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動物福祉法について知ろう 

(アン・チャーチ:HSUS、連邦レベルでの立法問題の調整担当)

ALIVE資料集 No.9 「米国動物福祉法」

翻訳:地球生物会議 ALIVE

 

●本資料集の刊行に当たって

●動物福祉法条文目次

 動物福祉法とはどんなもので、どんな効果があり、どんな動物を保護しているのだろうか?本法の内容、歴史、目的などを紹介する。

 たとえば、あなたが車で近所の商店街に出かけたところ、そこの駐車場に移動動物園が来ていたとしよう。眼の前のオリにはライオンがいるが、オリは小さすぎ、ライオンは立ち上がることも向きを変えることもできない。外は30度を超える猛暑で、ライオンは喉が渇いているようだ。あなたは何かしてやりたいと思うが、何を「してやれる」のかがわからない。結局、悲しく頭を振ってその場を立ち去るのだった。

 しかし、違うパターンも考えられる。

 あなたはライオンの置かれた状況を評価して、移動動物園の責任者に米国農務省(USDA)の正式免許をもっているか尋ねる。その際、オリのサイズがUSDAの基準を満たしていないことも指摘する。展示係に話を聞き、このライオンが近所の食品店で買える程度の餌しかかもらっていないこと、水は毎晩1回与えられるだけであることを確かめる。これはUSDAの給餌・給水規則違反である。さらに、ライオンはとても危険なのでめったにオリの掃除もしないと聞いたあなたは、ただちに電話ボックスに向かい、USDAのもよりの出先機関に訴える。

 動物福祉法の知識があったおかげで、苦しんでいるライオンを救う手助けができたのだ。この連邦法は、すべての動物をいついかなるときでも保護してくれるわけではない。しかし、多くの動物、とりわけ研究用の動物や、商業的に取引される動物、動物園やサーカスのように商業的に使用される動物に対する人道的取扱いを義務づけている。動物保護の面でこれに匹敵する連邦法は他になく、そのような州法をもつ州も数少ない。したがって本法は、動物保護の活動家がさまざまな局面で動物虐待や非人道的取扱いと闘う際に、最も有用なツールとなるのである。

 ところが、十分な情報をもつ人道主義者(動物愛護家)も含め、多くの人はこの法が何を規制対象とし、同様に大切なことだが、何を対象外とし、どのよう執行体制をとっているのか明確に理解していない。とはいえ、法の全文に目を通し、ぎっしり文字の組まれた数十ページもの規則を熟読するのは、確かにうんざりする作業である。

 そこで、本法の内容を簡潔に紹介しよう。
 見開き2ページの「動物保護法の要点」は手軽な参考資料として役に立つ。いつも車のボックスに入れておけば、違反とおぼしき事件に遭遇したとき、その場で参照できる。HSUS支部やUSDA/APHIS(動植物検疫局)の出先機関の連絡先記入覧もあるので活用してほしい。
 法や規則についてもっと詳しく知りたい方は、USDAに文書で申し込めば取り寄せられる。動物保護の活動家は、動物福祉法を効果的に執行する上で大きな力となるし、これまで見逃されてきた苦しみから無数の動物たちを救う手助けができるのである。

<動物保護法成立の背景>

 1966年のこと、自分の飼犬を心配する一般市民からの憤激の手紙が国会議員のもとに殺到した。雑誌『ライフ』が、盗難されたペット犬が研究施設に持ち込まれていることを報じた結果、ペットを保護し、実験動物を人道的に取り扱うことを求める人々が立ち上がったのである。

 当時のHSUSの推計では、ペットの紛失理由の50パーセントが「犬泥棒」による窃盗によるものであり、盗まれた犬たちはさらに動物商の手を介して研究施設へ売却されていた。議会は強力な世論に後押しされて「実験動物福祉法」を成立させ、その法律は後に「動物福祉法」と呼ばれるようになった。

 1966年動物福祉法の目的は、犬猫の所有者をペットの盗難から守ることと、動物商と医学研究施設による犬猫その他特定の動物の取扱いに人道的基準を設けることだった。この法律により動物商は免許制となり、研究施設が無免許の動物商から動物を購入することは違法となった。行政上の権限と執行権はUSDAにゆだねられ、違反は刑事罰に処され、免許の一時停止や剥奪も命令できることになった。

 当初、 実験動物福祉法として成立した本法は、後に動物福祉法と名を変えて、研究所以外にも動物保護の手を広げていった。動物保護を目的に掲げた他の連邦法には、人道的屠殺法、野生馬法、絶滅の恐れのある種法、海生哺乳類保護法、および馬保護法がある。しかし、とくに犬猫その他の小型飼育動物[domestic animals]を保護した法律は動物保護法のみである。

