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東山動物園への
アジアゾウの導入計画に関する公開質問書


名古屋市の東山動物園が、スリランカよりアジアゾウの子供を導入し、かつ新たにゾウ舎の建設をしようとしています。アジアゾウは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)で商取引が禁止されている動物ですが、東山動物園では、繁殖研究という学術研究目的でアジアゾウを輸入申請すると思われます。
飼育設備や繁殖プログラムなどに疑問を覚えるALIVEでは、名古屋市に公開質問書を送付しました。

東山動物園のゾウとゾウ舎(2010年10月)


平成23(2011)年10月31日

名古屋市長  河村たかし 様



東山動物園へのアジアゾウの導入計画に関する公開質問書


 当会は、長年の間、動物園チェックを実施している全国規模の動物保護団体です。
 名古屋市は2010年に生物多様性締約国会議COP10の開催を招致し、国内外に野生動植物の種の保全に取り組むことを宣言されました。その活動の一環として、貴市の東山動物園に生物多様性保全のフィールドを設け、スリランカよりアジアゾウの子供を購入し、かつ新たにゾウ舎の建設を予定しています。これに関して、いくつか疑問を覚えるところがありますので、以下の事項について質問いたします。ご多忙中のところ申し訳ございませんが、11月末日までに、ご回答いただきたくお願い申し上げます。

1、 アジアゾウの飼育設備について

 市民に配布されている「東山動植物園再生プラン−アジアゾウエリア」によると、新たに建設されるゾウの獣舎(寝室)は約1200平米、運動場とプール面積が約1850平米となっています。ゾウを展示のため運動場に出す時間と獣舎に閉じ込める時間は約1対2の割合ですから、獣舎の構造、スペース、行動学の知見に基づく環境エンリッチメントの方法は極めて重要な課題です。従来のような最低ラインを維持できればという発想が仮にあるのであれば、ゾウ飼育の現在の世界的動向に逆行するものであることは否めず、現存のものの改修ではなく新設する意味がありません。

(1)展示場ならびに獣舎設計における理念とそれを実現するための具体的根拠をお知らせください。
   動物園として、動物に対してと観覧者にとっての両面からご説明ください。
(2) 獣舎内での1頭当たりの居住スペースは何平米でしょうか。その場合、群れ飼育(特に雌の場合)
   は可能になっていますか。可能な場合、群れとして十分な運動等(一晩に数キロは歩きまわることが
   知られています)が保証されているのか、具体的な根拠をあげてご説明ください。仮に十分な運動等
   が保証されていないとする場合、世界的動向を踏まえて、どのような飼育に関する発想からそのよう
   な飼育施設を設計するに至ったのかを、単に土地の狭量といったことではなく具体的な獣舎建築理
   念としてご説明ください。また、獣舎の中に砂浴び、泥浴びといったゾウにとり必要と考えられる身体
   調節が可能な設備がなされているのでしょうか、具体的にお知らせください。
(3)現在、国際的にゾウの行動に対する知見が深まり、飼育設備や飼育環境の改善などについて大き
   な進展が見られ、札幌市ではゾウの飼育の専門家を招いて講演会などを開催しています。今回の
   東山動物園ゾウ舎の建設計画では、このような最新の国際的知見をどのていど視野に入れ進めら
   れてきたのか具体的にお知らせください。

 ちなみに、日本では現在70頭ほどのアジアゾウが飼育されていますが、ほとんどの動物園はゾウの飼育スペース(運動場及び獣舎)が非常に狭く、ゾウの本来の行動や習性を満たすことができないため、心身のストレスによる異常行動が頻発して、見るに堪えない状態です。

2、種の保全について

 アジアゾウは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(以下、ワシントン条約)で商取引を禁じるI類に指定されており、学術研究目的のみ輸入が許可されます。新しく導入されるスリランカのゾウは野生由来個体と推定されるため、繁殖研究という名目で輸入の許可申請がなされるものと思われます。
 ワシントン条約の決議(Resolution Conf.5.10 Annex,paragraphe)には、「飼育下における繁殖に関しては、基本的に(繁殖を試みられる動物の)輸入はその種の回復を目指したプログラムの一環でなければならない」と記載されています。

(1)輸入されるゾウの由来(出生地、父母の情報)、年齢、雌雄、頭数について、お知らせください。
(2)今回のプランにおける野生アジアゾウの保全計画は、生息地の保全にどのような形で寄与するもの
   であるか、お知らせください。
(3)仮に飼育下で繁殖したとしても、地域個体群から切り離されたゾウをどのようにして野生復帰させる
   ことができるのか、将来像についての見通しをお知らせください。


3、繁殖プログラムについて

 120年の日本の動物園の歴史の中で、アジアゾウにはほとんど子供が産まれず(繁殖は5例)、まれに生まれても育つことはありません(現在の2年以上の生存個体はわずか2例)。この理由として、ゾウは母系の家族で暮らす社会性に富んだ動物であり、家族構成をもつ群れ社会を動物園で実現することは、極めて困難であること、単に雌雄を飼育しさえすれば繁殖するというような動物種ではないこと、などがあげられます。

(1)このような現実を踏まえた上で、アジアゾウの繁殖プログラムはどのように計画されているのか、繁
   殖を促す上で重要である複雑な個体関係を維持できるような群れ飼育を想定して設計されている
   のか、繁殖に向けた飼育体制ならびにそのための施設上の工夫に関して具体的に説明してくださ
   い 。また、本来は自然繁殖にもとづくプログラムであるべきですが、それが仮に困難な場合の対応
   策としての人工繁殖技術に関するプランがあるとすれば、それに関しても現実的な実施計画をお知
   らせください。


4、再生プランに関して

 ゾウ舎の建設計画は、東山動植物園再生プランのもとで進められているはずですが、再生プラン「楽しみと賑わいの創出」ワーキングに関し公表されている資料で見る限り、まったく検討がされていないように見受けられます。検討メンバーは、東山動植物園関係者以外は、動植物に関わり合いがない方ばかりで、動植物園の再生プランに動植物に知見を有する専門家等を加えず検討を進めるというのは、動植物を軽視していると考えられます。

(1) ワーキング座長の武田邦彦氏は、動植物園に関してはまったくの門外漢の方であり、生物多様性
   や種の保全、動物園に関しても否定的な発言をされている方ですが、座長を指名した市長として、
   このワーキングに対する見解をお聞かせください。


5、費用に関して

 名古屋市は、現在、財政赤字の状態で、様々な観点から不要不急の経費を削減する必要に迫られています。

(1) 今回の、ゾウの購入費用、ゾウの輸送経費、仲介業者への経費、ゾウ舎等の建設予定費、ゾウの
   飼育経費、その他、関係するすべての経費の内訳をお知らせください。
(2) これだけの費用負担に対するどれだけの公益性があるのか、費用対効果の算定表ならびに東山
   動物園としてそれを実施しなければならないと考える具体的根拠を公表していただくようお願いいた
   します。

以上

 

⇒ 東山動物園へのアジアゾウ導入計画に関する質問書と回答

●東山動物園におけるアジアゾウの導入計画についての再質問書に対する回答
2012.1.12
●東山動物園におけるアジアゾウの導入計画についての再質問書
2011.12.21
●東山動物園へのアジアゾウ導入計画に関する公開質問書に対する回答
2011.11.28
●東山動物園へのアジアゾウ導入計画に関する公開質問書
2011.10.31

 

 


 
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