動物愛護管理推進計画パブリックコメント
「川崎市における動物行政の方向性と動物愛護センターのあり方についての策定について」への意見
「川崎市における動物行政の方向性と動物愛護センターのあり方についての策定について」について、ALIVEでは以下の意見を送りました。
※意見募集期間 : 平成25年11月26日〜平成25年12月26日
平成25年12月26日
川崎市健康福祉局
健康安全部生活衛生課 御中
特定非営利活動法人地球生物会議(ALIVE)
「川崎市における動物行政の方向性と動物愛護センターのあり方についての策定について」への意見
日頃からの動物愛護行政へのご尽力に感謝いたします。「川崎市における動物行政の方向性と動物愛護センターのあり方についての策定について」に対し、以下、意見を提出いたします。
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【関係項目名】
8-9頁
【意見内容】
< >内を追記・修文すべきです。
「平成17年の動物愛護管理法改正により、「国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならない」と規定されました。
<近年、動物を使わない動物愛護教育が子供たちの道徳観や精神的、人格的な成長を促し、学校を中心とした地域コミュニティに恩恵をもたらすことが知られるようになってきました。> こうした中、本市では、動物愛護フェア、適正飼養キャンペーン、犬のしつけ教室とともに、図表 91-2-1のとおり、動物愛護教室等を開催するなど、普及啓発を推進していますが、猫の虐待事件の発生や動物の遺棄事例もあり、今後も動物の愛護と適正な飼養に関して普及啓発を進めていく必要があります。 」
【理由】
近年、動物を使わない良質な動物愛護教育の評価も高まっており、川崎市動物愛護センターでも実践されているため、その旨を明記すべきです。
当会が行った行政調査によると、110の自治体のうち、動物介在活動等の知識習得者がいるとする自治体はわずか7であり、その中には「触れ合い」に適しているとはいえない動物種を選定している自治体も含まれることから、動物福祉を前提とした適切な動物介在活動が行われているのはごくわずかと考えられ、現状においては、動物愛護管理行政等が動物を用いた動物愛護教育を行うのは時期尚早と言わざるを得ません。子供たちの道徳観や精神的、人格的な成長を促すような動物介在教育を実施するには映像や講義を交え、時間をかけて、論理的に一貫した授業等のプログラム構築と人材の確保が必要となり、場当たり的な生体を用いたふれあいでは実現しえないものです。動物に触ることよりも、良質な教育教材をとおして、適正飼養の知識習得を前提とした普及啓発活動、猫の殺処分数問題等、現在発生している喫緊の課題(所有者の明示、繁殖制限、猫の室内飼育等)に主眼を置いた動物愛護教育に力を入れるべきです。
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【関係項目名】
12頁 26-27頁 33頁
【意見内容】
動物取扱業へ適正飼養管理に関する定期的な立入調査を続けていくべきです。また、悪質な業者に対して、抜き打ち調査といった臨機応変な対応を行っていくことを明記すべきです。
【理由】
動物愛護管理法の改正によって、動物取扱業の規制が強化され、様々な制約が課される現状において、未だに動物取扱業者が遵守すべきである飼養保管基準さえ守っているとは言い難い業者が数多く存在しています。こうした状況の中で、川崎市では図表1-2-9のとおり、動物取扱業の登録数は増加傾向にあり、動物取扱業の適正化を図り、動物取扱業者に関するトラブルや苦情の減少を目指すならば、まず定期的な立入調査は必要であると考えます。
研修会等で動物取扱業者の知識の向上や法令順守を呼びかけても、本当に法令等が遵守されているかどうかは、事業所等へ立入調査をしなければわかりません。悪質な業者をいち早く発見し、指導を行い、動物が劣悪な環境に置かれることを防ぐためには、定期的な立入調査が必要であり、本案においても明記すべきです。
さらに、証拠隠滅や改ざんを防ぐためにも、市民等から法令違反の疑いといった通報や相談があった施設に対しての立入調査については、事前連絡をしない抜き打ちの検査を行う等の臨機応変な対応が行われるべきです。
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【関係項目名】
