動物の本来の習性を理解することなく、ひたすら暴力と虐待で押さえつけることは言語道断です。違法捕獲が事実であれば、速やかにサルを没収し、野生動物の飼育に適した施設に保護する必要があります。
警察の厳正な捜査結果を待ちたいと思います。
<新聞報道>
●プロレスラー、ニホンザルを虐待の疑い 神戸(朝日新聞 2009.6.24)
●プロレスラーがサル虐待 首絞め、熱湯、花火…(産経新聞 2009.6.25)
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