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 HOME > 動物実験 > 新薬開発の動物実験についての質問〜動物実験は「必要不可欠」か?〜 (会報「ALIVE」118 号より)
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新薬開発の動物実験についての質問
〜動物実験は「必要不可欠」か?〜




当会へメールで寄せられた動物実験についての質問に対して以下のようにお答えしました。動物実験にはよく出てくる古くて新しい問題ですので、参考までにご紹介します。
(一部加筆・修正しています。なお、質問中の「Q&A7」はAVA-netのHPに掲載されている「動物実験Q&A」の1つです。)



■ 質問内容

 新薬開発における動物実験について意見をお聞きしたくメールを送りました。私は現在大学で看護師となるための勉強をしています。最近大学で医学研究における動物実験についての講義を受け、どんなことが問題となっていてどんな意見が実際交わされているのか興味が湧いたので調べてみたところ貴団体のホームページにたどり着きました。
 そこで質問なのですが、Q&A7の回答文のなかで「マウスではよく効いたし、しかも安全だった」というような文章をみました。しかし、新薬開発においては必ずヒトで臨床試験が行われ、そこで安全が確認されなければ実用化には至らず、臨床試験が安全に行われるかを確認するための段階に動物実験があります。
 私は、この動物実験は必要不可欠なものと感じますが、どうお考えですか。ぶしつけな質問をお許しください。ご意見をお聞かせください。


■ 回答

○○様

 お問い合わせありがとうございます。
 ご質問の中で引用されている「マウスではよく効いたし、しかも安全だった」の箇所は、むやみに新薬を使うよりも、よほどの必要性がなければ、古くからある実績のある薬を選びたい、という文脈で書かれています。
 ご指摘のように、新薬の開発では動物実験の他にヒトでの臨床試験も行われます。(なお、ヒトでの臨床試験では倫理上許されずに、動物だけで行われる試験内容(急性毒性試験や発がん性試験、生殖毒性試験など)もあります。)しかし、実際に、審査をパスした新薬で、薬害や副作用で苦しんでいる人たちは大勢います。(正確なデータを持ち合わせていませんが、メディアで取り上げられるのはそのうちの氷山の一角に過ぎず、多くの人が抱いているイメージよりも薬害や副作用は多くあります。)
 もともと医薬品は、人体への影響が大きい物質(化学物質)ですから、効果があれば必ず副作用や、試験で明らかにならなかったり見落とされる毒性もあります。また、動物実験であれ臨床試験であれ、安全性試験というのはごく限られた試験項目に過ぎません。その中では、種差や試験の条件によって明らかにならない毒性もあるでしょうし、そもそも現在考えられている試験項目では検出できない毒性もあるかもしれません。それらの限られた試験項目をクリアしたからと言って、本当は安全性が証明される訳ではないのです。
 新薬の圧倒的多数は、「改良型新薬」と呼ばれ、既存の医薬品のごく一部を改良(部分的には改悪)したもので、全く新しい効果があるような「画期的新薬」はごく少数です。
 なぜ「改良型新薬」がたくさん生まれるかと言えば、製薬会社の言い分は、少しでも良いものを社会に届けたい、ということになるでしょうが、実は利益追求が背景にあります。(既存の薬はどんどん薬価が下がっていく)
 極端に(わかりやすく)言えば、製薬会社の利益のために、必要性が低く、安全性が証明された訳ではない「新薬」を使うのと、長年多くの人に使われて効果も安全性も実績のある「旧薬」を使うのと、どちらがいいのか、ということです。その一つの答えとして、Q&A7は書かれています。
 重要なのは、新薬の審査に際しては、(限られた試験項目で)効果や安全性については審査されていますが、その薬が本当に社会にとって「必要不可欠」なのかはほとんど審査されていないということです。逆に言えば、効果や安全性についての既定の項目をクリアさえすれば、社会的な必要性がそれほどなくても審査は通ってしまうということです。
 確かに「旧薬」もある時期に動物実験や臨床試験を経て作られています。しかし、「新たな動物実験」が必要になるのは「新薬」です。もしもある「新薬」が、社会的にほとんど必要性がないものだったとしたら、そのために行われた動物実験(臨床試験も)は当然必要性がなかったということになります。動物実験が役に立っているかどうか以前の問題です。
 もちろん全ての「新薬」に必要性がないとは言いませんが、新薬の開発に膨大な動物の犠牲(国民の医療費や税金も)が伴うことを考えれば、今の新薬承認制度や「新薬」重視の社会制度は見直し、改められるべきでしょう。
 新薬の薬害や副作用で苦しむ人たちの何割かは、「旧薬」でも対応できたかもしれません。動物実験がなければ、今のような新薬開発は難しくなるかもしれません。しかし逆に言えば、動物実験が必要性の低い新薬(医薬品に限らず、農薬や食品添加物なども)を氾濫させる口実になっているとも考えられます。そのために、本来必要のなかった薬害や副作用で苦しんでる人たちがいるとすればどうでしょう?
 また、アメリカの規制当局(FDA:食品医薬品局)の調べでは、動物実験で安全性と有効性が確かめられた医薬品の92%がヒトの臨床試験をパスしなかった(安全性または有効性が認められなかった)というデータもあります。
 このように、一般にイメージで考えられているほど、動物実験の効果(ヒトへの外挿性)は高くない、ということも知っておく必要があります。
 動物実験が「必要不可欠」かどうかは、動物の犠牲や社会的なコスト(税金や動物実験がミスリードする薬害も含む)、動物実験の効果(ヒトへの外挿性、予測率)と、得られる利益との兼ね合い(以上@)、および動物実験(により得られると考えられる利益)を他の方法(狭義および広義の代替法)で置き換えることのできる可能性(A)を考慮して決まるものだと思います。
 現在の社会、特に日本では、@が十分に明らかになっているとは言えず、さらにAの可能性が否定できないことから、動物実験が「必要不可欠」と断定することはできないと考えています。
 以上を含め、動物実験についての基本的な考え方(および「広義の代替法」)については以下の記事を参照してください。

「動物実験って何だろう?」
http://www.alive-net.net/animal-experiments/about-experiments_alive116.html





 
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