12頁 27頁
【意見内容】
特定動物飼養施設に対して、定期的な立入調査を続けていくべきです。
【理由】
人に危害を加えるおそれのある特定動物は「元来飼養すべきではない」動物ですが、現状は現行法及び各自治体の条例が定める、逸走防止に主眼を置いた施設の要件を満たしていれば誰でも特定動物を飼養することが可能であり、許可を受けた者が必ずしもその種の生理、生態及び習性に配慮された飼養保管及び展示を行い、終生適切に飼養しているとは限らないのが現状となっています。特定動物が逸走した場合は人に危害を与える危険性が高いこと、また特定動物飼養者は通常の飼い主責務よりも、より高度な適正な飼養管理が求められることに鑑みて、特定動物による事故を防ぎ、人と動物双方の生命、安全を守るためにも、特定動物飼養施設への定期的な立入調査が行われるべきです。
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【関係項目名】
15頁 22-23頁 28頁
【意見内容】
災害への備えにおいて、実験動物や産業動物を含む全ての動物を対象とした検討を行うべきです。
【理由】
東日本大震災では多くの産業動物が混乱の中に取り残され、餓死や衰弱死しました。また実験動物においてはラックの転倒やケージの落下、ライフラインの停止等で多くの実験動物が死亡し、また施設内での逸走が発生しました。しかしながら、川崎市地域防災計画(震災対策編)においては、主として家庭で飼養されている犬や猫、特定動物について、動物園における動物の逸走防止が僅かに規定されているのみで、現在の川崎市の防災計画における対象動物には、産業動物や実験動物が含まれているとは言えません。
産業動物においては、動物愛護管理基本指針の中に「災害時における産業動物の取扱いについても、情報共有を図りつつ、関係省庁が協力して検討すること」とあるように、飼養者や頭数等のデータについても関連部署と情報共有を図るべきです。
また、実験動物について、実験動物飼養施設から有害な病原体に汚染された動物や遺伝子組換え動物の逸走が起こりえることを考え、普段から実験動物飼養施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことが重要と考えます。去年改正された動物愛護管理法では、動物愛護管理推進計画に定める事項に、「災害時における動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項」が追加されましたが、実験動物が例外であるとはされておらず、実験動物の災害時対策のためには施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことが不可欠です。また、環境省告示の実験動物飼養保管基準では、(実験動物の)「管理者は、関係行政機関との連携の下、地域防災計画等との整合を図りつつ、地震、火災等の緊急時に採るべき措置に関する計画をあらかじめ作成するもの」とされており、各施設の防災計画がきちんと作成されているか、準備がされているかを確認する必要もあります。
震災等の緊急時における動物救護や危機管理を考えるならば、産業動物飼養施設や実験動物飼養施設についても注意を払うべきであり、こうした全ての動物における検討が為されない限り、十分かつ的確な災害対応にはなり得ません。こうしたことから本案における災害対策に、産業動物や実験動物についての記載がなされるべきです。
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【関係項目名】
25頁
【意見内容】
動物の適正飼養指導の中で「動物の福祉を適正に確保できると同時に豊かな社会性を備えた飼い主を生み出すための指導」、「飼わないための指導」を是非行っていくべきです。
【理由】
「命」に主眼を置いた動物愛護に基づく適正飼養指導では、「愛」という個人の主観に依った飼養になり、客観的に見て不適正な飼養が発生するおそれがあります。適性飼養の指導を行っていくならば、是非動物福祉の原則として国際的に認知されている5つの自由の保障という客観的な観点に基づいて行っていくべきです。
また、動物を飼養することは経済的にも、時間的にも負担がかかるものであり、安易に飼養を開始していいものではありません。本案に記載れた「飼わないための指導」は、安易な飼育開始のために現れる「飽きた」「世話が面倒くさい」「お金がない」等の理由での飼育放棄をなくすこととなります。動物を飼わないことも動物のためであるという方向があることを是非普及させてください。
