病気の子犬を放置して死なせているというペットショップの場合、子犬を返しに来た飼い主にも驚きますが、引き取って治療もせずに放置する販売会社の側も社会的な責任感が欠落しています。ましてジステンバーは強い感染力があり、子犬の場合は致死率が高い病気で、客とのトラブルも起こるでしょう。動物取扱業が守るべき基本的事項を知らないのでしょうか。
殴る蹴るなど意図的に暴力をふるうのは動物虐待だということは誰にもわかります。
また、明らかに不注意で病気にし、しかも治療しないで放置していることも、一般常識からすれば虐待です。ところが、人目につかないペットショップの内側などで起こるため、立証が難しく警察や裁判所では虐待罪に認定されないことがしばしばです。これだけ全国各地で事件が起こってるのですから、この現実を行政も司法当局もしっかりと認識していただきたいものです。
私たちは、動物愛護法の改正で、動物虐待の定義として「病気を放置して衰弱されること」は虐待であることを明示するように求め続けていますが、未だに実現しません。少なくとも法律にこの定義が入れば、警察や行政ももっと真剣に対処できるようになるはずです。5年後の動物愛護法の改正に向けて残された課題の一つです。
動物取扱業のチェック
1月20日に動物愛護法の施行規則が公布されました。これによりペットショップやブリーダーなどの動物取扱業に対する規制が定められ、6月1日以降はこの規則が適用されることになります。
今回の改正で最も大きな点は、行政が動物取扱業の登録を拒否できる制度です。これまでALIVE誌でも度々取り上げてきた悪質業者が、書類だけ取り繕って営業をしないように監視していく必要があります。これはひどいという業者がいたら、行政に情報を提供しチェックしてもらうようにしましょう。
■私たちにできること
▼ペットショップチェック
今回の法改正に基づいて制定された「動物取扱業に関する各種基準」をよく読み、その店や営業形態が基準を守っているかどうかを調べてみましょう。ちなみに、ALIVEでも「ペットショップチェックシート」をリニューアルする予定ですのでご活用ください。
▼お店に電話しよう
あまりにひどい店を発見した場合、店に電話を入れましょう。自分は「動物が好きでお店に行ったのだが、あまりに動物の取り扱いがひどくて驚いた。飼育の状態が悪い、糞尿で汚れていた、衛生上問題がある」等を、「買い手」「消費者」の立場で言うのがいちばん効き目があると思います。
また、一人ではなく、友人知人などに頼んで、何人かで電話するのもいいでしょう。商売をしている人にとって一番こわいのは、悪い評判が立って、お客さんが来なくなることです。
▼行政に通報しよう
行政に届出のある業者かどうかを調べましょう。届け出ていなければ、動物愛護法違反で罰則が課せられます。担当者に、「店の状態がひどい、業者の遵守義務に違反しているので、立ち入り調査をしてほしい」と頼んでみましょう。県から、所轄の地元保健所に連絡が行き、保健所職員が調査と指導に行くことになっています。その結果はどうだったか、県に電話をして確認することも大切です。
行政が指導しても改善されないようだったら、改善されるまで、繰り返し通報し続けます。店を実際に指導できる権限をもっているのは行政だけだからです。
▼店に手紙やメールを送ろう
ホームセンターなどに入っているチェーン店のペットショップについては、本社に手紙やメールを送るといいでしょう。大きな企業はイメージダウンをおそれます。その場合は、「必ずお返事を下さるようお願いします」と文末に書いておきます。お店が一番気にかけているのは、地元のお客さんの評判ですから、相手がまともな会社なら返事をもらえるはずです。