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 HOME > 畜産動物 > 畜産農家で働いて(1) 家畜の悲鳴を聞いてください
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【ALIVE 連載】 畜産農家で働いて(1)

家畜の悲鳴を聞いてください

牧野みどり


 私たちが牧場と聞いて思い浮かべるのは、草原の中で牛が草を食み、のんびり寝たり歩いている様子のはずである。でももしかしたら、現代の子供の頭に思い浮かぶのは、牛舎の中に繋がれた無表情の疲れた牛の姿かもしれない。

 私は、C県のある一軒の酪農家で働いている。意外にもC県には酪農家が多い。数年前までは、北海道に次いで2番目の酪農家の戸数を誇っていた。そんな数の牧場がC県の一体どこに?と、感じる方も多いだろう。実はけっこうな住宅街の中でもその姿はみられるのだ。時代の流れで周りには次々と家が建てられ、昔からその土地でやっていた酪農家の存在は、いつのまにか肩身の狭い存在となっていった。

 もちろんそこに草原などなく、遠目から見ればちょっと大きな建物があって中をのぞいて牛がいることにびっくりしてしまうような、住宅街の中にありながら、さほど違和感を感じないような飼い方を牛はされているのだ。

 その飼い方は不自然そのもの。経済動物としてしか扱われない牛には、約畳一畳分のスペースしか与えられず、牛は一生のほとんどをそこで過ごすのだ。そこでびっくりするのが、その寝床がゴムマットであるということ。

 糞尿をそのマットの上でしてしまえば、ぐちゃぐちゃになったそこは、まるでスケートリンク状態。足元が滑って寝起きすることさえ困難になってしまうのだ。寝起きにさえストレスを感じてしまう現状。問題は他にも山積みだ。

 牛は、生まれた瞬間に母牛とはすぐに引き離される。母牛から直接母乳をもらうことなく人間から人工的に作られた代用乳を飲まされ、「大きくなれよ〜、早く成長しろよ〜」と牛乳をたくさん生産してくれる牛になるように育てられる。

 生まれて3カ月もすると、子牛の頭から角が目立ってくるようになる。そうすると、「じゃあそろそろ除角する時期だ」ということで、角がまだ小さいうちに焼きごてなどの方法を用いて角をとってしまうのだ。苦痛を伴わないよう麻酔を施すが、本来あるべきものを取り除いてしまうのは人間の都合でしかない。いざ成長した時に、角は危険で邪魔なものでしかないものだからだ。

 2年も経たないうちに人工授精を施された牛は、分娩して、牛舎に繋がれっぱなしの生活をおくるようになる。能力として望ましいのは一年に一産のペースとされる。分娩後、2〜3カ月後に再び人工授精され、妊娠しながら乳を搾り取られるということになるのだ。これは牛にとっては大きな負担で、2〜3回それが繰り返されれば牛の体はボロボロ。内臓はフル稼働で休む暇もない。疲れきった牛は様々な病気を発生し、能力も限界を迎え、用無しとなった牛は肉として売られて一生を終える。人間でいえばまだ30代くらいの若さだろうか。残念ながら、これが日本にいる牛の現実。

 もちろん、このような牛の生態を無視した酪農の在り方を見直そうと、牛を中心とした酪農スタイルを実現させている酪農家も少なくない。しかし、一方では全く逆の大量生産・作業の省力化を目的とした大規模農場のスタイルを実現させる、または、夢見る酪農家も多い。

 冒頭で、子供たちにこんな牛の姿が記憶されると言ったが、最近では、生産者と消費者の交流を目的としたイベントを牛乳の販売者側が企画し、それに参加した子供たちが、このような牛を目にしているからだ。そして、大人たちに、この飼い方がもっともであるかのように教えられる。なかには、角焼き体験などと称して除角も体験させたりしている。

 子供だけではない。牛について何も知らなければ、大人でさえ間違った知識を植えつけられてしまうことになるのだ。 「でも、かわいそうだけど仕方ないんだよ、経済動物だからね」と言われてしまえば、言われた方は諦めてしまう。私も実際そうだった。北海道で研修生としてはじめて現場を知った時、どんな残酷な現実を目の当たりにしても、経済動物という理由が全てをはぐらかしていた。そして慣れていってしまった。

 そんな私も、後にALIVEと出会い、家畜の問題に取り組んでいたことを知り、勇気をもらうことができた。

 実際今の仕事をしているから、これで生計を立てている経営者側の言い分も分かるし、動物の苦しみも痛いほどよくわかる。だからいつも矛盾のなかで仕事をしている。

 今、こうして家畜の在り方が見直され、問題意識を持っている人がたくさんいるなら、動物たちにも未来が望める。消費者の方は、まず近くに牧場を見つけて足を運んでみたらどうだろうと思う。まず目で確かめてみるのが一番。生産者と世間話をするのもいいと思う。自分の見方が変わる場合もあれば、生産者の方が変わる場合もあるかもしれない。問題を自分に近づければ近づけるほど、視野は広くなる…気がする。小さなことからこつこつと、ではあるが、実は一番大事なことなんじゃないかと私は思う。
           

第2回につづく
◆畜産農家で働いて(2) 子牛・・だけど、家畜


 
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