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【関係項目名】
25頁
【意見内容】
地域猫について、川崎市の方針をより具体的に記載すべきです。
【理由】
今後、川崎市において収容動物の殺処分数を減らしていくためには、収容数・殺処分数共に多い所有者不明の子猫を重点的に対策していく必要があります。しかしながら、本案において所有者不明の子猫を減らす活動である地域猫活動については、「地域の問題となる猫の飼養等に関しては、「川崎市ねこの適正飼養ガイドライン」の浸透を推進していきます。あわせて、みだりな繁殖を防止する観点から、猫の不妊去勢手術の補助を継続するとともに、獣医師や動物愛護団体等と連携し、繁殖制限措置のさらなる普及啓発と実施の推進を図りつつ、動物愛護センターにおける野良猫(地域猫)の不妊去勢手術の実施についても検討していきます。」と僅かにしか記載されておらず、19頁の市民の意見で一番多かった「野良猫等の不妊去勢手術」が反映されていないのは大きな問題です。
地域猫については喫緊の問題であることから独自の章立てで扱うべき問題であり、川崎市の動物愛護管理行政が地域猫活動を促進していくことを本案に明記し、積極的に推進・支援する方針を示すことによって所有者不明の子猫を減らすことにつながると考えられることから川崎市の方向性をより具体的に記載すべきです。
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【関係項目名】
26頁
【意見内容】
虐待・遺棄の防止のために警察と連携を図るにあたって、事例別対応マニュアルといった具体的な施策を明記すべきです。
【理由】
法改正によって動物虐待罪や遺棄罪の罰則が大幅に強化され、虐待の定義が明確化されました。川崎市において、虐待等の防止のために自治会、ボランティア、動物愛護団体等に広く協力を求め、問題に取り組む姿勢はとても重要です。それ同時に、捜査機関である警察等関係機関との連携と協力を図ることも行わなければなりませんが、警察関係機関の中でも対応がまばらで、中には法をあまり知らない者もいるという現状があります。
犯罪を見過ごさないように、行政と警察がどのように連携を強化していくのかということについて、事例別対応マニュアル等の作成を行うといった具体的な施策を追記すべきです。
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【関係項目名】
32-33頁
【意見内容】
施設整備の基本的な方向性に、動物の福祉に配慮した施設へとなること、それによって収容中死亡数をなくしていくことを盛り込むべきです。
【理由】
今後、殺処分を減らし譲渡を推進していくために、動物愛護センターにおいて狭隘化、老朽化が問題となっているようですが、これ以外にも施設整備の基本的な方針に動物福祉が確保されるような施設へ転換し、収容中死亡数をなくしていくことを記載すべきです。
全国には空調設備もない、暑さ寒さの対策も施されていない旧態依然とした動物収容施設が散見され、収容中に死亡してしまう犬猫が少なくないことがわかっています。当会が調査した平成23年度のデータにおいては、川崎市では扇風機やストーブ、毛布、エアコン等の暑さ・寒さ対策がありますが、収容動物の数や本来動物に保障すべき環境を考えれば到底足りず、犬2頭、猫88頭が収容中に死亡しています。
動物を殺処分せずに譲渡を行っていくことは大事ですが、そのためには収容中に死亡させないように暑さ寒さ対策を始めとした動物福祉が保障された施設への転換を行わなければ、ただ飼い殺しの状態に置かれる動物が増えてしまうこととなります。さらに今後、動物愛護センターを適正飼養の普及啓発の拠点として活用していくならば、動物愛護センターが市民のお手本となるような飼養を行える施設へと転換すべきです。
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【関係項目名】
その他
【意見内容】
産業動物に関して、今後川崎市において、動物愛護担当部署と関係部局間のデータの共有等の連携を図り、現在の産業動物の飼養環境の実態を把握すると同時に、農水省「アニマルウェルフェア指針」の周知と普及啓発並びにそのモニタリングを実施していく方針を明記すべきです。
