イベント興行のためのスマトラゾウの輸入に問題あり
スマトラゾウの輸入に関し、当会では経済産業省に下記の要望を行いました。
阿蘇熊牧場・カドリードミニオンへの要望書はこちら
報告:
スマトラゾウの輸入は停止へ!
2003年5月28日
経済産業省貿易経済協力局貿易管理部
(担当 貿易審査課) 御中
スマトラゾウ5頭の輸入に関する要望書
当会は、長年の間、動物園チェックを実施している全国規模の動物保護団体です。貴課に対して、以下の3点のご確認と調査をお願いいたします。
1、個体の調査確認
昨日、インドネシアの学術野生動物保護団体から、ワシントン条約(CITES)付属書Iであるスマトラの野生アジアゾウ5頭
が近日中に日本に送られるとの知らせを受けました。
現地からの情報では、このゾウは野生個体であり、展示目的の輸出入は違法であると主張しています。これが事実であるとすれば、CITES7条7項には該当せず、I類種を「展示目的」で輸出することは許可されません。速やかにご確認をお願いいたします。
2、輸送と虐待の調査確認
万一、繁殖個体だとしても、条約では、生きた個体の輸送や世話において、管理当局が、傷を受け、健康を損ね、もしくは虐待される危険性が回避されているかどうかを確認することが義務付けられています。
しかし、現地での報道によると、5月31日にスマトラからジャカルタまでは陸路輸送され、6月2日にはジャカルタから関西空港に輸送するという休息もない強行日程です。加えて、現地からは、日本に送られるゾウたちが激しい虐待を受け傷を負っている映像が送られてきています。これに関しての調査をお願いいたします。
3、受け入れ施設の調査確認
野生個体でも「学術目的」であれば輸出入は許可されることになりますが、日本においては、施設飼育が適切であるかどうかの事前審査は無いも同然です。日本では誰でもが動物園を名乗ることができ、実際に「動物園」という名を使って密輸が行われたこともあります。
環境省と協力して、「動物取扱業者に係わる飼養施設の構造及び動物の管理の方法等に関する基準」が遵守されているかどうか事前に審査していただくよう求めます。
インドネシアでは2001年に野生のゾウの捕獲一時停止が決定されていますが、有害駆除の名の下に、実質は今回の日本への興行のように、商業目的のために捕獲され続けています。
しかし、常に絶滅の危機と隣り合わせにあるアジアゾウをエンターテイメントのために利用、流通させるという行為は、世界中の野生動物の研究者、NGOから批判を浴びております。
同国では国内の政情の不安定、混乱に乗じて、多数の保護対象の野生動物が商業目的で捕獲されており、その最大の輸入国は日本となっています。
貴機関においては、絶滅のおそれのある希少野生生物の保護の観点から、その輸出入に関しては厳しい監視の方針を取っていただくよう、強く要請致します。