地球生物会議ALIVE 新潟市白山公園のサルたちの行方に注目を！

　今年（1998年）の４月下旬に、新潟市白山公園で長年の間飼育されてきたニホンザル３６頭が、すべて日本モンキーセンターに引き取られたことが報道されました。

　日本各地の公園には小さなサルの檻があるところが多く見受けられます。また動物園には必ずと言っていいほどサル山があります。これらのサルたちも、この白山公園のサルたちとほとんど同様の運命におかれています。　つまり、一度サル山に入れられたサルたちはそのまま放置されて近親交配を重ね、数が増えると間引かれるか、全頭外部に出して入れ替えるという形で、処分されているのです。処分の方法の一つが、実験機関への提供です。

　サルは人間に最も近い種で、人間と同じように豊かな感情を持ち、精神的肉体的苦痛を感受する動物であるからこそ、多くの人々が親しみや同情を感じる存在です。子供たちに動物に親しませ、動物愛護を教える機関と考えられている動物園で、余剰とされたサル達がこのように処分されている実態は、大きな驚きです。

　当会では、新潟市白山公園のニホンザルの実験用提供に反対すると共に、全国の公園や動物園におけるサルの飼育に関して、適切な配慮が為されるよう求めています。

　市民公園や動物園のサル山のサルたちの運命を象徴するこの事件に、どうか皆様のご関心をお寄せくださいますようお願い申しあげます。

　今年（1998年）の４月まで、新潟市白山公園の中の非常に狭い檻の中に３６頭のニホンザルが、飼育されていました。この公園では、動物の安全や健康、飼育管理に関する責任者もおらず、心ない人が棒で突いたり菓子袋を投げ入れたりしていました。新潟市は、これまでサルたちの個体識別を行ったことも、出産や死亡記録を取ったこともなく、近親交配で増えるにまかせてきました。

　４月２２日、新潟市はこの３６頭のすべてのサルたちを愛知県の日本モンキーセンターに引き渡しました。ここから、やがて彼らは動物実験室に送りこまれる運命にあります。この公園では1991年にも、10頭を、モンキーセンター経由で動物実験室に送り込みました。

　日本モンキーセンターは、サル類の動物園であると同時に、自園及び他園で増えすぎたサルを実験機関に提供することを業務の一つとしています。また、野生ニホンザルを「有害駆除」の名で捕獲することを指導し、捕獲されたサルを引き取って実験用に提供しています。

　日本では多くの公園には小さなサルの檻があり、また動物園には必ずと言っていいほど「サル山」があります。これらのサルたちも、新潟の公園のサルたちと同様の運命にあります。つまり、そのまま放置されて近親交配を重ね、数が増えると間引かれ、動物実験に回されていくのです。

　ニホンザルは、ＩＵＣＮ（国際自然保護連合）のレッドデータブックに記載されている絶滅危惧種です。サルは人間に最も近い種で、人間と同じように豊かな感情を持ち、精神的肉体的苦痛を感受する動物であるにもかかわらず、日本中の公園や動物園で、サル達はこのように処分されています。

　当会は、新潟市に対して、次の要請をしています。

モンキーセンターに対して実験用に渡さないよう約束させること。
それができなければ、３６頭のサルを取り戻し、もっと広い良い場所で再飼養すること。
モンキーセンターと交換した５頭については繁殖制限をし、飼育に関し専門家に委ねること。