【理由】
31頁の動物愛護センターで取り扱う動物に、「動物愛護の普及啓発、動物の適正飼養指導の観点からは、犬猫等のペット動物だけでなく、野生動物や牛や豚などの産業動物、動物園等に展示されている動物に係る正しい知識の普及啓発についても視野を広げて、動物愛護や適正飼養の問題を広い観点から捉えていきます。」と記載されましたが、普及啓発や適正指導を行うためには、動物愛護担当部署と関係部局とのデータ共有等が求められます。
当会の調査によると、畜産動物施設の所在を把握している地方公共団体の動物愛護担当部署は全体の21%に留まっています。動物愛護管理法の改正時の附帯決議の第十に「被災動物への対応については、東日本大震災の経験を踏まえて、動物愛護管理推進計画に加えて地域防災計画にも明記するよう都道府県に働きかけること。また、牛や豚等の産業動物についても、災害時においてもできるだけ生存の機会を与えるよう尽力し、止むを得ない場合を除いては殺処分を行わないよう努めること」や、基本指針にも産業動物の適正な取り扱いの推進として講ずべき施策に「災害時における産業動物の取扱いについても、情報共有を図りつつ、関係省庁が協力して検討すること」という規定が盛り込まれたことに鑑みて、災害対策のために動物愛護行政担当部署も畜産動物関連部署と連携し、あらかじめ産業動物飼養施設の所在地、責任者等のリスト、各飼養頭羽数について情報を共有し把握しておくべきです。
また、上述の災害対策に加えて、基本指針に記載のある「産業動物の性格に応じた動物の愛護及び管理の必要性に関する普及啓発を推進」するために、農水省「アニマルウェルフェア指針」の周知と普及啓発を行い、また、各農家の飼養環境等の定期的なアンケート調査を実施し、普及啓発が影響を及ぼしているのか等をモニタリングし、効果検証をすべきです。
以上のことから非常事態における対策や普及啓発の実態を調査する上でも、「川崎市における動物行政の方向性と動物愛護センターのあり方」の中で、意見内容のような方針を追記すべきです。
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【関係項目名】
その他
【意見内容】
川崎市において、実験動物飼養施設に対する実態把握と定期的な立入調査を行っていくことを記載すべきです。
【理由】
災害対策で述べたように、実験動物施設では公衆衛生上重大な問題のある、細菌・ウイルス感染実験や遺伝子組み換え実験、放射線や放射性物質を使用した実験がたくさん行われています。川崎市内にも実験動物飼養施設が点在していますが、大規模災害時にこれらの拡散を防ぐためには、施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことが不可欠です。しかしながら、国の調査においても、川崎市においても実験動物飼養施設の実態を把握できる制度が存在していませんし、また「川崎市における動物行政の方向性と動物愛護センターのあり方」においても実験動物に関する記載は一切ありません。
実験動物飼養施設では日々大量の動物の死体や糞尿等が排出されます。実験動物飼養施設はその性質上、これらについても適切に管理しなければ周辺の生活環境に甚大な被害を及ぼすこととなります。さらに、環境省告示の実験動物飼養保管基準では、施設の構造や飼養及び保管の方法についての基準を設け、実験実施者及び飼養者への教育訓練、委員会の設置や指針の策定等も義務付けています。これらが適切に行われているかどうかを定期的に調査票や立入調査時の目視や聞き取りで確認しておくことは動物福祉上の意義があることと考えます。
上記のように、災害対策、公衆衛生や動物福祉の観点からも、川崎市においても兵庫県や静岡県のように定期的な立入調査を行い、実験動物飼養施設の所在地、飼養保管状況を普段から把握しておくことが必要であり、その方針を明記すべきです。
※参考事例:兵庫県、静岡県の例
・ 兵庫県では平成5年(1993年)から実験動物飼養施設(動物実験施設及び実験動物生産・販売業者含む)に対する届出制を運用しており、県内69機関(平成24年度末時点)に対し、届出受理時や届出変更受理時等に立入調査を行っている。
・ 静岡県では昭和62年(1987年)頃から主に動物実験施設(46施設:平成24年度末時点)に対する調査票の回収、立入調査を年に1回行っている。
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【関係項目名】
