地球生物会議ALIVE アライブ サイトマップアライブへのお問い合わせALIVE English site
アライブ
ALIVEトップページへ最新情報・イベント案内ALIVE BLOGALIVE資料集ALIVEビデオALIVE資料請求ALIVEリンクALIVE動画のサイトへALIVE子供向けページ
 HOME > ズーチェック > 27年ぶりに「展示動物の飼養基準」、改正へ
検索 AND OR
 
地球生物会議ALIVE紹介
野生生物
動物園
家庭動物・コンパニオンアニマル
畜産動物・工場畜産
動物実験・実験動物
生命倫理・バイオエシックス
ライフスタイル
ライフスタイル
動物を守る法律
海外ニュース
海外ニュース
ALIVE資料集・ビデオ
本の紹介
リンク
 
 
アライブ子供向けページ
アライブMOVIE 動画のページ

関連リンク


ようやく27年ぶりに「展示動物の飼養基準」、改正へ

ALIVE 2003.4 記:野上ふさ子 (ALIVE)


 このほど、動物愛護法に基づく「展示動物の保管及び飼養に関する基準」(11976年制定)が27年ぶりに改正されることとなりました(2003年2月26日に環境省中央環境審議会動物愛護部会に諮問)。当会では、長年の間、全国のクマ牧場調査ズーチェックを行い、この「展示動物の基準」があまりにも内容が時代遅れであるばかりでなく、実効力がなく機能していないことを指摘してきました。

 ちなみに、イギリスでは1980年に「動物園免許法」を制定しています。この法律では、

  1. 免許(ライセンス)のない動物園・水族館は開業できない
  2. 国で動物園・水族館の設置運営基準を設ける
  3. 国と自治体に各三〇名づつの査察官を置く
  4. 査察官は、基準の順守状況を定期的に査察する(問題がある場合は臨時査察も行う)
  5. 査察によって基準違反があった場合には改善勧告を行う
  6. 六ケ月以内に改善されない場合には、閉鎖命令が出される

という仕組みになっています。

 免許(ライセンス)−基準の遵守義務−査察によるチェック−改善されない場合の閉鎖、という法制度は、基本的に動物取扱業者に対しても適用されます。

 このイギリスの法律を参考にして、2001年にはEU(ヨーロッパ連合)も動物園法を制定しましたので、国際的に大きな影響力を持つことになりました。(施行は2003年)

 イギリスでは2002年に、旧来の動物園の基準をさらに改訂して、より強く動物の福祉を強化する方向を打ち出しています。これは現在、ALIVEで翻訳し、資料集として刊行予定です。

 日本でも、このような制度を導入するためには、新たな法律の制定および、動物愛護法の改正が必要です。

 しかし、さしあたっては、展示動物の基準の見直しが行なわれるこの機会に、国際的にも見劣りのすることのない先進的な「展示動物の基準」として改正されるよう強く求めたいと思います。

現行の基準の不備

 現行の展示動物の基準では、一般原則として、「1,管理者・飼養者は、展示動物の習性、生理、生態等をよく理解し、かつ愛情をもってこれを飼養し、動物の本来の姿を展示して観覧者に動物に関する知識と動物愛護についての関心を深めるように努めること」や、「4.展示動物を終生飼養するよう努めること」などが規定されています。

 このように定められていても、実際に、私たちが多く目にするのは、動物が本来の習性を示すことのできないまでの狭い牢獄のような檻の中に閉じこめられ、ストレスとノイローゼで異常行動をしている哀れな姿です。

多くの動物園でみかける「サル山」では、毎年、赤ちゃんが生まれているのに、いつの間にか、姿が見えなくなってしまいます。

動物園の「余剰動物」として、このようなところで最後を迎えるか、さもなければ、動物実験用に売られてしまうこともあります。


 また、客寄せのために繁殖させ、「余剰動物」を作り出してはさらに環境の悪い劣悪施設に払い下げてしまう動物園のモラルなさです。

 残念ながら、この基準はすべて努力目標であり、それをしなくても罰則があるわけではありません。また、動物園の半数は自治体立の施設であるため、基準が守られているかどうかを立ち入り調査するということも行われてきませんでした。

 新しく制定される基準では、ぜひとも以下のような実効力のある制度とすべきです。

新基準に盛り込むべき事項

1.スペースの基準を変える

 動物の檻が狭すぎる、もっと広いスペースを与えるようにと私たちが要望すると、判で押したように「基準の解説書」(日本動物園水族館協会発行)に載っている「施設の規模・構造に関する基準」に合致していると答えます。
 これは、ヒグマの檻の大きさとして4×4メートル、ライオンは3×4メートル、ニホンザルくらいのサルでは2×3メートル、といったおそろしく狭いサイズとなっています。かつて動物園協会の理事の方にうかがったところでは、「あれは当時の最低基準として考えられたもので、あのサイズであればいいというものではない」とのことでした。
 このサイズでさえ狭すぎるのに、多くの個人動物園ではこれ以下の、ほとんど身動きもできないような檻に多くの動物が監禁されており、ほとんど拷問状態です。それぞれの動物の種としての習性や生態に適するように、動物福祉の観点から、主な種毎の飼育基準を設けるべきでしょう。

2.終生飼育の原則を厳しくする

 動物園では無秩序な繁殖計画のせいで「余剰動物」が作り出され、それが動物商の手を経てやり取りされるため、個体の生死がわからなくなってしまいます。
 展示動物はすべて個体登録するとともに、余剰動物として処分しないようにすべきです。動物園は「動物愛護の啓発普及施設」として位置づけられてもいるのですから、率先して終生飼育を行うべきでしょう。

3.飼育環境の向上をはかる

 みじめな状態の動物をみて楽しいと思う人々は年々減少しています。動物園はもはや楽しく魅力のある場所ではなくなりつつあります。今後、環境教育や種の保存という社会的使命に答えていくためにも、飼育環境をより本来の生息環境に近づけていかなければなりません。
 動物園の飼育・展示の方法は、多くの人々に野生動物とはこのような飼い方をしてもいいのだいうと誤った見方を植え付けてきてしまいました。
 これからは、このような悪しきお手本を改め、「動物の福祉」とはこういうものだということを、自ら率先して実践していく責務があるでしょう。動物行動学や動物福祉学を学べる場所としても、自ら知識と経験を蓄積し、情報公開をし、市民参加を促す場に転換していってほしいものです。

※「展示動物の飼養及び保管に関する基準」は、環境省のホームページに載っています。

 


 
HOME  ALIVEの紹介  野生動物  ズー・チェック  家庭動物  畜産動物 動物実験 生命倫理 ライフスタイル 動物保護法

海外ニュース   資料集   ビデオ   会報「ALIVE」  取り扱い図書  参考図書紹介  リンク  お問い合わせ  資料請求