2007年12月18日
長野県保健福祉部食品安全グループ御中
長野県動物愛護管理推進計画についての意見
地球生物会議 ALIVE
<該当箇所>
第1章 動物愛護管理推進計画の概要 計画策定の趣旨 P.2
基本理念 P.21
長野県動物愛護管理推進計画の施策体系 P.22
<意見>
動物愛護管理法における生命尊重の理念は、すべての動物を対象としており、罰則のある動物の遺棄・虐待罪は、人が飼育するすべての動物(ほ乳類・鳥類・は虫類)を対象としています。あわせて飼い主責任は、飼育目的がペットのみならず、実験、畜産も含め全ての飼育者に対して課せられています。また、人が飼育するすべての動物について、生理、習性を理解し適正飼養に関する知識の向上を図ることが必要です。このことを、基本理念および施策体系においてもはっきりと明記して下さい。これらの条項において、実験動物の3Rの促進、産業動物の福祉の向上、特定動物(危険動物)の規制、感染症対策などへの取り組みについても、明記してください。
<該当箇所>
第3章 動物愛護管理推進計画の施策
【施策9】地域防災計画に基づく動物の救護の整備 P.31
【施策10】災害に備えた平常時の対策 P.31
<意見>
地震、津波、原発事故など、災害の態様に応じた避難・救護対策を検討しマニュアルを作成することが必要と考えます。とりわけ、動物を多頭飼育している動物取扱業施設、動物園、実験動物繁殖施設、動物実験施設および畜産施設等の大規模動物施設については、避難体制や感染症の拡散防止対策等が必要です。動物実験施設においては毒物劇物や感染性病原体の実態把握、畜産施設などの多頭飼育施設においては人畜共通感染症の発生防止対策等の必要性も記載してください。
<該当箇所>
【施策12】安易な飼養の抑制・終生飼養の徹底 P.34
<意見>
以下の事項を追加してください。
○犬猫の引き取り現場での啓発普及
不要となった犬やねこの引き取りを保健所へ依頼する飼い主については、引き取り窓口での啓発指導の強化、繁殖制限措置の徹底を行ってください。受益者負担の観点から、引き取り手数料を現行の2000円以上に引き上げるべきと考えます。
○動物取扱業者への監督指導
不要となった犬やねこの引き取りを保健所へ依頼する飼い主については、引き取り窓口での啓発指導の強化、繁殖制限措置の徹底が不可欠です。また繁殖販売業者が繁殖に適さなくなった犬の引き取りを依頼する場合には、業者自らの手で終生飼養するか、あるいは適正飼養できる飼い主に譲渡するように指導してください。さらに、繁殖販売業者が営業に役立たなくなった犬などを遺棄する例も見られることから、とりわけ動物取扱業者に対する監督指導を強化してください。
<該当箇所>
【施策14】飼養希望者への譲渡の推進 P.35
<意見>
収容、譲渡動物の情報をホームページに掲載し飼養希望者を募る事業を進めるとともに、家庭でインターネットを利用していない人にも広く情報を提供するため、市町村役場や公共施設でも利用者がアクセスできるよう
にして下さい。
犬猫の収容期間、殺処分方法、収容施設については明記されていませんので、新たに以下の施策を追加してください。
○殺処分頭数の減少に伴い、動物の収容期間を可能な限り延長し、できるだけ生存の機会を与える。
○上記のために、施設の快適性の向上等の改善を図る必要がある。
○最終的に殺処分を行う場合は、炭酸ガス処分ではなく、1頭ごとの麻酔薬投与による苦痛の少ない致死処分への転換をはかる。
<該当箇所>
【施策15】所有者明示措置の意識啓発 P.37
<意見>
犬については市町村と協力し鑑札、予防接種済票の装着の徹底を図るとともに、利用率が向上するようなデザイン、外れにくいタイプのものに改良するようにしてください。また、飼い主の電話番号等の連絡先を記した迷子札の装着も進めてください。
