EU（ヨーロッパ連合）における動物福祉

畜産動物の保護のための欧州協定

　NO.87（1976年3月10日）

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　本協定は、畜産目的で飼育される動物、とくに、現代的な集中畜産方式での動物保護の一般条項を採択する必要があるとの認識により、策定されたものである。

食料、羊毛、皮革、毛皮、その他畜産目的に用いられる動物の飼育、ケア、収容について定めている。

主な条項をあげる：

・動物の収容、給餌・給水、ケアは、その「生理的・行動的」（身体的・行動的）欲求にかなった方式で行うこと。

・動物の自由な動きを、不必要な苦しみをもたらすようなやり方で制約してはならない。

・動物を収容する場所の照明、温度、湿度、通風、換気その他の環境は、生理的・行動的欲求をみたすように制御されなければならない。

・いかなる動物にも、不必要な苦しみをもたらすようなやり方で飼料や液体を給与してはならない。

・動物の体調と健康状態は、苦しみを避けるのに十分な間隔で、徹底して検査しなければならず、集約方式では少くとも1日1回の検査を実施しなければならない。

・集約方式で使用する装置は、少なくとも1日1回は徹底して検査しなければならず、欠陥がみつかったらそれを修復するか、もしくは動物の福祉を確保できる適切な一時的措置を講じなければならない。

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畜産動物の保護のための欧州協定
の修正に関する議定書

NO.145（1992年2月6日）

　この議定書は、特定の畜産技術、とくに遺伝子工学と、畜産施設における動物の殺処分に対し、協定の規定がおよぶようにしたものである。この修正により、畜産分野での新たな展開を視野にいれた若干の条項が協定に追加された。主なものをあげる：

・動物に苦しみをもたらす恐れのある人工的ないし自然の繁殖技術の禁止。

・動物の「表現型もしくは遺伝子型」が、その健康や福祉に有害な影響をもたらす

（すなわち、身体もしくは行動の改変が有害なものとなる）恐れがある動物を、畜産目的で飼育しないこと。

・科学研究もしくは十分な経験から、動物の健康や福祉に無害であることが証明されていない物質の投与禁止（「治療もしくは予防目的」で（つまり、疾病の治療や予防のために）投与されるものは除く）。

・畜産施設における動物の殺処分は、資格のある者が行い、その動物や他の動物に苦痛や苦悶を引き起こさないようにしなければならない。

　畜産協定のもとに、さらに詳細な勧告も出されている。対象動物は、豚、gallus gallus（セキショクヤケイ：鶏の原種）種の家禽、それ以外の家禽、牛、毛皮動物、羊、山羊である。

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ALIVE資料集　No.5　海外の動物保護法　EU編より

ＥＵの動物福祉法の詳細については、こちらをご覧下さい。