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HOME > 動物保護法 > 日本の動物保護法 >「千葉県動物愛護管理推進計画の変更案」に対する意見(2014.05.26)

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動物愛護管理推進計画パブリックコメント

「千葉県動物愛護管理推進計画の変更案」に対する意見に対する意見


「千葉県動物愛護管理推進計画」の変更案について、ALIVEでは以下の意見を送りました。


※意見募集期間 : 平成26年5月1日(木)〜平成26年5月31日(土)




 

 

平成26年5月26日
千葉県健康福祉部衛生指導課 公衆衛生獣医班 御中

 

特定非営利活動法人地球生物会議(ALIVE)

 

「千葉県動物愛護管理推進計画の変更案」に対する意見

 

 日頃からの動物愛護行政へのご尽力に感謝いたします。「千葉県動物愛護管理推進計画の変更案」に対して、以下、意見を提出いたします。

 

【関係項目名】
第2動物の愛護及び管理に関する現状と課題 4殺処分 5頁

【意見内容】
@ 千葉県内の動物収容施設について、動物福祉に配慮した収容施設を目指すことを明記し、収容中死亡数を減らしていく取組を行うべきです。また、適切な対策を講じるために収容中死亡数についても集計を行うべきです。

A 麻酔薬投与等による苦痛のない致死処分を検討すべきです。

B 収容期間を延長すべきです。 

【理由】
@ 全国には空調設備もない、暑さ寒さの対策も施されていない旧態依然とした動物収容施設が散見され、収容中に死亡してしまう犬猫が少なくないことがわかっています。当会が調査した平成23年度のデータでは、千葉県内の動物収容施設において、エアコン・すのこといった暑さ・寒さ対策があることが判明しています。しかしながら、動物福祉に配慮した環境の保障や収容動物の数を考えれば到底足りず、千葉市では犬9頭・猫212頭、船橋市では猫33頭が死亡しており、集計を行っていない千葉県や柏市においても亡くなっているものと推察されます。
 動物収容施設の多くは動物の殺処分に主眼を置いてきたものであり、収容動物の健康と安全に配慮し生かすことを目的として設置されたものではありませんでした。千葉県において、今後、譲渡の推進のために保管期間を延長していくことが考えられますが、飼い殺しという悲惨な状況にある動物を増やすのではなく、動物の福祉にも目を向けるべきであり、動物収容施設を暑さ寒さ対策はじめ動物福祉に配慮した施設へと転換し、それによって収容中死亡数を減らしていく取組が求められます。
 平成23年度の当会の調査によると、千葉県や柏市では犬・猫の収容中死亡数を集計していません。これでは収容施設がどのような状況なのかが分からず、動物収容施設をどのように改善していくべきなのかの対策も講じることができません。施設改善の基礎データとなる収容中死亡数は、個別に集計すべきです。

A 当会の調査によると、千葉県では犬・猫の殺処分方法として、一部事前麻酔なしのガス室という方法を採用していることが判明しています。しかしながら、炭酸ガスでの殺処分は、動物が覚醒下で低酸素状態に陥るか、または麻酔効果が現れたとしても安楽な麻酔状態ではないという研究結果が存在します。このため、この処分方法を今後再検討し、動物の恐怖や苦痛に配慮した、麻酔薬投与等による苦痛のない致死処分への転換を求めます。

B 当会の調査によると、千葉県内の動物収容施設における保管期間は、差はあるものの概ね1週間前後となっています。今後返還や譲渡の推進のために生存の機会を与えるならば、収容期間の延長は是非行っていくべきです。なお収容期間の延長にあたっては、@にも記載したように、収容施設内の動物福祉の向上も行うことを求めます。




