懸念されていたロシアにおけるシャチ捕獲が現実のものになりました。

シャチを捕獲するための船がぺトロハバロフスクを出航し、サハリンに向かったという情報が今日入りました。

ロシア政府は、同国において絶滅危惧種であるシャチ１０頭の捕獲を許可しています。これまで入った情報では、５頭の捕獲が計画され、そのうちの３頭を日本に輸出、２頭はモスクワで飼育したいということです。日本に売ったお金で水族館でも建てるつもりらしい。

先頃のＩＷＣ科学委員会では、この海域のシャチの生態が未解明であることから、捕獲によってどのような影響が出るか分らないので、調査を先行すべしと強く勧告しています。

また、これまで行われてこなかったロシアでの捕獲には技術的な問題もあります。

５頭捕獲するために、無理をして同じ数の犠牲がでないとも限りません。

昨年、名古屋港水族館がシャチ捕獲を依頼し、うわさではその買い値はおよそ１億円といわれています。ロシアにとっては、抗いがたい魅力ある金額にちがいありません。

今回の捕獲は、今後、世界の水族館へのシャチ供給源をつくり出すという大きな別の問題もあります。

シャチは、ワシントン条約で附属書II（希少種）で、輸出国、輸入国それぞれの科学当局の許可が必要です。しかし、日本の当局は、附属書IIの種については、形式的な書類審査を行うだけで、事実上フリーパスとかわりません。

もし、万が一捕獲が成功してしまったら、輸入を阻止することはほぼ不可能です。

名古屋港水族館を考える仲間たちは、今日、名古屋港水族館に、野生シャチ捕獲に関する懸念を７項目の公開質問状として手渡し、捕獲に強く反対する表明をしました。

みなさん、名古屋港水族館に、ロシアに、ぜひお手紙を！！

●名古屋港水族館　内田至　館長
　名古屋市港区港町1-3　Tel. 052-654-7001

●ロシア

　Mr.A.V.Zatulyakin
　Sakhalinrybvod
　693006 Russia,Yujno-Sakhalinsk
　u1.Emelyanova 43 A

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税金の使い方として適切か？

シャチの捕獲のために億単位の税金を使う名古屋市

７月２３日、オンブズマン愛知の有志８名が名古屋港管理組合いに対してシャチ購入費用の差し止めを求める監査措置請求を行いました。

代理人の弁護士は、記者インタビューに、今回の行動は「社会性をもち、広い大洋を移動するシャチを狭いプールで飼育することは虐待行為である」こと、また、「野生動物を飼育し、見せ物にするのは時代遅れであり、自分達の文化と考え方の質を問われることである」と述べました。

もし、３億５千万円もの予算があれば、ロシアのシャチを捕獲するかわりに、ロシアのシャチの生態の解明を行うことが可能であり、それこそが名古屋市民、愛知県民の財産となるでしょう。

もう一つの驚きは、名古屋港水族館が、昨年のシャチ捕獲の失敗にさいして、購入費用１億７千万円の半額を支払ったという事実です！

いったい、どのような契約を結んだのか、どこに支払ったのかぜひ知りたいところです。