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猶予を与えられ、アメフトスターの犬たち 優しさと出会う

2007年、アメリカでアメフトプレイヤーが闘犬を開催し、自らも犬の虐待・虐殺を行っていたことがたいへん大きな話題となりました。邸宅から押収された闘犬たちが、その後サンクチュアリーに保護されたというニューヨークタイムズのニュースを抄訳でお送りします。

2008年2月2日、ユタ州カナブ

ジョージアは、断耳された悲しい目つきのキャラメル色のピットブルで、ちょっと診ただけでこれまでの過酷な生活を思い知ることができる。顎が折れたときに不自然な角度で治ったのであろう、ジョージアの舌は口の左側に突き出ている。尻尾はジグザグ。

顔、足、胴体にある殴られた傷から、ジョージアが闘犬であったことが分かる。変形し垂れ下がった乳首からは、ジョージアがやり手の凶暴な闘犬だったために、無理やり繰り返し繁殖に用いられたのではないかと、新しい飼育係は推測する。

違法闘犬場に関連して、昨年(2007年)4月に元アトランタ・ファルコンズのクォーターバック、マイケル・ヴィックから押収されたピットブルの生き残り47匹なかで、ジョージアが最もひどい虐待に耐えていたのではないかと思わせる痕跡がある。

それは、ジョージアには歯が全くないことである。42本とも全て抜き取られたのは、強制繁殖の際にオス犬を傷つけないようにするためだと思われる。

ヴィック氏に飼われていた犬のうち22匹が、ベスト・フレンズ・アニマル・ソサエティというサンクチュアリーに引き取られた。そこでの飼育係たちは、ジョージアの身体の傷よりも心の痛手を案じている。彼らには、どうしてジョージアがドッグハウスでひっきりなしに吠えたり、鼻が擦り切れるまでしきりにおもちゃを転がしたりするのか、わからないのである。

「ジョージアのことが一番心配です。過去にどんなことがあったのか、どうしたら痛みを和らげてあげられるのか、ジョージアやほかのどの動物にだって聞くことはできませんから」と、動物の情緒的健康の専門家で『動物におけるメンタルヘルスと健康』の編集者でもあるベスト・フレンズ獣医、フランク・マックミランは言う。

そして、ドクターは、近づく人の顔をなめることで知られるその犬について「どうすればジョージアに喜びある生活をさせてあげられるのか、それを追究しています。ジョージアの頭の中にある不幸な思い出を引き去るのが我われの役目です」と述べた。

アメリカンフットボール界の元最高年俸プレイヤー、ヴィック氏は、闘犬ビジネス「バッド・ニューズ・ケンネルス」への融資と成績の悪い犬への処刑に関与した罪で、カンザス州リーベンワースにある連邦刑務所にて懲役23カ月の刑に服役中である。裁判所の記録によると、犬たちは感電させられ、首をつられ、溺れさせられ、銃で撃たれ、あるいは地面に叩きつけられて殺された。ヴァージニア州の田舎にあるヴィック氏の所有地では、ピットブル8匹の死骸が埋められた大きな墓2つが見つかった。

不法な闘犬ビジネスから押収されたピットブルは、通常、政府の所有物となり安楽死させられる。HSUS(米国人道協会)とPETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)は、ヴィック氏の犬に対する安楽死措置を勧めた。しかし、多くのアニマル・レスキュー団体が犬に生きる機会を与えるよう検察官に要求した。

政府は、ヴィック氏が全ての犬への適性検査と世話にかかる費用として928,073ドルの支払いに同意後、犬に生きる機会を与えることに合意した。犬たちは、動物の専門家によって検査を受けて名前が付けられた後、8つのレスキュー団体に引き取られ、そこで去勢されて、アダプション、リハビリ、あるいはサンクチュアリーで終生飼養されることになった。しかし、ヴィック氏の犬のうち一匹は、人に対して攻撃的な性格ために安楽死させられた。

最も多くの犬を引き取ったベスト・フレンズには、約389,000ドルが支払われた。引き取られた犬の多くは、リハビリ後、ふさわしい家庭に迎えられる予定である。ヴィック犬の残り25匹は、国中のいたるところでフォスターケアに預けられている。