【関係項目名】
第2 動物の愛護及び管理に関する現状と課題
9狂犬病予防(2)課題 8頁

【意見内容】
犬の登録及び狂犬病予防注射の接種率向上にあたって、実験動物飼養施設及び多頭飼育者に対して重点的に普及啓発すべきです。

【理由】
 狂犬病の登録や予防注射は人の飼養する全ての犬に課せられていますが、当会が行った静岡県に対する開示請求において、動物実験施設で狂犬病予防法に基づく犬の登録や予防注射がされてないケースが多々あることが推察される結果となり、千葉県においても同じような状況であると予測されます。また、過去の多頭飼育崩壊事例をみると、往々にして狂犬病の注射や犬の登録を怠っている飼い主が多いことが伺われます。
 こうした状況の中で、もし仮に登録を行っていない犬が多数存在すると推定される実験動物飼養施設や多頭飼育施設で狂犬病が発生した場合、発覚にも時間がかかり、多くの感染犬・人を出すこととなりかねません。以上のことから、実験動物飼養施設や多頭飼育施設に対して、重点的に指導と普及啓発を図っていくべきです。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(3)関係機関、関係団体等との連携、協力 14頁

【意見内容】
警察関係機関との連携を記載すべきです。

【理由】
 動物愛護施策の展開にあたっては様々な関係機関・団体の協力が必要ですが、その中でも警察関係機関は虐待・遺棄罪の捜査を担う機関として、また拾得動物として動物が持ち込まれた際に対応を行う機関として、動物愛護行政と関連性が高いものであり、連携を行っていくべきです。
 法改正によって虐待罪の定義が明確化し罰則が強化されたことで、より摘発が容易になったこと、犯罪を見過ごさないためにも、動物愛護担当部局と警察関係機関との情報共有や連携は必須です。しかしながら、遺棄・虐待罪や拾得動物への対応が署や警察官によってばらばらであり、場合によっては動物にもたらされる結果が180度変わってしまう現状があることから、千葉県等として今後どのように警察と連携していくかという一貫した方針を打ち立てるべきです。その方針に沿って、例えば動物虐待が疑われる事案においては警察官と行政職員が同行する、拾得動物が警察署に持ち込まれた時のマニュアル作成等の連携体制を構築するといった施策を行うことで、「人と動物の共生する社会の実現」が形成されていくものと考えます。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(2)地域における取組に対する支援 B地域猫活動の支援 15頁

【意見内容】
地域猫活動(TNR活動含む)の推進・支援体制を構築し、不妊去勢手術の助成等、具体的な支援を検討していくべきです。

【理由】
 今現在、殺処分される猫のほとんどは、飼い主のいない猫として収容された猫(特に子猫)です。こうした現状にあって、今後千葉県において猫の収容数・殺処分数を減らすには、所有者不明の猫を重点的に対策する必要があり、地域猫活動(TNR活動含む)の推進・支援を行っていくべきです。
 行政が地域猫活動等の推進・支援体制を敷いていくことで、活動者の資質向上、現場の実態把握、地域住民への理解も進み、「所有者不明の猫をなくしていく活動」という共通理解が関係者間で得られ、協働がスムーズになるとともに、所有者不明の猫が産む子猫の減少につながり、最終的に行政に引き取られる猫の数も減っていくことと考えます。
 また、多くの活動者が自己負担で猫の不妊去勢手術を行い、多大なる経済的・時間的・精神的負担の中なんとか活動を行っているという実情があることにも留意し、行政が適切な地域猫活動を行う個人・団体等に不妊去勢手術の助成金等の具体的支援策を行うことを検討すべきです。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(4)動物取扱業の適正化 16頁

【意見内容】
@ 第一種動物取扱業者に対して、定期的な立入調査を行うべきです。また、動物取扱業の適正化のために、必要に応じて事前連絡なしの立入調査や、第一種動物取扱業者において動物虐待が疑われる事案については、立入調査の際に警察官と同行するといった臨機応変な対応を取っていくことを明記すべきです。

