牛は牧場で育てられているのではないのですか?
いいえ、日本では牧場で草を食べている牛の姿を見かけることはほとんどありません。
牛たちは、生まれたときから死ぬまで、牛舎に入れられたままですごすのがふつうです。首を固定され、たたみ1枚ほどのスペースでほぼ一生をすごさなければならない牛たちもたくさんいます。
不健康な飼育方法のせいで、蹄(ひづめ)や関節などの病気が多発しています。
牛は緑の草を食べているのではないの?
牛は本来草を食べる動物ですが、実際には常に大量の穀物が与えられています。脂肪分の多い乳を大量に搾り取るためです。
そのせいで牛たちは乳房炎や胃潰瘍などのさまざまな病気にかかっています。
牧場で放し飼いにしていれば十数年は健康で生きられるのに、わずか7〜8歳で疲弊し屠殺場へ送られます。
牛に与える穀物はどこからくるのでしょう?
牛たちに与えられるトウモロコシや大豆などの90%以上はアメリカなど外国から輸入されています(粗飼料の麦わらや稲わらまでも輸入)。
本来ならそのまま人間がたべることができる穀物を、家畜のえさにすることによって莫大な食料資源をむだづかいしていることになります。一方、明日食べるものもなく飢えている人々は、全世界で8億人もいると推定されています。
なぜ、牛に穀物を与えるのでしょう?
高脂肪で大量の牛乳を出してもらうために、また廃牛(7〜8歳)で肉にするときに、脂身を多くするためにです。つないだままで運動させないのも、脂肪ぶとりにさせるためです。
高脂肪の牛乳は体にいいのでは?
高カロリー、高脂肪の牛乳や動物性食品や、かつての貧しい時代にはごちそうで体にもよかったでしょうが、毎日このような食生活を続けると、人間も肥満になったり、さまざまな慢性疾患、生活習慣病におかされるようになります。
牛の赤ちゃんは牛乳を飲んでいるの?
牛乳は牛の赤ちゃんのために母牛が出すものですが、赤ちゃんは母牛から引き離され、代用乳(人工乳)を与えられています。現在、牛乳が生産過剰となっているため、北海道では13年ぶりに、子牛に生乳を飲ませるよう勧めています。
牛乳があまっているの?
北海道などでは牛乳が生産過剰となり、3月には(2006年)1万トンも廃棄処分されると報じられています。
※2006年3月、JA北海道は道内の生乳生産量のうち約3%に相当する1万トンを産業廃棄物として処分すると報じられた。処理費用は生乳1キロ当たり20円。1000トン処理で2000万円。1万トンの処理費用は2億円となる。
余った牛乳は加工してはどうでしょう?
いまや乳製品加工メーカーの処理能力を越えるほど生産過剰なのです。ヘルシー志向が広がり、乳製品の消費も減少しつつあります。
それでは、どうしたらいいのでしょう?
牛が体力の限りを尽くして搾り出している牛乳は、牛の血と涙の結晶です。
牛の本来の食べ物である草や粗飼料を与え、穀物の投与を大幅に減らす(あるいはなくす)ようにすればいいのです。牛の体に無理をさせないように飼育することで乳量は自然に減少します。そして牛も健康になり長生きさせることができるようになります。
もっと牛を牛らしく育て、無理な生産増大をやめ、自然なかたちで生産調整が行われるようにしていただきたいものです。
牛乳と環境問題はつながっていますか?
とても大きな関係があります。牛は1日に65キロもの糞尿を出しますが、多頭・過密飼育のせいで処理しきれなくなり、河川や土壌を汚染しています。
海外から輸入される穀物飼料には多大なエネルギーコストがかかり、その上、世界で飢えている8億もの人々の食料を奪うことにもつながっています。
私たちには何ができるでしょうか?
高脂肪の牛乳を大量生産するために、牛は体力の限界まで生命力を犠牲にしています。その結果が、牛乳の生産過剰であり、大量廃棄処分というのは、あまりになっとくがいかない話です。
問題の解決は簡単です。牛に青草を食べさせ、戸外で運動させ、本来の姿にもどしてやればいいだけなのです。
私たちは、消費者として、そのように「牛が牛らしく育てられているところの製品を買う」という選択をすることができます。
少しくらい高くても、牛にも環境にもやさしい製品を選んで買いましょう。
それが、私達の健康にもよく、牛の幸せにもつながり、環境を守ることにもむすびついていきます。
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