2007年1月25日
長崎県県民生活部生活衛生課 御中
長崎県動物愛護管理推進計画(素案)についての意見
地球生物会議 ALIVE
<該当箇所>P4
T 総論
5 長崎県の動物愛護管理の現況
(1) 法に基づく犬及びねこの引取頭数
<意見>
長崎県は、人口比で見た場合、犬猫の殺処分率は全国で第2位となっています。
とりわけ猫の殺処分数が多く全国第4位であり、殺処分数削減計画では特に猫に重点をおく必要があります。
<該当箇所>P7
7 動物愛護管理推進施策の体系
<意見>
「生態システムと動物愛護管理推進の関係」という図が示されていますが、自然生態系の図式をモデルにするのであれば、社会(MAC)の外に、より大きな自然生態系をおき、動物の遺棄や野生生物の捕獲・飼育による自然生態系のかく乱、人と動物の共通感染症等の要素(絶滅危惧種のツシマヤマネコのネコエイズ感染や鳥インフルエンザ等)、自然生態系との関係も示したほうがよいと思います。
<該当箇所>P10
U 各論
2 動物の適正な管理の普及啓発
(1)動物の適正管理の推進
<意見>
推進の方向と具体的な施策として、対馬地区でネコ適正飼養推進事業を推進することや、野生動物の飼養の問題点、生物多様性保全上の飼養者責任の重大性についての取り組みが行われることは、適正飼養の視野を広げる画期的なことだと思います。長崎県では絶滅危惧種のツシマヤマネコを保護する責務が課せられていますが、その場合、猫エイズ等の感染症の防止対策、ならびにトラバサミの設置禁止(これまでも何匹もトラバサミで死亡する事故が発生)など、鳥獣保護法上の遵守義務を広く周知徹底させていただきたいと思います。
動物愛護法において、生物多様性保全上特に重要なことは、いわゆるエキゾチックアニマルなど海外の野生動物の輸入・販売の監視や規制、および飼育の放棄・遺棄の禁止です。これに関しては動物取扱業者や飼育者に対して関係法令の周知徹底を行う必要があります。
<該当箇所>P10
(2) 啓発活動の強化
<意見>
動物の適正管理についての市町の取り組みを強化すること、その対策のひとつとして、市町の動物愛護普及啓発担当窓口を明確にすることは、大変重要なことです。特に長崎県では、犬猫の定時定点収集の場所が107カ所もあり、全国でも最も多い数値となっています。市町の引取り窓口では、犬猫を安易に引取ることなく、不妊去勢の必要性や終生飼養の責任を周知徹底させていく必要があります。
<該当箇所>P12
5 動物取扱業者への指導と啓発
<意見>
ペットショップなど動物取扱業者に対して、動物愛護法のほかに特定外来生物法や鳥獣保護法、種の保存法など他の動物関連法を遵守すべきことを周知徹底させてください。長崎県の鳥獣店では、鳥獣保護上で捕獲や販売が禁止されているメジロなどの野鳥が販売されており、背後に密猟や密売がなされている疑いがあります。野生生物保護および生物多様性保全の観点からも、動物取扱業を監視指導してください。
<該当箇所>・P15〜16
6 犬及びねこの譲渡促進と引取りの見直し
<意見>
動物愛護の拠点施設のない長崎県の現状では、引取りの前に、飼育希望者の事前登録を行う「里親登録制度」は必要なことであり、この広報はぜひすすめていただきたいものです。しかし、一方、再び安易に飼育放棄されないように、里親希望者に対する飼い方教室の開催なども必要です。
動物愛護管理活動の拠点づくりとしては、県内に1カ所の大きな愛護センターを設けるよりは、小規模でも地域住民が利用しやすく交通の便のよい場所に複数箇所を設けて、地域に開かれた施設の設置をご検討ください。
県内107所もある定点引取りを削減していくことは、ぜひ早急に進めてください。 他県においても引き取り場所を削減したことにより遺棄が増加したという例はありません。
引き取り数の削減を進めるためには、飼育放棄をする飼い主に直接対面して、なぜ飼育できなくなったか等の原因を聴取した上で、その対策を講じることが効果的です。各市町別に引取頭数削減目標を設定する場合に、窓口における啓発普及ができるような仕組みを取り入れてください。
引取り手数料を有料化する自治体は毎年増えています。ごみでさえも処分が有料化しているときに、いのちある動物をごみ同様に引き取り処分することは、単にコストの「受益者負担」の観点ばかりでなく、動物愛護思想の啓発普及を阻害する要因ともなっています。有料化は速やかに進めていただきたいと思います。
<該当箇所>P16
7 飼い主のいないねこの「地域ねこ」への取り組み
<意見>
推進の方向と具体的施策として、地域と行政及び民間との協働による「地域ねこ」への取り組みが計画されていることは、高く評価いたします。特に、のらねこ問題は地域問題のひとつであり、地域の合意形成を図るためワークショップ等を開催することはたいへん有益であると考えます。また獣医師会による不妊・去勢手術の支援も先進的な取り組みで、その成果を期待したいと思います。
<該当箇所>P18
9 人と動物の共通感染症対策と災害時対策
<意見>
大規模災害は、地震、噴火、台風、原発事故など、それぞれに対応した適切な対策がとれるように、マニュアルを作成し、中でも、動物を多頭飼育している実験動物施設、畜産施設における感染症対策も明記してください。各施設が適切に対処できるように、動物愛護の観点から地域防災計画の中に書き込んでいただきたいと思います。
<追加すべき施策>
本計画には、実験動物に関する事項が欠落しています。長崎大学等、大きな動物実験施設が存在しますので、きちんと明記していただきく思います。国の指針にも「3Rの原則」の周知徹底が明記されていますが、そのためにはどこにどのような施設があるか所在および実態の確認をしなければなりません。ぜひ実態把握に取り組んでください。
同じく、本計画には、産業動物に関する事項がありません。近く、産業動物の飼養及び保管に関する基準の改定が行われますし、農林水産省でも国際動向に応じて家畜福祉に配慮した飼養保管指針の策定に取り組んでいます。
国の基本指針に即して、実験動物、産業動物についても、基準の遵守義務があることを明記してください。
以上