A 展示業の中でも、移動販売・展示業者に対する立入調査の強化を追記すべきです。

【理由】
@ 第一種動物取扱業に対しては様々な管理・規制体制が敷かれているとはいうものの、依然として動物福祉はもとより、飼養保管基準さえ守っているとは言い難い業者が多く存在しています。このような業者を発見し、指導を行い、動物が劣悪な環境に置かれることを防ぐためには、新規登録や登録更新時のみの立入調査だけではなく、定期的な立入調査が必要です。法令違反を見逃さず、動物が悲惨な環境に置かれ続けることを防ぐためにも、定期的な立入調査は継続して行うべきです。
 さらに第一種動物取扱業者に対して立入調査を行う際、多くの行政が数日前から当事者に連絡することによって、違反事項がもみ消されるケースが散見されます。今までの当会の調査でも、事前連絡ありの立入調査において、動物を劣悪な環境に置いている業者、関連法違反の疑いのある業者において、証拠隠蔽や改竄が行われていたことが判明しています。さらに、動物愛護管理法違反だけではなく、鳥獣保護法、種の保存法、外来生物法といった野生動物関連法規違反の業者も存在し、事前連絡を行っての立入調査で、違反個体が隠蔽されるケースも多く報告されています。2012年の法改正によって業の取消・登録拒否事由に関連法違反が加わったことも鑑み、証拠隠滅や改竄を防止するために、事前連絡なしの抜き打ちの立入調査を行っていくべきです。
 また、県民等からの苦情・相談で動物虐待が疑われる業者への立入調査の際には、虐待罪を見過ごす結果とならないよう、場合によっては警察官と同行した立入調査を行うべきです。
動物取扱業の適正化・監視体制の強化のためには、定期的な立入調査と必要に応じた抜き打ちの調査体制が必要不可欠であり、本案に明記することを求めます。

A 今回の法改正にあわせて、展示動物の飼養保管基準も改訂されましたが、先述のように全ての展示動物業者において遵守されているとは言い難い状況です。第一種動物取扱業の中でも、特に移動販売・展示業者は、2日以上の営業でなければ登録が必要ないことから、全国的に実際の展示状況の立入調査が疎かになっており、展示動物の飼養保管基準はもちろん、動物愛護管理法すらも守られておらず、輸送や狭小な仮設飼養施設等により動物に著しく負担をかけているのが現状です。当会の調査でも、展示業者の中でも特に移動販売・展示業者において、無登録営業であったり、動物を玩具のように扱うという極めて不適切な取り扱いがあることが判明しています。
 千葉県内においても移動動物園によるイベントが開催されており、動物愛護管理法及び展示動物の飼養保管基準に則した監視・指導のために、立入調査の強化を明文化すべきです。




【関係項目名】
第4課題への取り組み2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(5)実験動物の適正な取扱いの推進 16頁

【意見内容】
実験動物の適正な取扱いの推進にあたって、実験動物飼養施設への定期的な立入調査を行うべきです。

【理由】
 当会の調査によると、千葉県内の実験動物飼養施設の実態は特定動物等の一部しか把握されていません。こうした状況にあって、飼養保管基準などの周知を行っていくことも大切ですが、公衆衛生や災害対策、動物福祉の観点からも、実験動物飼養施設への定期的な立入調査を行っていくべきです。
 千葉県はこれから30年内に70%の確率で南海トラフや相模トラフ沿い等で発生する地震に見舞われると予測されています。こうした状況にあって、実験動物飼養施設でも確実な災害対策がなされなければ、大きな事故が発生する可能性があります。実際、東日本大震災では、ラックの転倒やケージの落下、ライフラインの停止等で多くの実験動物が死亡し、また施設内での逸走も起こっています。そのような場合に備えて、危機管理の観点から平時より実験動物飼養施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことが重要と考えます。
 2012年改正された動物愛護管理法では、動物愛護管理推進計画に定める事項に、「災害時における動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項」が追加されました。実験動物が例外であるとはされておらず、実験動物の災害時対策のためには施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことが不可欠です。また、環境省告示の実験動物飼養保管基準では、「(実験動物の)管理者は、関係行政機関との連携の下、地域防災計画等との整合を図りつつ、地震、火災等の緊急時に採るべき措置に関する計画をあらかじめ作成するもの」とされており、各施設の防災計画がきちんと作成されているか、準備がされているかを確認する必要もあります。
 また、動物実験施設では細菌・ウイルス感染実験や遺伝子組み換え実験、放射線や放射性物質を使用した実験がたくさん行われています。特に大学の医学部では遺伝子組み換え動物を使用した実験が全体の半数近くにも上ります(2013年ALIVE調査より)。これらは厚労省や文科省の法律で規制されていますが、実際には動物実験施設のカルタヘナ法違反が後を絶たず、現場の意識が十分であるとは言えず、前述のような災害等でひとたびこれらの拡散が生じれば、取り返しのつかない事態に陥る危険性があります。そのようなことを未然に防ぐためにも公衆衛生の観点から、平時より施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことは有効であると考えます。
 また先述のように、静岡県に対する開示請求から、動物実験施設で狂犬病予防法に基づく犬の登録や予防注射がされてないケースが多々あることがうかがえ、千葉県内においても同じ状況であることが推察されます。動物実験施設も狂犬病予防法の例外ではなく、このような施設に適切な指導が行えることも立入調査のメリットになると考えます。
 さらに、環境省告示の実験動物飼養保管基準では、施設の構造や飼養及び保管の方法についての基準を設けています。また、実験実施者及び飼養者への教育訓練、委員会の設置や指針の策定等も義務付けています。これらが適切に行われているかどうかを定期的に調査票や立入調査時の目視や聞き取りで確認しておくことは動物福祉上の意義があることと考えます。
 実験動物飼養施設が点在する千葉県において、公衆衛生や危機管理、動物福祉の観点等からも、兵庫県や静岡県のように定期的な立入調査を行い、実験動物飼養施設の所在地、飼養保管状況を普段から把握しておくべきです。

