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動物保護政策シリーズ No,2
動物保護法の策定と運用のために
2005年8月1日発行
88ページ 800円
内容:
1.EUの動物保護法と執行に関する概説
2.動物保護法制定/改正のための解説書 付録:
ペット動物の保護に関する欧州協定
台湾の動物保護法
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この資料集の制作にあたって
何か社会的な問題が起こるとしばしば「欧米では」という比較がなされます。何でも欧米の例がよいというわけではありませんが、近代日本が社会の成り立ちの基礎である法制度を欧米諸国を手本にして定めてきた以上は、参考にすべき事柄は多くあります。
動物の保護法制についても同じ事が言えます。日本は欧米諸国のように近代化の中で様々な自然破壊や動物虐待を引き起こしてきましたが、それを規制する法制度については、これを学び取ることが少なく、大きな遅れを取ってきました。
EU(欧州連合:現在25ケ国)の動物福祉に関する法律は、まず畜産動物(1978)、動物実験(1986)、続いて屠殺(1988)、輸送(1991)に関する法律が制定されました。1997年には新欧州連合条約の議定書で、加盟国は国内法で「動物福祉への十分な配慮」をすることが義務づけられました。EUにおけるこのような動物福祉の法制度は、幅広い市民の支持と動物保護団体の活動から生まれています。
この資料集は、英国に本部をおく国際的動物保護団体による実効力のある動物保護法の提案書で、現行のEUの動物福祉法の概略を紹介するとともに、その法律の実効性を高めるためには具体的にどのように運用されるべきかを詳細に提案しています
日本においても動物の保護法制を向上させていくためにたいへん参考になると考えられます。動物を守る法律の制定やその執行に関心を有する皆さまにご活用いただければ幸いと存じます。
本冊子はALIVE資料集「海外の動物保護法No.5 EU編」(1999)の改訂版です。
ALIVEではこれまでに、本冊子に要約が収載されているEUの畜産動物、実験動物、輸送及び屠殺に関する法律(指令および協定)の全文を翻訳し「海外の動物保護法」シリーズとして刊行しています。また、2002年に制定されたEU動物園法についても、英国動物園法・基準とあわせて刊行いたしました。
今回、最後に残っていたペット動物の保護に関する協定を本冊子に収載したことにより、EUの飼育動物に関する福祉法をすべて翻訳して紹介したことになります。また、EU法の影響下に制定された台湾動物保護法(1999)を参照すれば、動物実験規制に関しては日本よりずっと進んでいることなどが見て取れます。
本資料集により、世界でもっとも進んだ動物の保護法を持つEU法の全体像を知るとともに、今なお不断に法律改正への働きかけを続ける国際動物保護団体の活動と提言が理解されることを期待いたします。
2005年7月20日
地球生物会議(ALIVE)
代 表 野上ふさ子
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