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【イギリス】

霊長類のペット飼養禁止を求める

ALIVE海外ニュース 2009.1-2 翻訳:宮路


シュロプシャー州リーキン選出のマーク・プリチャード保守党議員は、小型の猿などがよく狭苦しい檻の中に入れられ、耐え難い苦痛を受けているとして、家庭における霊長類のペット飼養を可能にする動物福祉法の抜け穴対策を講じるべきだと促している。

英王立動物虐待協会(RSPCA)はこの禁止法の要求を支持している。RSPCAによると、イギリスでおよそ3000頭の霊長類がペットとして飼われている。

プリチャード議員は、担当各省の大臣に国内のペット市場用の霊長類の繁殖、販売、飼養を禁止するよう呼びかけている。

<増大する問題>

プリチャード議員は、なぜこれらの動物を飼う習慣が近代社会に属さないものなのかという理由を明らかにするために、個人議員が法案を提出することができる”Ten Minute Rule Bill”という方法を利用して下院に提出するという。

「イギリスは近代国家なのか、それとも、人間の娯楽のために霊長類を限られた空間に閉じ込めることをよしとするヴィクトリア朝時代に今も止まっている国なのか」と議員は問いかける。この法案は、動物福祉の問題だけでなく、外来種ペット市場がどのように地球保全への努力を損なってきたかに対する認識を高めるものであり、イギリスは、この問題に関して世界を先導し、国際基準を設け、他の国がイギリスの例に倣い、霊長類をペットとして飼うことを禁止するようにしなければいけないという。

<絶滅の危機に瀕する霊長類>

「いわゆる外来種ペットの需要は増加しており、この問題は減るどころか、むしろ悪化しています。私が見たところ、これらの動物のうちいくつかの種類の生息数が少ないこととペット貿易の間には、明らかな相関関係があります。政府が、イギリスでの霊長類のペット飼養禁止のための行動を起こさない限り、森林と生息地保護に対する政府の発言は非常に空しく聞こえます」と議員は述べる。

最近、IUCN、あるいは国際自然保護連合は、世界の霊長類種の状況に関する最新のデータを発表した。絶滅危ぐ種を掲載したレッドリストでは、48%が絶滅に瀕していることが判明した。

「もちろん私たちはマーク・プリチャード議員の目標を支持します。霊長類のペット取引は、苦しみを引き起こすだけであり、より大きい視野で見れば、霊長類の保全を損なうだけです」と、モンキー・サンクチュアリ・トラストのレイチェル・へヴェシはいう。

<機能しないシステム>

イギリスで売られている霊長類は、そのほとんどがマーモセット、タマリン、オマキザルのような小型ザルで、飼養下で繁殖された個体だが、動物の正確な貿易ルートは分かっていないとヘヴェシさんはいう。

「霊長類の原産国からヨーロッパへは、たくさんの個体が合法、あるいは違法に輸入されていることを知っています。サルがこの国に入ってくるころには、その個体は飼養下で繁殖されたことになっているので、直接的、あるいは間接的なつながりを原産国までさかのぼって究明するのは、実際には不可能です。そして、合法な貿易が存在する限り、密輸はなくなりません」とヘヴェシは語った。

コーンウォールにあるトラストのサンクチュアリに最近引き取られたジョーイーというオマキザルは、タンスほどの大きさのオリに9年間閉じ込められていた。

獣医師の診断書によると、レントゲンで、広範囲にわたる骨の変形や全体的な骨密度の低さが分かったが、これは、狭い場所に閉じ込められ、日光を十分に浴びていなかった結果だという。オマキザルなどの新世界霊長類はビタミンD3が必須であるため、骨に関連する疾病に特に弱いのだという。ジョーイーは南米スリナムの森林で捕獲された野生動物だったと考えられている。

タマリンやリスザルなど小型ザルの多くは、ペットとして飼う場合、免許は必要ないが、オマキザルは危険野生動物法の指定種であり、飼養認可と、年に一度の獣医師による診断が必要となる。しかし、調べてみると、ジョーイーの所有者は、最初に取得した12ヶ月の免許を一度も更新していなかった。

<規制なし>

王立動物虐待防止協会(RSPCA)の野生生物部科学官のロス・クラブ博士は、家庭用ペットとしての霊長類飼養禁止は、RSPCAが何年間も要求してきたことだという。博士は、霊長類には家庭という環境では提供できない特別なニーズがあるので、一般市民による飼養を許可するべきではないという。「必要な刺激を得られず、必要なスペースも与えられず、食事に問題があることも多いのです。また、必要な量の日光も浴びられず、飼養方法が原因であらゆる種類の心理学的、行動学的な問題が起こります。しかし、現在、霊長類をペットとして飼うための規制は全くといっていいほどありません」

政府もこの問題については取り組みを検討している。ペットとしての霊長類飼養に関する懸念は、動物福祉法2006年の作成中も高まり、政府は行動規範を考案するためにワーキンググループを設立した。このワーキンググループはRSPCAもメンバーになっており、政府は、数ヶ月中に再召集する準備をしているという。

クラブ博士は、RSPCAの立場は非常に明確であり、これまで要求してきたように、ペットとしての霊長類飼養禁止を法律の一部にすることだという。「それには、まず、霊長類を飼養することができる人間に関する制限を設けなくてはいけません。霊長類の所有は、団体、あるいは登録された保全プログラムに携わっているか、保護された動物を収容している個人に限定されるべきです」

プリチャード議員の法案が成立する可能性は低いが、議員の目標は、この問題を再び政治課題として取り上げることだという。

「政府は、自らの立場を示すためにこの問題を取り上げる必要があります。この法案は、超党派議員の支持を得ており、そのなかには動物福祉を支持する議員として最も尊敬されているエリオット・モーレイ議員も含まれています。これは党派に関わる問題ではなく、我が国がどのような国なのかに関わる問題なのです」

2008年10月13日
BBC news
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7663939.stm


 
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