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2012年5月29日
動物実験施設の届出制について、動物愛護管理法の議論から切り離し、有名無実のものにしようとする動きがあります。これまで法改正運動に取り組んできた立場として、緊急に以下の声明を表明します。
動物愛護管理法の改正については、現在、議員立法による成立へ向けた議論が各党で進められている段階ですが、報道※によれば5月24日の民主党の環境部門会議で、動物実験施設の届出制について、新たに別法を制定する方針が固められたとのことです。しかも別法化される動物実験施設の届出制は、「動物実験の3R」の担保や実験動物福祉の目的から切り離されている可能性が高く、これは到底許容できるものではありません。 そもそも動物実験は納税者や消費者のお金を用いて、動物に苦痛を与える行為です。だからこそ関心を持つ多くの市民に対し、実態を公開し、透明性を保つ必要があるというのは、誰もが納得する論理です。環境省のパブリックコメントでは2万4千を超える人々が、自治体の動物愛護行政が実験施設の把握をし、動物の適正飼養を確認する、実効性のある法制度が必要だという意見を寄せました。この課題を動物愛護管理法から切り離すならば、すべての飼育動物の適正な取り扱いを求める動物愛護管理法そのものが弱体化、形骸化してしまいます。 今回、動物実験施設の届出制を動物愛護管理法から切り離す動きになったのは、医学系学会や製薬業界などの利益を代弁する国会議員による激しい反発があったためです。彼らは「届出制にすると医学の進歩が阻害される」「行き過ぎた規制だ」と、大げさに主張しています。しかし、常識的に考えて、施設の届出制で実験動物の飼育管理に関する基本的な情報が把握されたとしても、それによって科学研究が阻害されるはずはありません。 こういった利益集団による反発は、過去2回の法改正でも繰り返され、その度に実験動物が切り捨てられてきました。そして、またもや今回の改正作業の中で、それが繰り返されているのです。 日本という国は、いつまで動物実験を闇の中にとどめておこうとするのでしょうか。 また、近年の実験動物福祉をめぐる国際潮流の中で、この十年一日の日本の現状は、果たして国益に沿うものでしょうか。諸外国では明確に法によって定められている規制が、何十年たってもその一部すら成立しない日本の現状は、悲劇と言うしかありません。 私たちは、動物愛護管理法の中で、最低でも動物実験施設の登録制/届出制が設けられ、実験動物の適正な保護管理と福祉の向上が図られることを求めます。
※「民主・環境部門会議 動物実験『届出制』、別法制定で調整」 医薬経済社 RIS Fax 2012年5月25日
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