※参考事例:兵庫県、静岡県の例
● 兵庫県では平成5年(1993年)から実験動物飼養施設(動物実験施設及び実験動物生産・販売業者含む)に対する届出制を運用しており、県内69機関(平成24年度末時点)に対し、届出受理時や届出変更受理時等に立入調査を行っている。

● 静岡県では昭和62年(1987年)頃から主に動物実験施設(46施設:平成24年度末時点)に対する調査票の回収、立入調査を年に1回行っている。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(6)産業動物の適正な取扱いの推進 16頁

【意見内容】
産業動物について、飼養保管基準の周知に加えて、動物愛護担当部署において関係部局とデータの共有等の連携を図り、現在の産業動物の飼養環境の実態を把握すること、農林水産省「アニマルウェルフェア指針」の周知や、その効果についてのモニタリング調査の実施について記載すべきです。

【理由】
 農林水産省が行った平成25年版の畜産統計では、千葉県内において肉牛38,900頭、乳牛36,200頭、豚664,300頭、採卵鶏7,970羽、ブロイラー1,803羽、合計約74万頭もの産業動物が飼養されています。こうした状況にあって、当会の平成23年度の調査では、畜産動物施設の所在を把握している地方公共団体の動物愛護担当部署は全体の21%に留まっていることが判明しています。こうした現状において、産業動物の適正な取扱いを促進するためには、飼養保管基準の周知をはじめ、関係部局とデータ共有等の連携、飼養環境の実態把握、農林水産省の「アニマルウェルフェア指針」の周知、その効果のモニタリング調査を行っていくことを記載すべきです。
 動物愛護管理法の改正時の附帯決議の第十に「被災動物への対応については、東日本大震災の経験を踏まえて、動物愛護管理推進計画に加えて地域防災計画にも明記するよう都道府県に働きかけること。また、牛や豚等の産業動物についても、災害時においてもできるだけ生存の機会を与えるよう尽力し、止むを得ない場合を除いては殺処分を行わないよう努めること」や、基本指針にも産業動物の適正な取り扱いの推進として講ずべき施策に「災害時における産業動物の取扱いについても、情報共有を図りつつ、関係省庁が協力して検討すること」という規定が盛り込まれました。災害時において上記の規定に則して対応を行い、県内の数多くの産業動物に対して迅速な対応を取るためには、関係部局の連携し、動物愛護行政担当部署もあらかじめ産業動物飼養施設の所在地、責任者等のリスト、各飼養頭羽数について情報を共有し把握しておくべきです。
 また、これらの災害対策に加えて、基本指針に書かれている「産業動物の性格に応じた動物の愛護及び管理の必要性に関する普及啓発を推進」するために、農林水産省「アニマルウェルフェア指針」の周知と、各農家の飼養環境状況等の定期的なアンケート調査を実施し、普及啓発が影響を及ぼしているのか等をモニタリングし、効果検証をすべきです。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(8)特定動物による危害の防止 18頁