その他
【意見内容】
多頭飼育の実態把握と飼い主への精神的ケアを記載すべきです。
【理由】
日本の各地で多頭飼育の崩壊が発生しており、川崎市でも数年前に宮前区で猫の多頭飼育崩壊が起きました。多頭飼育崩壊から動物を救護し、周辺の生活環境をもとに戻すためには、ボランティアや行政の甚大なる努力が必要であり、多くのボランティアや行政職員が対応に苦慮しています。こうした状況を引き起こさないためにも、多頭飼育においては予防対策を講じることが必要ですが、川崎市においてこのような制度は存在しません。
川崎市における動物愛護行政の方向性に、多頭飼育施設の場所、責任者、動物種、頭数といった実態を把握できる条例等の制度を設ける方針を記載すべきです。
また、多頭飼育崩壊の問題においては多くの場合、精神的な問題を抱えている可能性の高い当事者が存在し、その対応や所有権の問題で動物の保護が進まない現状があります。このように多頭飼育は単に動物の保護や生活環境にかかるボランティア・動物愛護管理行政からの対応だけではなく、時には精神保健福祉に関わる専門家の力を借りた人の精神的ケアからのアプローチも必要です。
今後の川崎市動物愛護行政のあり方を考える上で、多頭飼育について、届出制等の社会的規制と、それに加えて飼い主への精神的なケアを行う精神健康部署との連携を図ることを明記すべきです。
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【関係項目名】
・23頁
(1)動物愛護の普及啓発の推進 ア 学校・地域・家庭等での普及啓発
「動物愛護を進めていく上では、広く動物愛護思想の普及を図っていくことが重要となります。
特に、動物に対する関心は、幼児期に芽生え、急速に成長することから、可能な限り、早い段階で適切な教育などを展開することが必要です。
文部科学省小学校学習指導要領解説生活編(平成20年8月)によると、「近年、児童を取り巻く社会や自然の環境が大きく変化してきている。その結果、自然に直接触れる経験が極めて少なくなってきていることや、生命の尊さを実感できていない児童がいるという状況が生まれてきている。」とあり、改善の具体的事項として、「自然に直接触れる体験や動物と植物の双方を自分たちで継続的に育てることを重視するなど、自然の素晴らしさや生命の尊さを実感する指導の充実に配慮する。」とあるなど、生活科の授業との関連も覗えます。
このため、教育現場と連携を図りながら、子どもたちを対象として、動物とのふれあいや動物愛護教室等を実施し、やすらぎの場の提供とあわせ、道徳観や精神的、人格的な成長を促す活動を推進します。
動物愛護センターにおける学校での普及啓発のあり方としては、「動物」という狭い視野だけに限定せず、広い意味の「命の教育」の一環として動物愛護の教育を行うことが求められていることから、動物愛護センターでは、「命」との関わりの中で動物の愛護や適正管理を教えるためのコンテンツや技法の開発及び実践に連携協力していきます。 なお、ここでの動物愛護教育とは、動物の「飼い主教育」だけにとどまらず、「命を大切にする気持」「豊かな情操」という「内面のあり方」と深く結びついていると同時に、公共の利害にも深く関わる「外面的な行動規範」を扱う教育でもなければなりません。
また、動物愛護管理法で定められた動物愛護週間(9月20日から26日)を中心に、獣医師会など、関係団体等と協力し、動物愛護フェア等のイベントを開催し、広く動物愛護思想の普及啓発を推進していきます。あわせて、他の市民の模範となるような顕著な功績のあった個人・団体等に対して、川崎市動物愛護賞として表彰していきます。
こうした普及啓発を通じて、動物愛護思想を広げるとともに、野生動物等への理解が深まるような取組についても推進していきます。 」
【意見内容】
- 以下の箇所を削除すべきです。
「特に、動物に対する関心は、幼児期に芽生え、急速に成長することから、可能な限り、早い段階で適切な教育などを展開することが必要です。 文部科学省小学校学習指導要領解説生活編(平成20年8月)によると、「近年、児童を取り巻く社会や自然の環境が大きく変化してきている。その結果、自然に直接触れる経験が極めて少なくなってきていることや、生命の尊さを実感できていない児童がいるという状況が生まれてきている。」とあり、改善の具体的事項として、「自然に直接触れる体験や動物と植物の双方を自分たちで継続的に育てることを重視するなど、自然の素晴らしさや生命の尊さを実感する指導の充実に配慮する。」とあるなど、生活科の授業との関連も覗えます。このため、教育現場と連携を図りながら、子どもたちを対象として、動物とのふれあいや動物愛護教室等を実施し、やすらぎの場の提供とあわせ、道徳観や精神的、人格的な成長を促す活動を推進します。 」
