平成19(2007)年10月30日
宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課 御中
宮城県動物愛護管理推進計画(中間案)への意見
地球生物会議(ALIVE)
第2章 動物の愛護及び管理に関する現状と課題
3 施策
<施策1>動物愛護思想の醸成及び終生飼養の推進(P.15)
1 普及啓発(P.15)
動物の遺棄・虐待は犯罪であることを、記述してください。
動物愛護管理法における生命尊重の理念としてはすべての動物を対象としており、 罰則のある動物の遺棄・虐待罪は、人が飼育するすべての動物(哺乳類・鳥類・は虫類)を対象としています。また、あわせて、飼い主責任は、飼育目的がペットであれ、実験であれ、畜産であれ、全ての飼育者に対して課せられていることを明記していただきたいと思います。
3 犬、猫の引取有料化(p.16)
保健所で犬、猫を引き取る際に不妊去勢の指導をぜひ強化してください。その場合、繰り返し持ち込む飼い主に対しては、引取手数料の引き上げ(少なくとも不妊去勢手術費以上)を図ってください。
宮城県では犬猫の引取時において、動物取扱業者であるかどうかの確認を行っていませんが、確認の上、業者からの引き取りは原則行わないものとし、止むをえない場合には、一般よりも引き取り手数料を引き上げるようにするべきです。営利目的の繁殖販売展示行為の後始末を税金で行うことは正当とは言えません。
4 譲渡の推進(p.16)
より効果的な「譲渡システムの構築」はぜひ進めていただきたい事柄ですが、具体的に県のホームページに写真入りの保護動物及び譲渡動物の情報を掲載すること等を明記してください。
5 動物愛護行政の推進(追加)
行政による犬猫の処分のあり方を再検討してください。処分数の減少により、1頭ずつの麻酔薬投与による苦痛のない致死処分への転換を今後5年計画でご検討ください。
<施策3>飼養者への適正飼養に関する知識の普及(P.16)
動物愛護法では、人に飼育されているすべての動物が対象とされています。家庭動物に限定することなく、動物取扱業者の飼育する動物、実験動物、畜産動物についても、法律とその基準に則して適正飼養がなされるべきことを明記していただきたいと思います。
また、適正飼養は、何よりも動物の生理、習性、生態に基づき、動物の健康と福祉を実現するためのものでもあります。動物に対する暴力や傷害はもとより、給餌給水を怠たる、怪我や病気に対する治療を怠る、運動など適切な世話をしない等の飼育怠慢は、消極的な虐待とも言えます。適正飼養は、動物自身の幸福のために必要であることもあわせて明記してください。
2 保健所による指導(P.16)
保健所は公衆衛生を所轄する部署でもあります。ペットなどの感染症や、人と動物の共通感染症の対策についても、啓発普及を行ってください。
宮城県内では、多頭飼育者の飼育怠慢により多数の犬や猫が劣悪な飼育状態に置かれるケースが続出しています。地元の動物愛護団体等が救済を手がけていますが、限界があります。多頭飼育対策は早ければ早いほど労力を使わなくてすみますので、早期発見、早期対処ができるような仕組みをご検討ください。ちなみに茨城県では条例で犬の10頭以上の飼育を届出制としています。
<施策5>捕獲抑留(収容)犬の返還率の向上(P.17)
犬の首輪への鑑札や注射済票に加えて、迷子札の装着についても啓発普及を進めてください。 迷子犬・放浪犬等が捕獲された場合の保管期間が3日では短すぎます。厚生労働省の通知により、自治体の判断で保管期間の延長ができることが明らかにされましたので、施設の収容能力が許す範囲まで延長することをご検討ください。また、飼い主への返還を進めるために、保健所のホームページに捕獲抑留犬の情報を掲載すると同時に、各保健所間の情報が共有されるように相互リンクをしていただきたいと思います。
<施策6>健全な動物取扱業者の育成(P.17)
1 動物取扱業者への指導と育成の推進
動物取扱業の登録の標識に関して、未だ周知徹底が行われていません。とりわけ、インターネット等による通信販売の広告における登録表示が行われていないケースが多々見られます。施設を持たない業者の実態把握と取締の強化を明記して下さい。
また、A県で繁殖施設の登録が拒否されているにもかかわらず、B県で販売の登録を行い、無登録施設での繁殖犬を販売している事例があります。繁殖施設と販売施設の所在地が県を越えている場合等、必要に応じて他の自治体との情報の共有化や連携を行うことをご検討ください。
2 特定動物の適正な飼養保管の徹底と事故防止の指導(P.18)
特定動物については、意図的、非意図的な逸走の防止等を行うために、個体識別措置およびその登録制度の推進を明記してください。
<施策7>動物取扱業者による適正飼養に関する普及啓発(P.18)
1 動物取扱責任者研修会の開催(P.18)
不特定多数の人々を対象とする動物取扱業者は、一般の人以上に法律や基準等をよく知り、それを遵守する義務が課せられています。講習会における動物愛護管理法ほか関連法の知識の習得も明記していただきたく思います。
<施策8>動物の介在活動への理解の促進(P.18)
動物の介在活動には、犬の能力を活用する鳥獣害対策犬(追い払い犬)なども含まれると考えられます。盲導犬、聴導犬等においても、犬のそれぞれの個性を尊重し訓練が過酷なものとならないように、動物福祉に配慮した活動を進めるものであることもあわせて明記してください。
<施策9>地域や社会の実情を踏まえた動物の愛護管理のあり方の合意形成(P.19)
1 動物愛護推進員の設置(P.19)
動物愛護推進員の人材育成のためのプログラムが必要です。定期研修会や情報交換会おいては、少なくとも動物取扱業者の受ける研修と同じかそれ以上の内容で、動物愛護管理法、同基準、条例等に関する知識の習得を含めていただきたいと思います。また、犬猫の引き取り現場等における実地研修も必要と考えられます。
<施策10>飼養者、地域住民、動物愛護推進員、動物愛護団体、獣医師会、行政による協働関係の構築(P.19)
動物の適正飼養の普及のために「動物愛護相談窓口」の設置をご検討ください。電話及びFAX、メールの宛先を公開し、一般からの多様な相談に答えられるような体制を整えるとともに、相談の内容を統計的に処理、分析の上、市民のニーズを把握して施策に反映し、適切に対処できるようにご検討ください。
<施策11>大規模災害に対応できる救護態勢の整備(P.20)
実験動物施設、畜産施設においても各施設が適切に対処できるように、動物愛護の観点から地域防災計画の中に書き込んでいただきたいと思います。
<追加すべき施策1>
本計画には、実験動物に関する事項が欠落しています。宮城県内にも東北大学等、大きな動物実験施設が存在しますので、きちんと明記していただきく思います。「3Rの原則」の普及のためには、どこにどのような施設があるか所在および実態の確認をしなければなりません。ぜひ実態把握に取り組んでください。
同じく、本計画には、産業動物に関する事項がありません。近く、産業動物の飼養及び保管に関する基準の改定が行われますし、農林水産省でも国際動向に応じて家畜福祉に配慮した飼養保管指針の策定に取り組んでいます。
国の基本指針に即して、実験動物、産業動物についても、基準の遵守義務があることを明記してください。
<追加すべき施策2>
動物愛護の啓発普及のためには市町村との協力は特に重要と思います。市町村役場の窓口や広報においても、啓発普及の協力を進めていただきたいと思います。