地球生物会議 アピール
平成13年度に50万匹の命が絶たれた現実
殺処分される犬猫の数を減らすには

(毎年、たくさんの子犬、子猫が動物管理センターに持ち込まれる)
ALIVE、AVA-net、生きものSOSの3団体が毎年実施している全国の動物行政アンケート調査では、平成13年度、全国の自治体で殺処分された犬と猫の数は、494,974匹でした。
この数を減らしていくことは全国の心ある皆さんの共通の願いです。具体的にどう取り組んだらいいか、提案したいと思います。

●飼育放棄の実態調査を
なぜ、人は動物を飼育し、あるいはなぜ飼育できなくなるのでしょうか。どのような場合に人々は「飼えなくなった」という理由で、犬や猫を保健所等に連れていくのでしょうか。いま最も必要なことは、行政の引き取り窓口で、飼い主から飼育放棄の理由を聞き取り調査することでしょう。動管法(動物愛護法)によって行政による犬猫の引き取り業務が定められてからすでに30年になりますが、この間、その実態についてまともな調査が行われたことはありません。行政は「やむを得ない事情に限り犬猫を引き取る」のですから、その事情を確認する義務があるはずです。
●窓口で啓発普及を
殺処分の数を減らすためには、飼い主のモラルの向上が欠かせません。犬猫の引き取りの場所は、飼い主と対面してきちんと飼い主責任の話をすることができる場所であり、最も効果的な啓発普及の場となります。犬猫の引き取りの際、飼い主になぜ飼えなくなったのかを聞いたり、里親探しのアドバイスをすることが必要です。
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(写真:まだ目も開かない子猫と親猫が一緒に、処分施設に持ち込まれた) |
●犬猫の繁殖制限を
猫の場合は、持ち込まれる猫の80%が子猫です。適切な繁殖制限がなされていけば、今後、猫の殺処分数は激減していくことでしょう。動物愛護法(第20条)で、行政は犬猫の引き取りの際、繁殖制限の指導や助言を行うように努めることとされています。何回も繰り返し繁殖させては子犬子猫を持ち込む飼い主に対しては、飼育禁止や罰則を設けることも一つの方法です。
引き取った犬猫をどうするかについては動物愛護法の中に特に規定はなく、法的拘束力のない措置要領の中に、「一般譲渡、実験払い下げ(実験殺)、殺処分」という3つの方法が例示されています。行政は長年の間、殺処分さもなくば実験殺という方針でやってきたため、新しい飼い主探しをして動物に生きる機会を与えるという施策についてはまともに取り組んできませんでした。これからは、一般譲渡を最優先させる方針に転換しなければならないと思います。
●動物愛護推進員の活用を
行政の職員が新しい飼い主探しをするために時間と労力を費やすことは、職員の仕事を増やすことになり税金の無駄使いにもつながります。民間ボランティアの動物愛護推進員を各自治体で定め、繁殖制限・適正飼養・終生飼育など飼い主責任の啓発普及をおこなったり、一般譲渡のサポートをすることができるようにして、きめ細かな動物保護活動を推進していく必要があります。
●収容施設の改善を
犬や猫の収容施設は一般からは「忌避施設」とみなされ、予算もわずかで施設も老朽化し、場所によってはパルボやジステンバーなどの感染症がまん延しています。そのため、一般に譲渡もできず、ますますくらいイメージになっていきます。まず衛生上の改善と施設の改築を行って、新しい飼い主探しやふれあいのための「動物愛護施設」に転換し、子供たちも気軽に訪れることができる明るい場所に変えていく必要があります。場所も、人が集まりやすい都市や町の真ん中に設けるべきでしょう。
殺処分は、各地の動物管理センター、動物愛護センター、犬抑留所などといった場所で行われています。これらの施設は、人里離れた山の中や清掃工場の片隅などにあり、みんなが気軽に訪れることのできる雰囲気ではありません。これらの施設を市中に戻し、多くの人々が訪れて動物の世話をしたり里親探しの手助けができるように、業務の内容を転換すべきです。
●犬猫の引き取りは有料化へ
行政における犬猫の殺処分は、税金で行われる業務です。それなのに多くの自治体では「住民サービス」として犬猫の引き取りを無料で行っています。犬猫の繁殖業者が、病気になったり繁殖率の落ちた犬を保健所等に持ち込んでも、無料なのです。このような住民サービスがかえって逆に、無責任な飼い主を増やしているという側面さえあります。引き取りを有料化し、その費用を劣悪な動物施設の改善に充当すべきです。
●定時定点収集は廃止すべき
「捨て犬ボックス」が抗議の的となったことがありますが、収集車が市町村の指定の日時に、指定の場所を巡回して「不用犬猫」を無料で集めて回るシステムがあります。これでは飼い主との対面調査や、引き取り料の徴集などができません。ゴミを捨てるかのように動物を捨ててしまえる定時定点収集は原則として廃止すべきです。
●引き取り窓口でアンケートを
まず、犬猫の引き取りの窓口で、「飼育できない理由、飼育への努力」について、アンケートを実施することを提案したいと思います。実態調査なくして対策を立てることはできません。
ALIVE他『全国自治体動物行政アンケート調査』(平成15年度)
自治体別の詳細は、報告集をご覧ください
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