2008年1月10日
茨城県保健福祉部生活衛生課環境・動物愛護グループ 御中
茨城県動物愛護管理推進計画「見直し部分」案への意見
地球生物会議 ALIVE
I 総論
<該当箇所>(総論 P.7)
6 動物愛護推進目標の設定
<意見>
茨城県では、所有者不明の犬の収容が際立って多いため、遺棄・ 逸走犬の対策を強化するべきである。具体的には、犬の鑑札、迷子札、マイクロチップ等の個体識別措置の普及徹底を進めるべきである。
また、返還率の向上を行政の数値目標として明記するべきである。
<理由>
平成18年度の犬の収容の内訳を見ると、所有者からの引き取りが1800頭、所有者不明の引き取りが1264頭、捕獲が4527頭である。実際、県動物指導センターに寄せられた犬についての苦情件数を見ると、徘徊と逸走が際立って多いことがわかる。放し飼い、負傷犬、野犬、遺棄等もすべて犬の放し飼いに起因していることから、所有者の明示を進めることが重要である。
また、犬の返還率を見ると、平成18年度はわずか1.6%にすぎず、他府県と比較しても非常に見劣りがする。収容犬の返還率を高めることが特に重要であり、そのためには返還率向上に向けた具体策を検討し目標値を設置するべきである。
動物指導センターのホームページの保護情報も全頭を写真掲載にし、返還率の向上にむけて尽力するべきである。
II 各論
<該当箇所> (各論 P.4)
2 動物愛護を担うひとづくり
(1)推進員活動の強化
<意見>
動物愛護推進員の研修は、動物取扱業者の受ける講習の内容以上のものとするべきである。
<理由>
動物愛護推進員が、悪質な動物取扱業者についての通報や苦情が寄せられた場合に、法律や基準等を知悉した上で適切に対応できるように、日頃から情報を共有化できるようにしておく必要がある。
<該当箇所>(各論 P.6)
3 動物愛護団体の育成と強化
(2)愛護団体活動の支援
ア 動物愛護団体の連携促進と活動を支援する
<意見>
県がガイドライン等を作成する際には、実際に現場で活動している愛護団体関係者の意見を取り入れて行うべきである。
<理由>
現在、茨城県動物指導センターが行う子犬譲渡会の譲渡先選定ラインは、センターと協力関係にあるどの保護団体のものより基準があまく、曖昧な点が多い。ガイドライン作成は実際に現場で取り組んでいる活動家の意見を聞き、その参加によって行うべきである。
<該当箇所>(各論 p.9)
4 動物の適正飼養の普及啓発
【推進方向と計画】
(1) 動物の適正飼養の普及啓発
イ 動物所有の明示を促進する
<意見>
猟犬等、屋外に放し飼いにされる犬には鑑札、迷子札、マイクロチップの装着を義務付けるべきである。
<理由>
茨城県では、毎年、狩猟期間の終了頃から、遺棄されたとみられる猟犬を多数捕獲収容している。散弾銃を撃ち込ちこまれた猟犬が保護され、被疑者不詳で告発された事件も発生している。ハンターのマナー向上のためにも猟犬の遺棄、逸走を防止するために鑑札、迷子札、マイクロチップの装着を義務づけるべきである。
<該当箇所>(各論 p.10)
4 動物の適正飼養の普及啓発
【推進方向と計画】
(2) 災害等緊急時の動物救護対策
ア 災害等緊急時に備えた平時の対策を講じる
<意見>
業者、実験施設等の多頭飼育施設や特定動物飼育施設においては、対応マニュアルや逸走防止計画書の作成と提出を義務化し、県はすべてをチェックし、管理体制のレベル統一を徹底して行うべきである。また、特定動物や実験動物を保管するすべての施設の責任者と県はダイレクトな連絡網を持ち、有事の際に迅速な対応で地域住民の生命や財産、環境への安全確保に備えるべきである。
<理由>
対応マニュアルや逸走防止計画を自主的に作成しておくよう啓発を行うだけではなく、書類の作成と提出を義務化することが必要である。茨城県内には原子力施設が存在し、万一の事故の発生時には地域住民の避難が余儀なくされる場合もあり得ることから、県は動物を多数飼育するすべての施設について実態を把握するとともに、管理体制のレベル統一を徹底して行うべきである。とりわけ、特定動物や実験動物を保管するすべての施設の責任者と県はダイレクトな連絡網を持ち、有事の際に迅速な対応で地域住民の生命や財産、環境への安全確保に備えるべきである。