<該当箇所>
【施策16】マイクロチップ等個体識別手段の普及 P.31
<意見>
動物取扱業者が所有する動物については可能な限りマイクロチップ等、個体識別措置を講じるように進めてください。このことは、繁殖業者による遺棄を防止する対策になります。
また、繁殖販売される子犬について、1頭ごとの個体識別情報を明らかにし、繁殖施設から流通業者の手を通じて最終飼い主の手に渡るまでのトレーサビリティ(追跡)が可能となるように、業者による情報公開の促進を指導してください。
<該当箇所>
【施策17】遺棄、虐待の防止 P.38
<意見>
動物の遺棄、虐待は懲役、罰金のある犯罪行為です。遺棄、虐待を疑う事例が発生した場合には、発見者は警察へ通報すること、また行政が告発する場合もあることを明記してください。
<該当箇所>
【施策18】犬の登録・狂犬病予防注射実施等飼い主責任の徹底 P.39
<意見>
猟犬、獣害対策犬についての特例を明記してください。
長野県では、家庭犬を訓練して農作物被害をおこすサルなどの追い払いを行う活動が始まっています。犬による鳥獣の追い払い活動は効果がきわめて高く、これから普及して行くと考えられますので、野生鳥獣保護の担当部署とも連携して犬の保護管理の対策を進めてください。この場合、放し飼いによる事故等も発生すると危惧されることから、鑑札や迷子札、マイクロチップなど個体識別措置の徹底を図ってください。
<該当箇所>
【施策20】 動物の鳴き声、臭い、排泄物等による迷惑防止 P.40
<意見>
長野県内でも多頭飼育によって周辺環境に悪影響を及ぼしたり、動物の飼育放棄といった虐待的な事例が多々発生しています。長野県では、これらの場合には、「立入検査を実飼養頭数の減少、適正管理等
の改善を指導できるよう、条例の制定について検討」するとのこと、この問題に まされている全国自治体の先駆的モデルとなるような条例制定が行われることを期待いたします。ちなみに茨城県の条例では、10頭以上の飼育は届出制としています。場合によっては多頭飼育者、動物虐待者に対する精神面でのケアが必要なケースもあります。埼玉県では、「多頭飼育者などへの心のケアを含めた指導を実施するため精神福祉担当部局との協力体制を整備」するとしています。
<該当箇所>
【施策22】動物取扱業への監視指導の強化 P.42
<意見>
動物愛護管理法では施設を持たない業者も登録の対象となっています。インターネットなどによる通信販売も含めて取り締まりの対象とする旨を明記して下さい。また、無登録営業等、法律に違反した業者に対しては登録の拒否、取り消しを行う旨を明記してください。
<該当箇所>
【施策24】産業動物及び実験動物の適正な取扱いへの対応 P.43
<意見>
○畜産業者等への普及啓発
畜産動物の健康と福祉を図ることは、感染症予防、食の安全につながります。国際的に畜産動物の福祉向上が進んでおり、2010年にはOIEによる飼養保管基準が制定される見通しです。農林水産省でも福祉に配慮した飼養保管指針の策定作業を始めいています。長野県の家畜保健衛生所においては家畜福祉
の先進的な取組みを行っており高く評価されています。これら畜産関係部局、獣医師と連携し、畜産動物の福祉向上を推進して下さい。
○実験動物施設への普及啓発
動物愛護管理法で定められている動物実験の「3R」の普及のためには、まず施設の所在や実験内容の実態把握が不可欠です。長野県内には動物実験施設のほか、実験動物の繁殖業者も多数存在していることから、これらの施設、業者の実態を把握してください。千葉県ほかの県では今後実験動物の飼養
実態調査を実施し、結果を公表するとしています。長野県でも同様の施策を進め、公立・民間企業を問わずすべての動物実験施設に「3R」の周知徹底が図られるようにして下さい。
以上