<その後の修正>

 1966年に、家庭犬の窃盗をめぐって世論が盛り上がった結果、議会も研究施設での動物保護に理解を示した。しかし出来上がった法律は目標とはほど遠いものであった。実験の前後を通じて、動物を人道的に取り扱うことが義務づけられたのだが、実際に実験に携わる研究者への規制は皆無だったのである。その上、研究施設の動物のうち、犬、猫、ヒト以外の霊長類、ハムスター、モルモットは保護対象となったが、その他、数多く使用されている動物種は対象から外された。

 動物の「奴隷取引」に手を染めていた動物商も、仕事をやめさせられるわけではなく、「厳しく」規制されるにとどまった。研究用の犬猫の購入、販売、輸送にかかわるすべての業者には農務長官の免許が義務づけられたものの、ペットの所有者、農家など、これらの売買による利益が収入の「相当な」部分を占めていない者はこの義務が免除される。動物商は、USDA規則が定める人道的ケアの基準にしたがう義務を負った。

 研究施設が犬猫を購入できる相手先は、免除規定に該当しない限り、免許をもった動物商または無免許の動物収容所である。(HSUSは動物保護施設が犬猫を販売することに反対である。この慣行は「収容所からの横流し[pound seizure]」と批判されているもので、多くの州で非合法である。)

 1970年、議会は再び動物福祉問題を取り上げ、研究用の温血動物すべてを保護の対象とすることが可能になった。さらに展示やペット向け動物の卸販売も規制対象に加えられた。その結果、カーニバル、サーカス、動物園、子犬繁殖場[puppy mills]が連邦法の規制下に置かれることになった。したがって、路上や商店街でみかけるような移動動物園は明らかに本法の規制下にあり、法に定められた義務を遵守していなければならないのである。

 その6年後、今度は動物どうしを闘争させる事業と、動物の輸送とが議会で大きく取り上げられた。ペットの小売店を本法の規制対象とする動きもあったのだが、こちらは反対勢力に負けてしまった。

 当初、下院は、闘犬と闘鶏の州間移動と宣伝、双方の禁止を決めていた。ところが、上院が闘鶏関係者の圧力に屈したために、州間輸送の禁止は、州法ですでに闘鶏が非合法になっている州に限られることになった。新たに連邦レベルの犯罪と規定されたのは、犬その他の哺乳類どうしの闘争を後援すること、その目的で州境をこえて動物を輸送すること、これを宣伝するために郵便を利用することである。動物の闘争に関する条項に違反した場合の刑は、5,000ドル以下の罰金、および1年の拘禁と定められた。

 動物輸送に関しては、航空、鉄道その他の輸送機関と、生きた動物を取扱い、輸送する、運送業者やターミナル施設などの中間取扱い業を、運輸長官との協議のもとに、農務長官が規制できるようになった。幼い動物の輸送が認められる最低年齢も、農務長官が指定できることになった。

 本法は、その後9年間修正されなかったが、1985年、実験室の中で繰り広げられる動物虐待が大々的に暴かれたことにより、実験動物の取扱いに関する条項が新たに追加された。このときの修正では、連邦資金を受け取っている研究施設は、職能をもつ動物委員会を設置し、そのメンバーに獣医師や人道的関心を代表する外部の人間を入れなければならないことになった。国立衛生研究所(NIH)の所長も、鎮痛剤や鎮静剤の使用、術前術後の獣医学的ケア、犬の運動、霊長類の心理的安寧の基準など、実験動物の適正なケアと取扱いに関する指針を策定する責務を負った。さらに実験動物の担当者は、動物の人道的なケアおよび使用法に関する訓練を受けることが義務づけられた。
 
 さて、ほとんどの州法や連邦法がそうであるように、成文法を通じた動物保護は、たんに法が施行されただけでは目的を果たすことができない。法の目的を達成するには、表現の行き届いた包括的な規則を定め、行政が真剣に法の執行に取り組み、予算も十分に確保される必要がある。

 たとえば、「法」の条文では、農務長官が動物を入れるケージのサイズを定めることになっている。しかし実際のサイズの基準は「規則」で定められるのである。その「基準」を守らせるため、登録施設や免許施設に出向いて査察を行うかどうか判断するのはUSDAであるし、彼らが査察官を派遣したり、違反があった場合それを訴追し有罪判決に持ち込むという、時間のかかる手続きをとるには、そのための予算が必要で、それは議会で決定される。

 HSUSは、1966年の本法成立やその後の修正に大きな力を注いできた。我々は現在の法律もまだ十分とは考えてはいないので、今後も、本法が一層強化され、その規制内容が改善され、執行が厳格になされ、より多くの予算が得られるように働きかけを続けるつもりである。


 
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