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HOME > 動物保護法 > 日本の動物保護法 >京都市 「動物による迷惑の防止に関する条例(仮称)」の骨子案に対する意見(2015.01.14)

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京都市 「動物による迷惑の防止に関する条例(仮称)」の
骨子案に対する意見


京都市の「動物による迷惑の防止に関する条例(仮称)」の 骨子案について、
ALIVEでは以下の意見を送りました。


※意見募集期間 : 平成26年12月15日(月)~平成27年1月14日(水)





平成27年1月14日

京都市保健福祉局保健衛生推進室
保健医療課事業推進担当
(犬猫等ふん尿被害対策検討プロジェクトチーム事務局) 御中



京都市 「動物による迷惑の防止に関する条例(仮称)」の 骨子案への意見



【意見】
 本骨子案において、「まちねこ活動支援事業」により認定された地域、人以外が行う全ての餌やり行為が「無責任な餌やり」に該当するかのように読み取れる異様ともいえる措置が講じられているが、飼い主のいない猫を減らす取り組みを行う善意の市民に不利益が生じぬよう、本質に立ち返って見直す必要がある。
 猫の所有者に対しては室内飼育を努力義務にとどめる一方で、所有者ではない市民が罰則等の対象になりうる不条理は本条例制定にあたって必ずや解消されるべきであるが、以下の項目についても充分に考慮、反映されたい。

① 「まちねこ活動」をはじめる際の条件緩和、避妊去勢手術申請者の利便性向上など、「まちねこ活動支援事業」が広く京都市民に活用されるよう制度の見直しを図るべきである。

 法的強制力がないとはいえ、「猫を自ら飼養いただくか,」は削除すべきである。
なお、本骨子案には「飼い主のいない猫」の根本的な発生原因についての記載がなく、「無責任な餌やり行為」によって猫が増えたかのような印象を受けるおそれがあるため明記しておくべきである。

③ 「まちねこ活動」に属さない個人ボランティア等によって適切な管理の下で行われる餌やりについては、「無責任な餌やり行為」に該当しないと明確にわかる文言を記載すべきである。

④ 「所有する犬又は猫についてマイクロチップ等により所有者の明示に努めること。」の箇所を、「マイクロチップ、迷子札等」に修正すべきである。

⑤ 「犬又は猫の多頭飼育時に届け出ること」に賛成であるが、災害時対応や多頭崩壊の未然防止の観点から、成体サイズ区分が同等の「うさぎ」も含めてはどうか。

 野生動物に対する餌やり行為の原則禁止について盛り込むべきである。


【理由】
①②③ 「まちねこ活動支援事業」に沿った活動や給餌を行うには、「まちねこ活動」を理解し、地域の方3名を確保したのち、町内会の説得にまわり同意が得られたらさらに「まちねこ活動」地域として認定の手続きを行う必要があるという。書類審査、地域の実地調査などを経てようやく認定を受けることができても、その後保健センターから猫の避妊・去勢手術の順番待ちがあり、連絡がきてからようやく地域の野良猫を保護して保健センターに持ち込めるが、広く京都市民に活用されるためには、認定条件の緩和や事務手続きの簡略化、避妊去勢手術申請者の利便性向上といった制度の見直しなくして「まちねこ活動支援事業」で地域を包括しようとするのは無理がある。 
 「まちねこ活動」に属さない個人ボランティア等によって適切な管理の下で行われる餌やりについては、「無責任な餌やり行為」に該当しないことを明確化する等してボランティアを守る必要がある。
誤解や偏見を生じさせたり、餌をもらえなくなった猫たちの健康状態が悪化し、ごみを漁ってさらに苦情が増えるなどしては本末転倒であり、地域猫対策の後退につながりかねないと危惧する。
 「無責任な餌やり」は行うべきではないが、その文言がひとり歩きしていくと大人ばかりか子ども達の価値混乱を招くおそれがある。動物の愛護及び管理に関する法律、京都市動物愛護事業におる出前授業、動物の命や思いやりを大切にすることを道徳教育等で取り上げている文部科学省の方針とも矛盾する。
犬猫の糞尿被害に悩む一般市民からの相談・苦情に対応する行政職員の精神的・物理的負担など、深刻な状況は察するが、猫の所有者ではない市民が罰則等の対象になりうる措置を講じるのは行き過ぎではないか。「改善がみられないケース、悪質なケース」については、当事者の状況認知力、社会規範意識の希薄などに起因していることが少なくないとする意見もあり、罰則を設けて過料を課すことが抑止力につながるとは限らない。

 マイクロチップは耐久性の高い個体識別票ではあるが、警察署等、マイクロチップリーダーが設置されていない施設で犬猫が一時保管されることも少なくなく、装着していれば一目瞭然で所有者が判明する「迷子札」は「等」に含めず具体的に明記し併用を推奨すべきである。(これらの所有者明示方法は「鑑札・注射済票」の装着が前提であることも周知徹底すべき)

 多頭飼育において適切な管理を少しでも怠るとことは、周囲への迷惑行為や生活環境への被害、動物虐待につながり、仮に多頭飼育者が病気等によって世話ができない状況となると、いわゆる多頭飼育崩壊の状態となることがしばしばである。多頭飼育の届出制の創設によって、行政が多頭飼育を把握し、率先して動物の福祉を確保することで、多頭飼育に起因する人や生活環境、動物による迷惑問題を防止することにつながる。
 また、2012年に行われた動物愛護管理法の改正作業のなかで、多頭飼育の際には飼育技術や知識、飼育スペースが必要であることから、第二種動物取扱業の対象となる動物種において中型哺乳類として例示されることとなったウサギは、近年飼育世帯数が増加し、犬や猫に次ぐ第三のペットといっても過言ではない状況となっている。それに伴い、ウサギは猫と同じ交尾排卵動物のため繁殖力が非常に高いということも相まって、個人によるウサギの多頭飼育崩壊も散見されるようになってきており、当会にも情報提供及び相談等が寄せられることがある。しかしながら、ウサギの多頭飼育崩壊発生時に対応できる人材(愛護団体・ボランティア等)が著しく不足し、再飼養先の確保も困難を極め、行政や愛護団体・ボランティア等も対応に苦慮し、結果として動物の福祉的配慮が欠けてしまうおそれがある。犬猫においても早期に本制度が創設されていれば、多頭飼育崩壊が抑えられたケースがあったとも考えられ、ウサギにおいてもそういった予防原則の観点に基づく対応が切実に望まれる。これらの理由から、多頭飼育届出の対象にウサギを含めるべきである。

 野生動物の餌付けについては、近年、野生動物への餌やり行為が、人間の生活圏へ野生動物を接近させ誘導することに伴い、様々な問題を引き起こしていることが指摘されている。一般市民や観光客等による「意図的な」餌やり行為によって、野生動物が人を恐れなくなり、人身事故や生活被害、農作物被害等を起こすこととなる。また、当該動物自身も交通事故に遭ったり、人からもらう食べ物の内容によって健康被害を起こしたりすることもある。人と接近しすぎることで、人獣共通感染症の伝播等の恐れもある。さらに、当該動物の栄養状態が良くなることで繁殖率が向上、その種の個体数が増加し、生態系のバランスを崩してしまうことも長期的な問題として取り上げられる。野生動物は、人が占有・飼養する動物ではない(犬や猫等の愛護動物とは異なる)ことに鑑み、「野生動物」への餌やりは原則禁止することを本骨子案に明文化し、市民への理解協力を促すべきである。



以上




 
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