【意見内容】
人と動物双方の安全を確保するため、特定動物飼養施設への定期的な立入調査を行うべきです。これに加えて、個体識別率の向上と、逸走した時のために市町村と特定動物飼養施設等の情報共有を図ることを明記すべきです。

【理由】
 特定動物はその危険性や、適正飼養が容易ではないこと等から「もともと飼養すべきではない」動物です。しかしながら、許可さえあれば誰でも飼養可能であり、特定動物種の生理、生態及び習性に配慮された飼養保管及び展示を行い、終生適切に飼養しているとは限らないのが現状となっています。こうした状況で、特定動物から人の生命・身体及び財産への危害を防止し、特定動物の健康や安全を保持するために、特定動物飼養施設の不備や不適正な飼養等をなくすためには、特定動物飼養施設への定期的な立入調査が必要です。
 また、特定動物の意図的・非意図的な逸走を防止、責任の所在を明確にするために、個体識別率を上げるように取組んでいくことを明記すべきです。
 さらに、特定動物が逸走した際に一番早く対応を行うのは逸走地の市町村や、市民からの通報を受けた警察であることから、特定動物飼養施設の所在地、動物種、頭数等の情報を、県等と特定動物飼養施設の存在する市町村・警察機関との間で共有することが必要不可欠です。
 特定動物飼養者は、犬や猫等の特定動物以外の飼い主よりも、高度な飼養保管・管理や法令遵守が求められています。特定動物飼養施設への定期的な立入調査に加えて、特定動物の飼養者が確実な法令の遵守や適正な飼養・保管を行っているか監視していくためには、上記のような施策が必要であり、記載を求めます。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 2動物の適正な飼養及び保管を図るための施策
(9)犬又は猫の多頭飼養の適正化 18頁

【意見内容】
千葉県の動物愛護施策の展開において、多頭飼育の実態を把握する制度を設けること、さらに多頭飼育者への精神的ケアのために精神保健関連部署と連携を図ることを記載すべきです。ただし、所有者のいない猫を減らす活動である地域猫活動(TNR活動含む)については、多頭飼育届出制の趣旨・目的からは外れるものとし、除外することを同時に求めます。

