2007年11月7日
神奈川県保健福祉部生活衛生課乳肉衛生・動物保護班 御中
神奈川県動物愛護管理推進計画案への意見
地球生物会議 ALIVE
第3 施策別取組(P.6)
神奈川県では、10年後の動物の致死処分数の数値目標として、25%減少させることとされています。環境省の指針では50%の減少を目標としており、この数値目標には疑問を感じます。
犬の致死処分数については、神奈川県では10年間で3分の1にまで減少しています。猫については、神奈川県では所有者不明の猫が、所有者のからの引き取りの倍以上の数字であり、しかもそのほとんどが子猫となっています。不妊去勢の周知徹底により猫の処分数は大幅に減少させることが可能です。犬と猫では施策にも異なる部分があるため、犬と猫を分けて、別個に数値目標を出すとよいと考えられます。神奈川県内には多くの動物愛護団体やグループがあり、民間との協力により50%の数値目標はじゅうぶんに達成可能と考えられます。
施策1 普及啓発 (4)対策(P.7)
動物の適正飼養の普及のために「動物愛護相談窓口」の設置をご検討ください。電話及びFAX、メールの宛先を公開し、一般からの多様な相談に答えられるような体制を整えるとともに、相談の内容を統計的に処理、分析の上、市民のニーズを把握して施策に反映し、適切に対処できるようにご検討ください。
施策3 動物の返還・譲渡の推進 (4)対策(P.11)
一般の人が迷い犬猫を保護した場合に、すぐに所有者に連絡できるように、「迷子札」の装着についてもご検討ください。
収容動物の保管期間について、厚生労働省の通知(平成19年5月1日)により、自治体の判断で期間の延長ができるようになりましたので、施設の収容能力が許す範囲まで延長することをご検討ください。
また、飼い主への返還を進めるために県のホームページの活用を進めてください。
譲渡動物についても、同じくホームページに掲載して、譲渡の門戸を広げてください。また、収容期間の過ぎた捕獲犬についても、一般譲渡できるようになりましたので(厚生労働省方針)、同じくホームページに掲載して、広く新しい飼い主を募るようにしてください。
遺棄・虐待された動物を愛護家や愛護団体が保護することが多いのですが、個人では限界があります。動物指導センターは傷病動物を収容し治療することになっていますので、これを強化して、動物の一時救護施設としての機能(シェルター化)を持たせていくこともご検討ください。
施策5 動物による危害や迷惑の防止 (4)対策(p.13)
多頭飼育に起因する各種トラブルが発生しています。多頭飼育対策は早ければ早いほど労力を使わなくてすみますので、早期発見、早期対処ができるような仕組みが必要です。
施策7 動物取扱業の適正化 (4)対策(p.16)
動物取扱業の登録の標識に関して、未だ周知徹底が行われていません。とりわけ、インターネット等による通信販売の広告における登録表示が行われていないケースが多々見られます。施設を持たない業者の実態把握と取締の強化を明記してください。
また、A県で繁殖施設の登録が拒否されているにもかかわらず、B県で販売の登録を行い、無登録施設での繁殖犬を販売している事例があります。繁殖施設と販売施設の所在地が県を越えている場合等、必要に応じて他の自治体との情報の共有化や連携を行うことをご検討ください。
施策8 実験動物および産業動物の適正な取扱いの推進 (4)対策(P.17)
「3Rの原則」の普及のためには、どこにどのような施設があるか所在および実態の確認をしなければなりません。県内には多くの実験動物中央研究所をはじめ多くの動物実験施設があり、膨大な実験動物が飼育されています。他県の推進計画では実験施設の実態調査を行うとしています。神奈川県でもぜひ実態把握に取り組んでください。
施策9 人と動物の共通感染症への取組み (4)対策(P.18)
感染症に対する啓発は、動物の展示(ふれあい)施設に加えて、実験動物施設や畜産施設においても重要です。鳥インフルエンザ、サルモネラ菌などの感染症は、ペットや家畜の飼育や野生動物との接触からも起こり得ます。関連部署との連携により啓発を進めてください。
また、ジステンパー、パルボ、猫エイズといった動物の種の間で発生する感染症についても、飼い主や動物取扱業に対する衛生管理の啓発普及が必要と考えます。
施策10 災害時対策 (4)対策(P.19)
実験動物施設、畜産施設においても各施設が適切に対処できるように、地域防災計画の中に書き込んでいただきたいと思います。
施策11 人材育成 (4)対策(P.20)
動物愛護推進員の人材育成のためのプログラムが必要です。定期研修会や情報交換会においては、少なくとも動物取扱業者の受ける研修と同じかそれ以上の内容で、動物愛護管理法、同基準、条例等に関する知識の習得を含めていただきたいと思います。また、犬猫の引き取り現場等における実地研修も必要と考えられます。
施策12 調査研究 (4)対策 (p.21)
調査研究を施策として行われることを高く評価いたします。動物の適正飼養や飼育怠慢に関しては、動物行動学や動物福祉学に基づく科学的根拠のある判断が必要ですので、その分野での調査研究も進めていただきたく思います。
また、神奈川県から始まり全国に広がった「地域猫」の取組みのように、動物と共生する地域社会のあり方についての調査研究に取り組んでいただきたいと思います。
以上