- 改正動愛法により、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準「第6学校、教育施設等における飼養及び保管」には災害時における飼養及び保管上の配慮に関する規定等が追加されたにも関わらず、その点について記載がないのは大きな問題です。先ずは関係者等に対して、これらの改正点をはじめ、遵守すべき基準について周知徹底を図ることを優先すべきです。
- 「動物愛護管理法で定められた動物愛護週間(9月20日から26日)を中心に、獣医師会など、関係団体等と協力し、動物愛護フェア等のイベントを開催し、広く動物愛護思想の普及啓発を推進していきます。」の文中に、「動物愛護管理法第4条における「動物愛護週間」の趣旨に相応しいイベント」である旨を明記すべきです。
- 「命の教育」や動物愛護教育は、動物福祉を軸として、論理的かつ体系的に教えることができる人材および教材の確保が不可欠であるといわれています。そのため、無理に動物介在教育を行わずに動物を使わない動物愛護教育を継続し、飼い主教育、適正飼養の知識習得を前提とした普及啓発活動に主眼を置くべきです。
【理由】
全体に「動物との触れ合いを通じて」一辺倒の施策を講じ、動物愛護管理行政の業務範囲を超えた分野に注力する意向が覗える一方、動物愛護管理法の周知、基本指針に基づいて積極的に取り組むべき地域猫対策、動物愛護管理法第25条第3項に新設された多頭飼育問題の対策が講じられていないのは疑問に思うところであり、動物愛護管理法第6条3項の「動物の愛護と管理に関する普及啓発に関する事項」に則した普及啓発活動のあり方としてバランスを欠いていると指摘せざるを得ません。
なお、動物愛護フェア等の開催にあたっては、今後も動物触れ合いイベント等の企画は行うべきではありません。(動物愛護管理法の趣旨からも相応しいとはいえず、市民の動物福祉意識の高揚を阻害しかねません。)
文部科学省小学校学習指導要領、しかも主に教育関係者を対象とした、法的拘束力がない解説書を依拠として動物とのふれあい体験を本案に関連づけるのはあまりにも強引であり、特定業界に便宜を図っているかのような印象を受ける記載は動物愛護管理行政の中立・公平性確保の観点からも問題があります。
また、犬猫およびうさぎ等のペットの多くは品種改良を重ねた愛玩・商業動物であることから「自然に直接触れる体験」等の引用も妥当ではなく、「道徳観や精神的、人格的な成長」にいたっては教育現場との連携を謳っているとはいえ行政獣医師等の技能や職域を超えており、動物愛護推進計画の案としては不適切であることから指摘した箇所全体を削除し、動物愛護管理法及び関係法令をベースとした文章に修文すべきです。
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【関係項目名】
・30頁
図表4-0-1 動物愛護センターの再編整備の考え方 【主な機能と事業】
【意見内容】
- 「T 動物に係る情報発信の拠点」において、以下の項目を削除すべきです。
「・動物とのふれあいの場の提供」
A 「T 動物に係る情報発信の拠点」において、<>内を追記すべきです。
「・<主に犬を用いた>動物介在教育(動物愛護教室)や飼育体験教室等の実施」
B 「T 動物に係る情報発信の拠点」において、以下の項目を追記すべきです。
「動物の愛護及び管理に関する法律の周知」、「(動物愛護管理法に盛り込まれた)動物福祉に関する情報」、「終生飼育義務および動物を迎える際に考慮すべき点(経済的負担ほか各種シミュレーション)」
C 「U 動物の適正管理の拠点」において、以下の項目を追記すべきです。
「・鑑札等の装着義務および迷子札装着の推奨等の啓発」、「・動物取扱業者の適正化に係る指導」
【理由】
動物愛護管理法の改正において強化された動物取扱業者の適正化や、飼い主責任の普及啓発等、動物愛護管理行政が本来行うべき事項が欠けていると言わざるを得ません。図表4-0-1においては、「動物とのふれあいの場の提供」といった、動物愛護管理法の普及啓発等よりも優先度の低いものばかりが記載されていることから、意見内容のような削除と追記が必要です。
