2008年1月30日
福井県健康福祉部 食品安全・衛生課 御中
福井県動物愛護管理推進計画(仮称) への意見
地球生物会議 ALIVE
<はじめに>
福井県の福井県動物愛護管理推進計画(仮称) について一般からの意見募集の期間は、平成20年1月18日から1月31日まで、わずか2週間足らずです。本当に一般からの意見を聞く意思があるのであれば、1か月程度の期間を設けるべきではないでしょうか。ちなみに、行政手続法における意見公募手続では、意見提出期間は公示の日から起算して30日以上でなければならないとしています。
昨年の11月には、福井県の動物愛護管理推進計画に盛りん込んでいただきたい事項を記載した署名(県内外から2468名が署名)が県知事に提出されています。残念ながらその要望の内容は本計画にはあまり反映されていませんので、改めてぜひ盛りこんでいただくよう要望いたします。
<該当箇所>
2 目標および具体的な施策の提案
T 動物の適正な飼養の推進
(1)優良飼い主の育成
<意見>
動物の不適正飼養は、人に迷惑をかけ、苦情が寄せられるという観点が強調されていますが、それは同時に動物自身を苦しめ、不幸にするという観点についても明記してください。飼い主の責任として、動物の生理、習性、生態を理解しして飼育し、特に家庭動物については終生飼育する責任があることも、ここで明記してください。
また、昨年は県内で個人による多頭飼育が問題となり、動物の劣悪な飼育状況と周辺環境への迷惑が報じられました。このような事態に至る前に、通報等があればすばやく対処し、飼育の指導や改善指導を行うようにしてください。
また、犬を飼育する者は個人、業者、研究機関等の区別なく、登録と注射の義務があることを周知徹底してください。
<該当箇所>
(2)動物取扱業への監視指導
<意見>
無登録業者や、登録業者であっても広告に登録事項を表示していない業者、販売動物についての表示義務を怠っている業者等がまだ見受けられます。違法な動物取扱業者に対しては、改善勧告、告発等の強い姿勢で臨んでください。
また、適正業者であることを誰もが速やかに確認できるように、登録名簿を公開しホームページにも掲載してください。
<該当箇所>
(3)実験動物および産業動物の適正な取扱い
<意見>
実験動物の繁殖施設や同飼育施設については、実験動物の飼養保管基準が適用されますので、所在や実態を把握の上、基準の遵守についての啓発普及を進めてください。
<該当箇所>
U 動物愛護の推進
(1)譲渡体制の整備
<意見>
(1)引取りの見直し
動物の生存の機会を拡大するためには、譲渡を増やすことと同時に、引取り数の減少も図る必要があります。そのためには、なぜ飼育できなくなったかの理由の調査と、その対策、さらに安易な引取りにならないように飼い主と対面しての指導するといった取り組みが必要です。
(2)「抑留所」の改善
譲渡を進めるためには、犬猫の保管収容施設の改善を行う必要があります。県内8ヵ所の「犬抑留所」は、かつての狂犬病予防法に基づく捕獲した犬を保管する施設ですが、ここに動物愛護法に基づいて引き取られる犬や猫もいっしょに収容されています。
どの抑留所も非常に狭く(たたみ2枚程度)、収容数に限度があるために短期間で処分するしかありません。また、窓もなかったり、採光、通風がなく、冷暖房もないため、凍死や衰弱死する個体もあります。このような旧時代の施設を改善して快適性を確保しなければ、収容期間を延長していくこともできず、譲渡数を増やすことも難しいと考えられます。
(3)「相談窓口」の設置
行政の施設が自ら、動物の生命の尊重と適正飼養のお手本を示さなければ、一般からの信頼が得られず、啓発普及は困難です。たびたび問題が指摘されている現在の保管収容のあり方を、今後は改善していくという姿勢を、ぜひとも示してください。現在の8ヵ所の「抑留所」施設を改築、改善して、そこに相談窓口を設け、県民が気軽に立ち寄り、適正飼養や動物愛護に関する情報や相談を受けられるようにすることをご検討ください。そのような地域の拠点施設に転換していくことにより、動物や命の問題を地域の目線で取り組めるようになると考えられます。
(4)引取り前の譲渡
直ちに収容施設の改善が進まない現段階では、引取りを行う前に、直接飼い主と対面して飼育できなくなった理由を聞き取り、安易な持込みが行われないように防止する取り組みを行ってください。
また、別途、事前に一般から飼育希望者をつのって登録してもらい、施設に入れる前に当事者間で受け渡しができるような制度を取り入れることもご検討ください。
<該当箇所>
(2)動物愛護推進体制の整備
<意見>
市町に動物愛護担当窓口を設置することはたいへんよいと思います。そこを通じて、動物の生理、習性、生態に応じた適正飼養や繁殖制限、終生飼育の啓発普及を進めてください。県に「動物あいごダイヤル
(仮称)」を設置し、適正飼養、虐待の防止に取り組む体制を整えることもたいへんよいと思います。適正飼養や繁殖制限の必要性、新しい飼い主探し等には、民間の動物愛護活動をしている方々の
協力も得るようにしてください。
福井県では、動物愛護推進員を設置する計画がないようですが、行政と民間の橋渡し役としての愛護推進員の設置や、動物愛護の普及啓発や相談にあたる人材を育成・配置していくことはたいへん重要です。どのような分野においても人材がいなければ、成果をあげることはできません。
<該当箇所>
V 地域の動物愛護管理モラルの向上
(3)危機管理体制の整備
<意見>
災害時の動物対策では、動物実験施設や畜産施設、動物繁殖業者の施設など多頭飼育施設についても対策マニュアルを作成させ、提出させるべきです。とりわけ感染症実験や遺伝子組み換え実験等を行う
施設、放射線・毒物劇薬が使用されている施設については、所在確認を行ってください。
<該当箇所>
W 動物の癒しの力の活用
(1)高齢者への動物飼養サポート
<意見>
近年、高齢者や病気の人が飼育できなくなった場合の問題が増えており、県がこの対策に着目したことは評価できます。高齢者や身体の弱い人の心の支えともなっていた動物が処分されることは飼い主にとって耐え難いものがあります。人と動物の福祉の双方の観点から、ぜひこの対策を進めてください。
<該当箇所>
具体的な数値目標について
<意見>
本計画案には、動物の不適正な飼養に起因する苦情件数は年間約2000件と書かれていますが、犬猫の引取り数、捕獲数、返還数、譲渡数、殺処分数等については数値が書かれていません。そのため、譲渡率を1.5倍に上げると実際に何匹が譲渡されることになるのか不明です。また、動物の引取の減少と譲渡率の向上によって殺処分数を1000頭に減少させるという目標も、現状の数値が記されていないために、判断のよりどころがありません。統計の数値を上げて示さないと、「具体的な数値目標」を説明できないと思います。県の現状を、数値をあげて示してください。
以上