【理由】
 全国の自治体では犬や猫等の多頭飼育の崩壊が起こり、特に猫の室内多頭飼育においては飼い主の死亡や失踪等で初めて判明するケースもあり、取り返しのつかない事態になってからボランティアの団体や個人、行政がその対応を迫られている事態が続いています。
 多頭飼育において適切な管理を少しでも怠ることは、周囲への迷惑行為や生活環境への悪影響、動物虐待につながることとなり、実態を把握する手段のない地方公共団体においては、常に後手に回る対策しか取れません。多頭飼育届出制はこうした受動的にしか動けない体制を一新し、多頭飼育にかかる諸問題に対して行政が率先して能動的な対策を講じ、動物の福祉を確保することで、多頭飼育に起因する人や生活環境、動物による迷惑等の問題を防止することにつながるものです。さらに、犬については全頭登録・全頭の狂犬病予防接種を促し、犬猫共に繁殖制限(不妊去勢手術の実施)や適正飼養の指導をすることがよりスムーズになると考えられ、人の生活環境と同時に動物の安全や健康が担保されることとなります。また、震災等の災害時に、多頭飼育の所在地や犬猫の頭数が明確である場合、犬猫の救護についても的確で効率的な対策を行うことができると考えられます。
 実際、茨城県では犬10頭、山梨県・長野県・滋賀県では犬猫合わせて10頭、佐賀県では犬猫合わせて6頭以上飼養する場合に条例に基づく届出制を設けており、千葉県においても決して不可能な措置ではありません。多頭飼育が崩壊するとその解決のためには多くの労力・費用・時間がかかり、その予防が大変重要になることから、2012年の動物愛護法改正では、地方公共団体の措置について規定した第9条に「条例で定めるところにより、・・・多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講ずることができる」という文言が盛り込まれました。これらのことに鑑み、多頭飼育の実態を把握できる施策を今後展開していくことを明記してください。
 また、多頭飼育の問題には、往々にして多頭飼育者自身の飼養管理能力と経済状況を考えずに動物の預かり等を繰り返し、手放すことを極端に嫌い、その数を見境なく増やしてしまう当事者が存在し、海外で行われた調査でも、多頭飼育崩壊者の多くはその根底に精神的な問題を抱えていることがあるという結果が出ています。劣悪な環境にいる多くの動物を保護しようとしても、その対応や所有権の問題に追われ、動物の保護が進まない現状があり、多頭飼育に係る問題を的確かつ迅速に解決するには、ボランティア・動物愛護管理行政からの対応だけではなく、精神保健福祉に関わる専門家の力を借りた人の精神的ケアからのアプローチも必要です。多頭飼育届出制を設けることにあわせて、飼い主への対策として、人の精神的なケアを行う精神保健関連部署との連携を図ることを明記すべきです。
 ただし、所有者のいない猫を減らす活動である地域猫活動(TNR活動含む)については、多頭飼育届出制の趣旨・目的からは外れるものとし、除外することを同時に求めます。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 3災害時における動物の適正な飼養及び保管を図るための施策 18頁

【意見内容】
@ 災害対策の対象に、実験動物や産業動物を含めることを明記すべきです。

A 災害対策を考え、実験動物飼養施設の実態把握のための定期的な立入調査を行うべきです。

B 産業動物においては、災害対策のために関連部署と情報の共有を行っていくべきです。

C 特定動物について災害対策のための飼養施設の定期的な保守点検や、災害対応マニュアルの作成に加えて、市町村との特定動物飼養施設等の情報共有を行っていくべきです。

【理由】
@ 本案の対象になっているのは、主としてペットとして飼養されている犬や猫であると推察されますが、東日本大震災では多くの産業動物や学校飼育動物が混乱の中に取り残され、餓死といった凄惨な最期を遂げました。さらに、災害時の危機管理を考えるならば、有害な病原体に汚染された動物や遺伝子組換え動物の逸走が起こりえる実験動物飼養施設についても着目すべきです。
 千葉県はこれから30年内に70%の確率で南海トラフや相模トラフ沿い等で発生する地震によって大きな被害を受ける可能性があり、今後起こりえるであろう地震や台風・大雨・大雪等に的確・迅速に対応し、危機管理や動物保護を行っていくためには、産業動物や実験動物に対する災害対策や救護体制についての記載が該当箇所においてなされるべきです。

A 動物実験施設では公衆衛生上重大な問題のある、細菌・ウイルス感染実験や遺伝子組み換え実験、放射線や放射性物質を使用した実験がたくさん行われています。実験動物の箇所でも述べましたが、大規模災害時にこれらの拡散を防ぐためには、施設の所在や飼養保管状況を把握しておくことが不可欠です。しかしながら、国の調査ではこのどちらも把握されていません。千葉県内においても大学等の実験動物飼養施設は点在しており、万一の場合に備えて、普段から施設の所在や飼養保管状況を把握するため、兵庫県や静岡県の例に倣い、実験動物飼養施設への定期的な立入調査を行うべきです。