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【関係項目名】
・31頁
(2)動物愛護センターの対象 イ 利用対象者
「利用者として、動物の飼い主、飼養希望者、動物愛護団体、ボランティア、高等教育機関の実習生、初等中等教育に関わる学校、幼稚園、保育園、家族連れ、動物取扱業者などを広く想定し、センターを単なる動物の収容施設ではなく、市民の楽しく豊かな交流の場として機能させていきます。
具体的には、飼育相談や健康相談、あるいは譲渡などを目的とした飼い主又は飼養希望者などの訪問が見込まれます。
また、ふれあい機能の確保に伴い、学校・幼稚園・保育園等の他、家族連れなどの訪問も期待されます。こうした利用者の利用機会を増やすため、ふれあい機能に係る施設部分についてのみ、土曜日や日曜日も開館するなど、動物愛護センターの開館日のあり方について検討を進めます。
さらに、動物取扱業等に係る研修等を動物愛護センターで開催することも検討します。
市の関係部署(区役所・夢見ヶ崎動物公園等)、獣医師会、動物病院、動物保護団体、さまざまな初等・中等・高等教育機関、ボランティア、一般市民との連携を一層深め、それら関係者の柔軟な協働・交流のもとに、動物愛護・適正飼養を啓発・指導・研究する先端的な拠点となることを目指していきます。)」
【意見内容】
- 以下の箇所を削除すべきです。
「また、ふれあい機能の確保に伴い、学校・幼稚園・保育園等の他、家族連れなどの訪問も期待されます。こうした利用者の利用機会を増やすため、ふれあい機能に係る施設部分についてのみ、土曜日や日曜日も開館するなど、動物愛護センターの開館日のあり方について検討を進めます。 」
- 譲渡対象動物の見学会、譲渡前講習会については、土曜日や日曜日も開館すべきです。
【理由】
飼養希望者の見学は主に平日の業務時間内であり、譲渡前講習会については毎週月曜日(13:30から約2時間)のみであるにも関わらず、ふれあい機能に係る施設部分については土日も開館するといった拡充検討を打ち出すことに強く反対します。
19頁「2市民の動物愛護センターへの要望事項」において、動物愛護センターで今後さらに充実してほしい業務について市民に対しアンケートした結果を示した図表を参照すると、具体的な要望内容で最も意見が多かったのは「野良猫等の不妊去勢手術の実施」であり、次いで「飼い主のいない動物の譲渡」、動物のふれあい教室の実施は9位となっています。こうした結果の中で、納税者である市民の要望が高い事項よりも、レクリエーション性が高い「ふれあい機能」だけを拡充していくことは許されるものではありません。動物愛護センターは、動物園やペットイベントのふれあい広場ではなく、本来行うべき業務趣旨から逸脱しないよう、再編整備のあり方を見直すべきです。
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【関係項目名】
33頁
(1)動物に係る情報発信の拠点
「動物愛護センターは、多様な主体と連携・協働し、動物とのふれあい等を通じた教育活動やイベント等を通じた広報活動等に取り組むとともに、ボランティア等の育成を行う拠点としての役割を果たします。
具体的には、飼い主の責務の徹底やマナーの向上を呼びかけるとともに、動物への理解を深めて正しい飼い方や動物への接し方が習得できるよう事業を推進します。
また、動物とのふれあいは、人の心にやすらぎを与え、ストレスを解消するなど、心身の健康に良い影響があると言われています。動物愛護センターでは、来所した子どもから高齢者まで、動物を飼っている人にも飼っていない人にも、動物とのふれあいや、動物を介して人と人とのコミュニケーションを深めるなど、動物と親しみ、遊び、くつろげる場を提供します。
子どもが動物とふれあい、その温かさを感じることは、命の大切さを実感し、やさしさやいたわりの心を育む効果があることから、動物愛護センターでは、小学校と連携を図り、動物とのふれあいの場の提供等を通して、動物への親しみを持ち、生命を大切にする態度を養うなど、子どもたちの心身の健全な育成に努めます。
【機能・事業例】
・動物とのふれあいの場の提供
・動物に関する学習の場の提供
・動物介在教育(動物愛護教室)や飼育体験教室等の実施
・動物に係る情報の交換や発信の場の提供 など」
【意見内容】
