2008年9月28日
沖縄県動物愛護管理推進計画(案)への意見
地球生物会議(ALIVE)
該当箇所
<P.2>
第1章 動物の愛護及び管理に関し実施すべき施策に関する基本的な方針
§2 沖縄県の動物行政の現状と課題
1 犬・ねこの引取り
<意見>
当会実施の全国動物行政アンケート調査によれば、沖縄県では猫の引取りに際して成猫と子猫の区別をしていません。これを区別して統計を出し、不妊去勢の必要性の根拠として示すことが必要と考えます。
<P.4>
2 犬の捕獲
<意見>
現状では、捕獲・収容された犬は2日間の公示を行うとしていますが、「非常に人に慣れた犬もおり、逸走したあるいは遺棄された可能性も否定できない」ともあります。
返還するためには2日の公示では短すぎること、期間を延長して返還率を高めることを課題とする必要があると考えます。
また、犬の引取り数は過去10年で65%減少していながら、捕獲犬の減少は25%とのことです。この理由を分析する必要があると考えます。
<P.6>
3 犬の返還
<意見>
現状では、「捕獲・収容される犬の大半が首輪はあるものの、鑑札・注射済票、迷子札などの所有者を特定できるものを装着していない」となっています。所有者明示を最重要課題とし、具体的な対策を示すべきと考えます。
<P.8>
4 犬・ねこの譲渡
<意見>
現状では、沖縄県では平成19年度には344頭の犬と64頭の猫を一般譲渡しており、「原則全ての犬ねこの避妊・去勢手術及び寄生虫検査等(健康チェック)を行って譲渡して」いるとのことです。
動物愛護センターで行政獣医師が避妊去勢手術を実施している自治体はまだ数えるほどしかなく、高く評価できます。
<P.10>
5 犬・ねこの殺処分
<意見>
県の業務概要によると、宮古と八重山地区の保健所に収容される犬について、捕獲が約400頭もあるのに返還が0となっていますが、これはどういうわけでしょうか。
このほかに引き取りの犬が約300頭おり、引取りの猫と合わせて800頭以上が、船便で本島に運送
され動物愛護センターで処分に付されるとのことです。宮古や八重山地区でも譲渡を行い、長距離輸送に耐えられない個体については現地で麻酔薬投与による安楽殺処分とする措置は検討できないでしょうか。現地に焼却炉がないとのことですが、その場合は死体を冷凍して運ぶという案が考えられます。
<P.12>
6 動物に関する苦情・相談等
<意見>
現状では、苦情相談の31%が行方不明の犬についての問い合わせでは、犬の捕獲依頼が18%とあり、動物行政への要望の半数が犬の放し飼いや逸走に起因しています。今後の課題として、所有者明示の義務付けを行うことが望まれます。
多頭飼育については、今年県が飼い主を告発した例がありますが、未然に防止できるように早い段階から行政指導できるようにすることが必要と考えます。今後は一定数以上の飼育については、届出制や立ち入り調査を可能とするような措置を設けることを課題にあげていただきたいと思います。
<P.16>
7.狂犬病予防法
(2)犬による咬傷事故
<意見>
犬による咬傷事故では「飼い犬の「放し飼い」が原因による事故が最も多い」と記されていますが、現状の記述では「犬舎等に係留中」が49頭(34.5%)と最も多く、「放し飼い」は38
頭(26.8%)」とあります。なぜ係留中の事故が最も多いのか、それぞれの状況を調査して対策を取る必要があると考えます。
<P.20>
9 動物取扱業及び特定動物飼養保管施設
<意見>
インターネット等による通信販売の広告においても、動物取扱業の登録の表示が義務付けられており、更なる指導を進めて行くことを課題としてください。
特定動物は、人や人の財産(飼育動物など)に危害を与えるおそれのある動物ですが、その一つに闘犬があります。沖縄県では幼い子どもが闘犬のピットブルにかみ殺された事件があり、そのために「闘犬種等適正飼養管理指導要領」(平成9年施行)を定めていますが、その後もなお事故が発生しています。
闘犬の飼育規制の強化を検討課題にしていただきたいと思います。
<P.24>
§3 計画の基本方針
3 連携・協働による施策推進の体制づくり
<意見>
沖縄には絶滅のおそれのある固有の希少生物が多数存在しています。外来動物の持ち込み及び遺棄の禁止の周知徹底を広く啓発普及するために、自然保護部局との連携、協働も課題としてください。