「この件での被害者は紛れもなく犬たちであるという事実を強調するよい機会だ」と、動物に関する法律の専門家でヴィック氏の犬の公選後見人でもある、ヴァルパライソ大学の法律学教授レベッカ・J・ハスは言う。

犬の適性検査を手助けしたBAD RAP(ピットブルの責任を担うベイエリア愛犬家)では、10匹をフォスターケアで預かっている。その団体の事務局長ドンナ・レイノルズは、「過去の出来事にうまく対処して立派に乗りきることができる犬もいれば、心を閉ざしてしまい耐え切れないものもいます。ベスト・フレンズにはあまりうまくやっていけそうにない犬たちが引き取られた」と言う。彼女によると、そのなかには名高い闘犬や裁判所からサンクチュアリーでの終生飼養を命じられたヴィック氏のチャンピオン犬、ルーカスなどが含まれているという。

かつて虐待される身、いまでは甘やかされる身

ベスト・フレンズでの生活は、以前のものとは全く異なる。ヴァージニア州スミスフィールドのムーンライトロードにあるヴィック邸では、犬の多くが埋設の車のハブに鎖でつながれた状態だった。そして、寝るのはコンクリートの上。飲み水は、たとえあったとしても、藻が繁殖したボールに入れられていた。ほとんどの犬は栄養不良で、数匹にはまだ新しい裂傷が見られた。

3700エーカーの敷地に設けられたサンクチュアリーでの新しい生活は、ジュニパー樹木が生い茂り、ヤマヨモギに覆われ、数々の渓谷や赤岩層に囲まれた大自然のなかである。そこでは、犬のキャビアと呼ばれるドッグフード、キューキューなるおもちゃ、ふかふかのベッドが与えられ、4人の飼育係がフルタイムでついている。

ヴィック犬は、サンクチュアリー内のドッグタウン・ハイツという、ベスト・フレンズではゲーテット・コミュニティ(ゲートとフェンスで囲まれた住宅地)と呼ばれるところにいる。そこでは、ヴィック犬専用に床暖房、吸音壁、スカイライト設備つきの建物があてがわれている。それぞれは個室に入れられているのだが、それは安全のために当面犬たちを孤立させなければならないからだ。

ベスト・フレンズに引き取られたヴィック氏の犬は、一匹を除き、みな緑色の首輪をしている。緑色は、人に慣れている犬の目印である。しかし、前科もののメリルは赤い首輪をしている。

メリルは、前にいたシェルターで獣医スタッフに攻撃的であった。11月にベスト・フレンズで適性検査を受けたとき、メリルは獣医看護士に飛びつき3回ほど噛み付いた。メリルには裁判所からベスト・フレンズでの終生飼養が命じられている。

ヴィック氏は、デンゼルを除くベスト・フレンズに引き取られた犬すべてに対して、終生飼養費として一匹当り18,275ドルを支払った。デンゼルは、新しい飼い主に譲渡される可能性が高いので、その費用は5000ドルと安かった。

ベスト・フレンズの関係者によると、このサンクチュアリーは2000もの動物を収容するノーキルの非営利施設で、犬のケアに必要な人材と獣医スタッフの費用は実際にはもっと高いという。ダニ媒介性ウィルス治療のために輸血を受けたデンゼルにかかった費用は、その一例である。不足額は寄付によって賄わなければならない。

人懐っこくなるように育てる

「人懐っこくなるように繁殖されるピットブルが内向的で人間に対して攻撃的なのを見るのは、とても辛い。メリルを含めてヴィック犬の大半は、不安のためにあのような行動をとるのです。犬たちに人間を信頼しても大丈夫だと教えることが、我々の最も大きな役割です。何カ月、あるいは何年かかるか分かりませんが、私たちはとてもしぶといですから、犬たちを見捨てたりはしません。」と、ジョーン・ガルシア氏は言う。滑らかな口調の赤ちゃん言葉で犬と接する彼は、500匹の犬を収容するドッグタウンのドッグケアマネジャー助手である。

犬たちは、まだ新しい環境に調整中で、何匹が譲渡可能になるのかを予想するのは困難だ。1月2日にヴァージニア州リッチモンドからチャーター機でやって来たときは、8カ月間のシェルター生活でのストレスがたまっていた。昨年(2007年)9月の初回の検査時には、大半の犬は横たわり脅えていた。それが今では、飼育係にしっぽを振ったり、ペロベロなめたりして反応するようになった。