< >内を削除すべきです。さらに、「動物の愛護及び管理に関する法律」及び「川崎市動物愛護センター条例」に基づく動物の適正飼養の習得と指導の場として相応しい機能、情報発信のあり方を見直した案を新たに記載すべきです。
「動物愛護センターは、多様な主体と連携・協働し、 <動物とのふれあい等を通じた> 教育活動やイベント等を通じた広報活動等に取り組むとともに、ボランティア等の育成を行う拠点としての役割を果たします。具体的には,飼い主の責務の徹底やマナーの向上を呼びかけるとともに、動物への理解を深めて正しい飼い方や動物への接し方が習得できるよう事業を推進します。
<また、動物とのふれあいは、人の心にやすらぎを与え、ストレスを解消するなど、心身の健康に良い影響があると言われています。動物愛護センターでは、来所した子どもから高齢者まで、動物を飼っている人にも飼っていない人にも、動物とのふれあいや、動物を介して人と人とのコミュニケーションを深めるなど、動物と親しみ、遊び、くつろげる場を提供します。
子どもが動物とふれあい、その温かさを感じることは、命の大切さを実感し、やさしさやいたわりの心を育む効果があることから、動物愛護センターでは、小学校と連携を図り、動物とのふれあいの場の提供等を通して、動物への親しみを持ち、生命を大切にする態度を養うなど、子どもたちの心身の健全な育成に努めます。 > 」
【理由】
動物愛護センターは、ペット市場における潜在飼育意向者の掘り起こしを図るための施設ではなく、あくまでも公共の施設として公平中立に動物の愛護と管理に係る業務を行っていく場所です。
動物愛護管理行政が取り組むべき課題に関連した業務拡充が充分でないにも関わらず、アニマルセラピー分野を事業とする方向を全面に打ち出し「心身の健康に良い影響」等の効果効能を謳って「動物とのふれあい等を通じた」教育活動やイベント、広報活動等を行うことを本案に記載するのは不適切です。
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【関係項目名】
@31頁
(1)動物愛護センターの目的
「今後の動物行政においては、動物の適正管理とともに、ふれあい機能の拡充を図り、人と動物が共生する地域社会の実現をめざすこととしており、こうした方向性を具現化するため、区役所、獣医師会、動物病院、動物愛護団体及び市民ボランティアなどと、連携・協働しながら、具体的な取組を実践する拠点として動物愛護センターの再編整備を実施します。」
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(2)動物愛護センターの対象 ア 取り扱う動物
「取り扱う動物については、動物愛護管理法の規定に基づく犬や猫などが中心となりますが、ふれあい機能を確保していくためにうさぎなどのふれあい動物も対象とします。」
【意見内容】
@ <>内を削除すべきです。
「今後の動物行政においては、動物の適正管理とともに、 <ふれあい機能の拡充を図り、> 人と動物が共生する地域社会の実現をめざすこととしており、こうした方向性を具現化するため、区役所、獣医師会、動物病院、動物愛護団体及び市民ボランティアなどと、連携・協働しながら、具体的な取組を実践する拠点として動物愛護センターの再編整備を実施します。」
A <>内を削除すべきです。
「取り扱う動物については、動物愛護管理法の規定に基づく犬や猫などが中心となりますが、 <ふれあい機能を確保していくために> うさぎなどのふれあい動物も対象とします。」
【理由】
川崎市動物愛護センターにおいてふれあい活動のために飼養・確保している動物は現在うさぎが4頭、モルモット24頭で、主に夢見ヶ崎動物公園から導入した個体であるとのことです。
しかし、それらの動物種は、見知らぬ人に接触されることを好まない臆病な性質を有する個体が多いことは広く知られており、対不特定多数のふれあいに供することで間違った認識を与えてしまうおそれもあります。動物愛護思想、生態学習面において子ども達に良い影響がもたらされるとは言い難く、動物の適正飼養」と同時に推進しえないことから削除し、「ふれあい機能の確保」を目的とした小型哺乳類の導入飼養はやめていくべきです。
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以上
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