過去２３年間のクマの狩猟・駆除数の統計

ALIVE　　2009.7.7

2006（平成18）年度には、ツキノワグマの空前の大量捕獲（有害駆除＝許可捕獲）が行われました。環境省の「鳥獣関係統計」は毎年３年遅れで発表されており、最新版は2006（平成18）年度版です。そのため、2007年度以降の狩猟と許可捕獲の総数は、いまだ明らかではありません。

＜グラフの説明＞

環境省「鳥獣関係統計」1984年〜2006年までのツキノワグマ（本州）とヒグマ（北海道）の狩猟・有害駆除・保護管理計画による捕獲の総数。

環境省「H１７〜２１年度におけるクマ類の捕獲数（許可捕獲数）について」［速報］

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環境省の「鳥獣関係統計」から、1984年〜2001年までにおけるツキノワグマ（本州）とヒグマ（北海道）の狩猟・有害駆除の統計をグラフにしてみました。(2004.10.20)

ツキノワグマは、絶滅のおそれがあるとしてワシントン条約で商取引が禁止されている、国際的にも希少な野生動物です。しかし、日本国内では取り立てて保護政策はとられておらず、毎年2000頭前後が狩猟と有害駆除で捕殺されています。ちなみに、ツキノワグマの推定生息数は、本州全体で8000〜12000頭程度とされています。すでに九州では絶滅し、四国では十数頭のみとなっています。西日本では地域個体群として孤立し、絶滅のおそれがあります。

各地で孤立しているクマの地域個体群

このグラフでわかるように、特に有害駆除については１，２年ごとに大きな波があります。この理由は、木の実の豊作な年と凶作の年に対応しているのではないかと推定されます。その年の気象条件（温暖、台風その他）および実のなる木の分布状況、植生図、人工林化などの地図と捕獲個体情報を重ねて、総合的な情報を、毎年積み重ねていく必要があります。

ツキノワグマの出没とブナの実りの相関に関する調査（森林総合研究所）

北海道のヒグマは、生息地が寸断され、地域的な孤立化が進んでいます。

推定生息数は2000頭程度といわれ、過度な捕獲圧はたちまち絶滅に追い込む要因となっています。

＜参照＞

クマ3：環境省へツキノワグマの保護管理対策を求めて要望
クマ2：ツキノワグマの緊急的保護対策
クマ1：有効な被害対策と適切な保護施策が必要