「人のそばにいることは必ずしも悪いことではないということ、我われは傷つけたりしないということを分からせたい。最悪の場合でも、せいぜい気が急いて強要してしまうことぐらいですよ」と、ガルシア氏は言う。

攻撃的な犬の訓練に精通している彼は、ヴィック氏のピットブルのなかにはほかの犬に慣れさせるのが非常に困難と思われるものがいる、とも言う。当初は10匹がほかの犬に対して攻撃的であると判断された。

今までに、一度だけけんかが起きた。誤ってライラがレイと同じドッグランに入れられてしまったのである。ライラは、たちまちレイの肩に執拗に噛みつき攻撃した。

飼育係の中心人物の一人キャリッサ・ヘンドリックが、ライラのあごをこじ開けてレイから引き離した。「この犬たちを共生させるためには、正の強化をし続けなければなりません。ヴィック犬のことは分からないことだらけで、もどかしいです。ヴィック氏の経営に関わった人たちにこれらの犬がどんな仕打ちに耐えてきたのか、聞けるものなら聞きたいぐらいです。あぁ、いったい何があったていうの、エレン・ベリー?」と、ヘンドリックさんは語る。

エレンは、ベスト・フレンズに来たばかりのとき、ものすごく太っていて、闘犬というよりもソーセージのようだった。繁殖犬だったが、それ以前はリングにあがっていた。顔の片側は神経障害のために垂れ下がっているが、それでもエレンは情愛深く、撫でてもらいたくておなかを見せるのが得意である。

ここにいるヴィック犬にはみな、個別情緒的リハビリプランが組まれている。飼育係は、それぞれの犬をいくつかの項目に分けて評価する。リトル・レッドは今日どのぐらいおびえていたか、ブラック・ベアはどれだけ自信があったか、メリルはどれほど楽しむことができたか、などである。

犬たちの経過は記録され、マックミランが犬の健康を追跡検査するときに役立たてられる。ナショナルジオグラフィックチャンネルもまた、ジョージアを含む数匹のヴィック犬の経過を綴った番組『ドッグタウン』を計画中である。

「今までに例のないことで、このような犬へのリハビリ成功率は予想できない。とても人懐っこそうなやつでも、精神的なトラウマの後では、数週間あるいは数カ月の間に性格が変わるのではないだろうか? 攻撃的な性格は変えられるのか、変えられないのだろうか? 犬たちにとって最善の方法はなんだろうか?」と、マックミランは言う。

たとえ新たな飼い主は見つからないとしても、どうすればこれらの犬が幸せでいられるかを見つけ出すことが今後の課題である。

心にできた深い傷への対応

ジョージアが幸せを見出せるか否かは、だれにも分からない。ジョージアは過去のトラウマへの対処機能的な行動を見せていると、マックミランは言う。

ジョージアは自分の犬小屋をかじる。ベッドもなんどもひっくり返すので、飼育係が取り上げてしまった。おもちゃがあると、人には興味を見せないこともよくある。ジョージアは、2001年にヴィック氏が闘犬ビジネスを始めるために買った犬で、バッド・ニューズ・ケンネルスではジェーンと呼ばれていた。ジョージアは、最年長の犬と思われるが、年齢は7歳ぐらいと想像でしか言えない。犬の年齢は通常、歯の状態を見て推定されるが、ジョージアに歯が全くないからである。

歯を全部抜かれることは、耐え難いほどの痛みだったであろう。たとえ薬が与えられたとしても、犬にとっては歯を一本抜かれただけでも苦痛で、しかも抜くためには穴を開けたり、引き抜いたり、縫い合わせたりと一時間以上はかかるだろう。

「人間によって打ちのめされ、飢えさせられ、拷問に掛けられていたわけですから、ヴィック犬が我々を信頼できないのも無理ありません。けれども、本当は人間好きで、心の底では人間といっしょにいたいのですよ。犬たちの回復力には、驚かされます」と、ガルシア氏は言う。そのジョージアがちょうどひざの上に乗ってきてうずくまるようにして、いびきをかきながら昼寝をし始めたところだった。

ニューヨークタイムズ・オンライン
The New York Times, nytimes.com
http://www.nytimes.com/2008/02/02/sports/football/02vickdogs.html
?_r=2&ref=sports&oref=slogin&oref=slogin


 
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