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動物実験が行われる主な分野

本当に必要かどうかを判断しよう

 動物実験はさまざまな分野で行われています。科学研究は限りなく細分化・専門化していくために、どこでどのような実験が行われているか、その全体像を知ることはほとんど困難です。とはいえ、これらの実験には莫大な税金が投じられており、その社会的是非や成否を判断するためには、実態を把握できる仕組みが作られ、その情報は広く明らかにされなければならないと思います。(野上ふさ子)


1、病気のモデルを作る研究

 医学や薬学の分野における動物実験は、まず目的とする病気や障害の理想的な姿を、動物を使って作り出すことから始まります。このことは、どのようにしたら動物をガンにしたり、高血圧にしたり、心臓病にできるかということを意味します。

 近年、厚生労働省が「成人病」という言葉を止めて「生活習慣病」と名付けたこれらの病気のほとんどは、まさに人の悪しき生活習慣、ライフスタイルからくる病気です。まず自分自身のライフスタイルを反省し、予防する努力によって、大幅に疾病を減らすことができます。健康への注意をそっちのけにして、人為的に動物を病気にし、そのための薬物を開発していくというのは、あまりに迂遠な方法であり、時間と労力、費用の無駄使いとしか言いようがありません。

2、毒性試験

 「化学物質過敏症」の患者がますます多くなっています。アレルギー、ホルモン異常、生殖能力の減少など、様々な身体の異常が指摘されています。これは、私達の生活環境に氾濫する化学物質に対して、人の体が拒否反応を起こしているからに他なりません。

 このような患者の訴えを一つ一つ親身に聞いて集めるという努力をしないで、手っ取り早く実験室の中の動物を使って化学物質の「有害性=危険性」をデータで出すことが、「科学的」とされています。人間のデータよりも動物のデータを重視し、そして動物では異常はなかった、だから人間にも安全であるという宣言が出されるのです。

 その良い例が、「電磁波の発ガン性」実験です。多くの疫学調査(人間の訴えを調べて原因と影響を広範囲に調査する)では有害と出ているにもかかわらず、実験室のネズミを使った実験では見るべき変化がなかったので、電磁波は安全だという結論を、政府の研究機関が出しました。

 あるいは、高速道の騒音や新幹線の振動が耐え難い人々がいます。一刻も早く行政が対策を採るべきであるのに、動物実験では影響がないとして、対策を講じない根拠付けに使われています。

 動物実験のデータというのは、使う者の立場によってどのようにでも使えるという二面性があることを忘れてはならないと思います。また密室の中で行われるだけに、データ自体が意図する方向にあうように操作されるおそれもあるのです。

3、生命操作の実験

 「遺伝子組み替え」「クローン動物」「ES細胞」などの研究が、盛んに進められています。しかし、遺伝子操作によって誕生した多くの動物が、先天的に内臓疾患や免疫・ホルモン異常などの病気を抱えており、健康で長生きすることはおぼつかない状態です。

 このような研究は、動物の生命の尊厳を冒すものであり、科学者が社会道徳を無視して暴走することに、どこかで歯止めをかける仕組みが設けられるべきでしょう。生命倫理は、これらの研究にお墨付きを与えるためにあるのではないはずです。

4、ストレスの実験

 動物を使って「絶望状態」を作り出す実験というのがあります。それはネズミや犬などに何回、どの程度の電気ショックを与えると、どんな刺激にも身動きしなくなる絶望状態を作り出すことができるかというような実験です。このような愚にもつかぬ実験が心理学や行動学、あるいはストレスの研究として、盛んに行われているのです。

 社会にはさまざまな不幸があり、世界中に、戦争や飢餓、圧政がはびこり、何千億の人々が絶望状態に追い込まれています。人間の心を研究するのであれば、まず人間社会の研究からはじめるべきでしょう。実験室の動物を虐待してどんな意味があるというのでしょうか。

5、医薬品の開発

 医薬品をつくるためには、まず病気のモデルとなる動物を人工的に作り出すことから始まります。次に、その病気のモデルにどのような薬物が有効か、ほとんど手当たり次第(*)に動物に投与してメドを立てる「ふるいわけ試験」でもおびただしい動物が使われます。選別は、数千の化学物質のうち1〜2個しかないとも言われます。(*事前に化学物質の構造を調べる代替法で数を少なくする研究が勧められてはいます)

 また、その薬物がどれほど効果があるか、効果量、効果持続性、適正投与法、投与時期など詳細な条件があり、そのすべてに多数の動物を用いて検討することになります。しかもそれは動物の種、系統、性別、年齢ごとに結果が異なるので、おびただしい数をこなして統計的に処理をするという手法が取られます。