B 産業動物について、東日本大震災では産業動物への対応を所管する官庁が環境省なのか、あるいは農水省なのかという混乱が生じ、対応の遅れが発生しました。さらに、動物愛護管理法の改正時の附帯決議の第十に「被災動物への対応については、東日本大震災の経験を踏まえて、動物愛護管理推進計画に加えて地域防災計画にも明記するよう都道府県に働きかけること。また、牛や豚等の産業動物についても、災害時においてもできるだけ生存の機会を与えるよう尽力し、止むを得ない場合を除いては殺処分を行わないよう努めること。」や、基本指針にも産業動物の適正な取扱いの推進として講ずべき施策に「ウ 災害時における産業動物の取扱いについても、情報共有を図りつつ、関係省庁が協力して検討すること。」という規定が盛り込まれました。
 迅速かつ適切な対応が求められる災害時において、混乱を避け、上記付帯決議や基本指針に沿った対応を行うためには、関係部局との協力に加え、動物愛護行政もあらかじめ産業動物飼養施設について把握する必要があり、動物愛護管理部署において管轄内の全農家リスト、少なくとも各飼養頭羽数データを共有しておくべきす。

C 災害時において人の生命・身体及び財産や動物自身の安全を守るために、特定動物飼養施設への定期的な立入調査や、災害時の動物救護マニュアルを行っていくべきです。これらに加えて、災害時に逸走が起こった際、最初に対応を行うのは逸走地の市町村であることから、平時より市町村と特定動物飼養施設の所在地、動物種、頭数等の情報を共有しておくべきです。




【関係項目名】
第4課題への取り組み 4動物の愛護及び管理に関する普及啓発
(1)各機関、各団体等との共同による普及啓発活動 19頁

【意見内容】
@  学校での動物飼育は、特殊な例を除いて動物の健康と安全を保持できる飼養施設および体制の確保が困難であることから、抜本的な改善には至らないのが現状です。そのため、不適切な環境で動物を飼養している学校があると県民等から相談を受けた時は、指導権限がない獣医師会等にその対応を委ねるのではなく、先ずは動物愛護管理法を所管する行政職員が訪問し、家庭動物等の飼養及び保管の基準等に照らしたうえで必要な指導を行う旨、本案に記載することを求めます。

A 動物を飼育している学校等の管理者に対しては、動物愛護管理法および関係法令の周知を行うとともに、災害発生時に動物が取り残されることがないよう、家庭動物等の飼養および保管に関する基準に災害時における規定等が追加されたことについて周知徹底を図るべきです。
        
【理由】
@ 動物を飼育している学校の多くは十分な飼育予算がなく、飼養施設(施設内における適切な温度や湿度の維持が困難)、人的資源(日常の健康管理をはじめ通院・介護等に対応できる人材の確保が困難)、緊急時の対応(夜間不在、悪天候、災害時の対応が現実的に困難)等、様々な課題を抱えており、学校飼育動物の快適性を維持して終生適切に飼養保管することは極めて困難であるといえます。そのため、特に屋外で飼養されている動物は生理的適温域を逸脱した環境でひたすら耐えているような状況であったり、屋内で飼養されていても不特定多数が自由に触っている状態であったり、休祭日・長期休暇には複数の家庭に持ち帰られる等、動物のストレスに配慮のない取扱いが行われていることが多いため、子ども達に「学校の動物はどのような状況で飼ってもよい」という間違った認識が広がっているおそれがあります。
 獣医師会等との連携・支援体制があっても、小型哺乳類特有の疾病を治療できる獣医師が少ないために、保護者や地域支援者などが持ち出しで専門医に通わざるを得ない状況も生じています。
 これらの事情を踏まえ、保護者、地域支援者等より学校飼育動物の不適正飼養に関する相談を受けたときは、動物愛護管理法を所管する職員がその対応にあたることが望ましく、家庭動物等の飼養保管基準等に照らして現地確認を行うこと等により、法の実効性が確保されていくものと考えます。

A  動物を飼育している学校等の管理者及び関係者の中には、適切とはいえない環境で動物を飼養していてもその状況を認識していないことが多々見受けられ、学校飼育動物が動物愛護法の対象となることを理解していない場合もあります。こうしたことから動物愛護管理法をはじめ、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準等の関係法令の周知を行うべきです。
 また、東日本大震災では多くの学校飼育動物が犠牲になりました。大規模災害のみならず、ひとたび台風や豪雨などの自然災害が発生すれば多くの学校等が休校となり、学校飼育動物が取り残されることもあります。こうした悲劇を繰り返さぬよう、意見内容について周知徹底を図るべきです。




以上

 




 
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