2008年2月6日
静岡県動物愛護管理推進計画案への意見
静岡県 厚生部 生活衛生局生活衛生室 動物愛護係 御中
地球生物会議 ALIVE
<該当箇所> P.9
第3 課題と施策の展開
I 飼い主責任の徹底
1 終生飼養・不妊去勢等の普及
<意見>
静岡県では、定時定点集によって犬猫の引取りを行っています (平成18年度31カ所)。 飼い主に対する終生飼養・不妊去勢についての啓発普及は、引取り時の現場でなされることが効果的ですが、定時定点集の場合はこれがほとんど不可能です。
全国的に定点収集を行っている県では猫の処分数が多いという傾向あり、この行政サービスが逆に安易な飼育放棄をもたらしているとも推定されます。
引取り手数料を有料化する際に、犬猫を手放そうとする飼い主に対してその理由の聞き取りや、対策のアドバイスができるようにするためにも、定時定点収集を廃止する方向で取り組んでください。
県内には個人で100頭を超える数の犬を飼育する繁殖販売業者が多数所在していますが、経営が悪化するとたちまち劣悪飼育状態から飼育崩壊に陥ります。動物取扱業施設には2年に1回の立ち入りを行うとのことですが、せめて1年に1回の立ち入りを行うようにしてください。
苦情等が寄せられた場合は、速やかに立ち入り調査を行い、改善指導により飼育崩壊を未然に防止するように努めてください。
また、県内には劣悪な飼育状態のペットショップが存在し、度重なる指導にも従おうとしませんでした。動物取扱業者がこのレベルでは、とうてい飼い主に対して適正飼養の説明ができるとは考えられません。
動物取扱責任者の受ける研修会では、簡単な試験を行う等して、知識の確認を行ってください。
<該当箇所>P.11
第3 課題と施策の展開
I 飼い主責任の徹底
2 ねこへの対応
<意見>
飼い主のいないねこの管理マニュアルを策定・配布することはよいと思いますが、その策定にあたっては、各地の先進的な取り組みや、成功事例等を調査するともに、マニュアルを策定する過程で、ボランティアや地域の人々が参加して地域の実情に即したものとすること、および、状況の変化に応じて
適宜改定していけるよう柔軟性のあるものとしてください。
伊東市の市営住宅における猫の飼育が問題とされ、生活保護を打ち切られたり、退去を求められるという事態が発生しましたが、今後、住民にとってこのような不幸な出来事が起こらないように、県は市町と連携して一体的な動物愛護行政に取り組んでください。
市町にも、動物愛護行政の担当窓口を設け、住民からの相談や苦情に対応できるようにしてください。
<該当箇所>P.13
I 飼い主責任の徹底
3 新しい飼い主を探す取組の推進
<意見>
殺処分数を減少させていくためには、新しい飼い主を探すことと同時に、捕獲された犬および所有者不明の引取り犬猫を飼い主に返還する数を増やしていく必要があります。
返還率を高めるために鑑札や迷子札などの個体識別措置の普及が必要です。犬の鑑札は、大きさやデザインが自由化されましたので、機能性、デザイン性にすぐれた鑑札を考案し普及させることもご検討ください。
県内26市町33箇所の市役所や町役場等に、「ポッチとニャンチの愛の伝言板」が設置されていて、県が実施している犬猫の譲渡数よりも多い数が新しい飼い主に譲渡されているとのことです。その場合、安易に不適切な譲渡が行われないように譲渡時の確認や譲渡後のフォローができるようにしてください。
新しい飼い主を探すWebサイトの設置はぜひ進めていただきたいものですが、その場合においても、安易に不適切な譲渡が行われないように譲渡時の確認や譲渡後のフォローができるようにしてください。その条件が満たされる場合は、県外からの飼養希望者にも譲渡できるようにご検討ください。
<該当箇所>P.15
I 飼い主責任の徹底
4 高齢社会への対応
<意見>
今後、高齢者が飼育できなくなるケースが増えると予測されることから、今からその対策を講じていくことは効果的だす。人と動物が共生できる地域社会が構築されるようにご検討ください。
<該当箇所>P.19
II 人と動物の安全と健康の確保
1 苦情等を減らす取り組みの推進
<意見>
県の統計では、犬についての「苦情」数のうち3586件(45%)もが「行方不明」の相談となっています。一方、平成18年度に1314匹の犬を捕獲し、飼い主の元に返還された数は365匹にすぎません。
探している飼い主が多い割には、飼い主のもとに返還されていないように考えられます。
犬の保管日数を延長し、Webサイトに収容犬の写真を掲示し、できるだけ広範囲に知らせる必要があります。
また、あわせて、なぜこれほど多くの犬が行方不明になるのかの原因を調査してください。
動物取扱業への立ち入り調査は2年に1回ではなく、原則として毎年行うようにしてください。
劣悪飼育になっている場合はすでに経営が悪化している兆候であり、「動物の餓死等の未然防止」のためには、劣悪飼育状態の時点で改善指導が必要です。
動物の遺棄が、生態系や農林水産業に被害を及ぼす可能性があることを広報するのはよいことですが、あわせて外来生物や野生動物については、遺棄の防止以前に、本来飼養に適していないこと、また場合によっては法律で飼育が禁止されていることを周知徹底してください(特定外来生物法、鳥獣保護法、種の保存法など)。
個人、業者を問わず、多頭飼育者については届出制として実態を把握し、飼育崩壊や周辺環境の悪化、近隣への生活被害等が発生しないように、飼育頭数の制限を厳しく指導してください。
県内の全実験動物施設に年1回立ち入り調査を行っているとのことで、高く評価いたします。なお、実験動物の繁殖販売業者には実験動物基準の遵守義務が課せられていますので、実験関係業者の実態も把握し立ち入り調査を行ってください。
年に1回の家畜飼養施設への立ち入り調査をしているとのことですが、家畜衛生等の観点に加えて、動物愛護の周知徹底の目的も併せて立ち入り調査が行われるならばたいへんよいと思います。
と畜場、食鳥処理場にも、同じ観点で立ち入りを行い、「動物を殺さなければならない場合には、可能な限り苦痛のない方法をとること」(動物愛護法第40条)が遵守されるように指導してください。
<該当箇所>P.22
II 人と動物の安全と健康の確保
2 動物由来感染症の予防方法等の普及
<意見>
鳥インフルエンザの発生時は、ペットの鳥や学校飼育の鶏などが遺棄されたり処分されりしました。断片的な情報によってパニックが起こり安易に動物が遺棄されないように、迅速に正しい情報を提供できる体制を構築してください。
<該当箇所>P.24
II 人と動物の安全と健康の確保
3 災害時の動物対策の推進
<意見>
万一東海沖地震が発生した場合、実験動物施設や畜産動物施設などの大規模な動物施設も崩壊するおそれがあります。
実験動物の種類(遺伝子組み換え動物を含む)、飼育数、実験の内容等を事前に把握しておくことは、危機管理対策上、必要不可欠な事柄です。
以上