 医薬品の開発にこれほど資源と労力を費やすことができるのは、「豊かな国」(先進国)だけです。このことは同時に、先進国とは、それほど医薬にかまけている「病んだ国」(病人大国)という意味ではないでしょうか。過度に薬物や病院に依存しないということは、本当はそれらがいらないほど健康なのだということを忘れてはいないでしょうか。

6、農薬の開発

 世界中の田畑に、何百万トンという農薬がばらまかれています。農薬は、土壌の微生物を殺し、いわゆる「雑草」を生えなくさせ、「害虫」を殺します。大量に摂取すれば人間も死んでしまいます。きわめて毒性が強いために、生態系に対する影響ははかりしれません。

 医療の場合は、受けるのは患者に限られますが、農薬の場合は、老若男女、地域を問わず、不特定多数の人々へ影響を及ぼします。特に皮膚や目に対する刺激試験は詳細に行われることになり、農薬の動物実験ほど悲惨なものはないとも言われます。また田畑や農作物に残留するために、長期間にわたる微量薬物を動物を投与し、慢性毒性の実験を行います。しかし、動物の種類や年齢、個体差が最も大きくでるのは、この慢性毒性の影響です。動物で目立った影響が無かったからといって、人間にも安全だなどということはできません。

 まず、農薬をこれほど散布しなければならないような農業自体が問い直されなければならないでしょう。多くの消費者は無農薬で健康に育った農作物を食べたいと望んでいます。

7、化粧品の実験

 化粧品は、人間の生死に関わる問題ではありません。人々が美しく見せたいと願うその背景に、数しれない動物たちの苦しみがあると知ったら、大多数の人々はそんなことまでして作られた化粧品はいらないと思うでしょう。

 特に、化粧品は消費者が不特定多数で、年齢や健康状態によって、影響もさまざまです。肌に塗るものであるために、特に皮膚や目に対する刺激性、光毒性、光アレルギー性などの実験を、ウサギやモルモットなどを使って行います。これらの小さな動物たちが化粧品のために激しい苦痛を受けていることを知れば、消費者は動物実験をしない製品を好んで選ぶようになるでしょう。

8、嗜好品の実験

 タバコやアルコールは、その使い方によって有益でもあり有害でもあるということは、誰でも知っています。それぞれの側が自分に有利な証拠を出すために、愚にもつかない実験が依然として繰り返されています。無益な実験の代表例としてただちに廃止していただきたいものです。

9、食品工業の実験

 私達が日常的に摂取している食べ物にもたくさんの化学物質が使われており、その「安全性=危険性」が問題となっています。特に、防腐剤や着色料、香料などの毒性の強い添加物を、たとえ微量でも長期に渡って摂取すると、発ガン性や免疫の低下などが引き起こされる恐れがあります。動物実験では本当のことはわかりません。できるだけ化学物質の含まれていない食品を選んで買うことが大切です。

 O-157など、食中毒を起こす病原性微生物の研究にも、わざと動物にこれらの食べ物を食べさせて実験的食中毒の研究を行っています。しかし、人間の食中毒はその人の健康状態や体調によって現れ方に大きな個体差があります。そもそも食性がまったく異なる動物を使って分かることはまったく見当違いの結果になるかもしれません。このような場合は、動物を使った研究自体が人間にとって危険だと思われます。

10、日用品の実験

 食品の容器、包装材料、染料、色素、洗剤、衣料、食器、家具、建材など、ヒトがそれに触れたり、吸い込んだり、口に入れたり、飲み込んだりする可能性があるものすべてにわたって、動物実験が行われています。化学繊維の衣服や人工皮革などを着たときに、皮膚に起こる静電気の発生、アレルギー反応の検討、衣料の保温効果、通気性の問題などにも動物を使って実験が行われます。

 このような日用製品は不特定多数の人々が使用するもので、その中にはアレルギーや特異体質の人も多数含まれます。だからこそ、できるだけ化学物質の使用を避けることを基本とし、広く消費者の意見や苦情のデータを集めて、検討し、それを製品開発に生かしていくべきでしょう。

 実際に多くの人々が悪影響を受けているのに、なお「動物実験の結果では無害」だと結論され勝ちです。人間の感覚よりは、動物実験のデータをを「科学的に正確」だとする見方に惑わされてはならないと思います。

「動物実験は必要なのでは?」と信じる前に、ぜひ、
動物実験の実態を知ってください。

詳しくは姉妹団体AVA-netのホームページをご覧下さい。

 化学物質の毒性実験については


 
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