<P.30>
第2章 動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項
§2 具体的施策と展開
施策(2-2)
◎ 犬による危害(咬傷事故)の防止
<意見>
「咬傷事故については、飼い犬の『放し飼い』によるものが最も多い」とありますが、16ページの現状の記述では、実際に事故を起こしているのは9割が飼い犬であり、しかも最も多いのは係留中の事故(34.5%)と記されています。係留中の咬傷事故がこれほど多い原因の一つとして、犬をつないだままにして
いることに起因するストレスによって、攻撃性が現われている可能性があります。たしかに犬には係留の義務がありますが、それゆえに毎日の散歩等じゅうぶんな運動をさせてやることが飼い主の義務であることを、あわせて記していただくようにお願いします。
県の事業概要によると、大型犬の収容頭数が毎年400頭前後もあり、2006年度には闘犬のピットブルが55頭(捕獲21、引取35)、土佐犬17頭(引取17)もが収容されています。
2003年には米軍嘉手納基地のアメリカ兵が飼育していたピットブルが女性の指を噛みちぎるという事件も起こっています。安易に飼育して安易に遺棄をすることのないように、闘犬や大型犬の飼育は厳しく規制する措置を取るべきと考えます。
<P.30>
施策(2-3)
◎ 動物による迷惑問題の防止
<意見>
16ページに記載されているように、「捨て犬猫がやんばるの希少な野生生物への脅威となっている」事実をふまえ、さらに捨て犬・捨て猫防止キャンペーンを進めていただきたいと思います。
絶滅のおそれのある野生動植物のリスト、レッドデータブックには沖縄の固有種が多数記載されています。動物愛護関係者のみならず自然保護分野の関係者や地域住民とも連携して、固有種の保護と生態系の保全の観点からも、のら犬猫をなくしていくことの重要性を広く普及啓発していただきたいと思います。
多頭飼育については、「所有者に対して、放し飼い等による危害の防止、周辺住民の生活環境に配慮した適正飼養(繁殖制限、衛生管理等含む)を強く指導していく」とありますが、従来から行政が繰り返し指導しても改善がなされない例がいくつもあります。県は今年7月に度重なる改善指導、勧告命令にも従わない悪質飼育者を刑事告発したとのことです。このような事態に至る前に対策が取れるように、多頭飼育規制条例の制定が行われる事を期待します。
<P.31>
施策(2-4)
◎ 返還率向上に向けた所有者明示の推進
<意見>
展開として、「飼い主や県民に対し、犬鑑札、迷子札等の所有者明示措置の意義や役割をホームページ、各種公報媒体、パンフレット等啓発資材を活用して広く啓発する」とありますが、もう少し具体的な取組みが必要と思います。市町村における犬の鑑札の様式の自由化を進め、親しみやすく機能性に優れた鑑札を普及させることが必要だと考えられます。
また、犬猫の迷子札をペットショップや動物病院、市町村役場や公共の施設に備え付け、犬の飼い主なら誰でも自由に持ち帰ることができるようにするなどの案も考えられます。
<P.31>
施策(2-5)
◎ 動物取扱業者の育成・指導
<意見>
動物取扱業者に対しては、沖縄の自然生態系の保全の観点から、自然保護部局とも連携してエキゾチックアニマルなど外来動物の安易な繁殖・販売を監視してください。また販売においては顧客に対して、決して遺棄してはならないこと(遺棄の絶対的禁止)を顧客に必ず説明するべきことを、強く指導してください。
<P.32>
施策(2-6)
◎ 実験動物の適正な取扱い
<意見>
目標の「実験動物の飼養保管及び苦痛軽減等をめざす」ためには、まず、実験施設の所在や実験内容等の実態を把握する必要があり、これを実施するものとしてください。
<P.32>
施策(2-7)
◎ 産業動物の適正な取扱い
<意見>
産業動物の適正な飼養保管においても、畜産部局の協力を得て、畜産農家や企業の所在や使用実態を把握しておく必要があります。公衆衛生と人畜共通感染症の対策の観点からも、危機管理対策
の側面からも、これを実施してください。
<P.39>
第4章 動物の愛護及び管理に関する施策を実施するための体制の整備に関す る事項
§2 ネットワークの構築
5 関係機関との連携
<意見>
関係部局として別途、自然保護部局との連携体制の構築もあげてください。
以上