<該当箇所>(各論 P.10)
4 動物の適正飼養の普及啓発
【推進方向と計画】
(3) 実験動物の適正な取り扱い
ア 実験動物を取り扱う施設を把握する
イ 実験動物の適正な取扱いに係る普及啓発を実施する
<意見>
ア 県内にあるすべての実験動物施設の把握を徹底して行うべきである。
イ 3Rの周知徹底のために現場確認や実験者への講習会を行うべきである。
<理由>
ア 茨城県内には、公立、民間の動物実験施設が多数集中しており、遺伝子組換え動物や感染性病原体等に関する法律違反事件が発覚し、そのずさんな取り扱いがメディアでも繰り返し報じられている。県は、すべての実験動物施設の所在や主な実験内容、実験動物の種類や数を把握し、法律の周知徹底をはかるべきである。
イ 3Rの原則が確実に実行に移されているかどうか、現地調査を行うべきである。また実験関係者に対する任意参加の講習会等も実施するべきである。
<該当箇所>(各論 P.10)
4 動物の適正飼養の普及啓発
【推進方向と計画】
(4) 産業動物の適正な取扱いに係る普及啓発
ア 畜産業者等に対して普及啓発を行う
<意見>
畜産動物の適正な取扱いについて、県が主催して講習会の機会を設ける等、積極的な普及啓発を進めるとともに、必要に応じて現場確認も行うべきである。
<理由>
茨城県では、鳥インフルエンザが発生し数百万羽もの鶏を殺処分した経験がある。畜産動物の日常的な健康の管理は、適正飼養なくしてありえない。動物の福祉や感染症対策について、畜産動物業者等に対してよりいっそう情報提供の機会を増やしていくべきである。
<該当箇所>(各論 P.16)
7 犬・ねこの引取り業務の改善
【推進方向と計画】
(1)定時定点引き取り業務
<意見>
定時定点引き取り業務の削減をすすめるとともに、定時定点引取りの際には、飼い主に対する適正飼養や終生飼育義務に関する普及啓発を行う。
<理由>
繰り返し引き取りを依頼する飼い主に対する啓発普及は、引き取りの現場で行うことが有効である。また、飼い主の顔の見えない定時定点引き取りでは、動物取扱業者による引取り依頼が増えることが予想されるため、引き取りに際して業者であるかどうかの確認を行い、業者に対しては、特に厳重に注意する必要がある。
<該当箇所>(各論 P.23)
【推進方向と計画】
(1)県の動物愛護推進体制の強化
ア 県の動物愛護体制を強化する
<意見>
愛護啓発の基盤、具体的実施のための拠点および保護施設は県内各所に早急に設置すべきである。その場合、県内市町村との連携強化により地域密着型の施設としていくことが望ましい。これによって、県内の愛護意識の高まりと処分数削減、返還率UPが期待される。
<理由>
茨城県は、動物指導センター1カ所に業務を集中させているため、犬猫の定点引き取りや処分、施設の維持に多大な費用がかかる一方、収容動物の数が多すぎるため適正な取扱いに手が回らず、いたずらに多大な苦痛を与え続けている。一般譲渡を進めるためには、センターに収容する以前の対策をとる必要がある。
その方法の一つとして、地域毎に小規模な保護収容できる施設を設け、「県民が気軽に立ち寄って動物とふれあい、適正な使用方法を学んだり、譲渡を受けたり、さらには愛護団体等の関係者が集うことができるような拠点」として機能するような制度を進めるべきである。
<新たに追加すべき事項>
1、悪質な動物取扱業の排除
本計画案には、動物取扱業の規制に関する記述がほとんどなく、手薄になっている。茨城県では、希少野生動物を違法に取り引きしていたペットショップが摘発されたり、メジロなどの野生動物を違法に捕獲して販売する業者が摘発された事件も発生している。また、動物取扱業者の登録表示違反などの事件も起こっている。動物愛護法の改正により、動物取扱業者に対する法律・基準の周知徹底、および行政による立ち入り調査等が新たな業務として課せられており、県として悪質な動物取扱業者に対する監視と排除にに取り組むことを明記するべきである。
2、多頭飼育の規制
茨城県内でも個人の多頭飼育による、不適切で劣悪な飼育状態や飼育放棄事件が発生している。先進的な県で取組みが始まったように、多頭飼育の届出制および立ち入り調査による改善指導ができるような制度を設けるべきである。
以上