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〜日本とEUイギリスの有機畜産とアニマルウェルフェア〜
2002年11月30日、東京都内の会場で、以下のような趣旨で、畜産動物の福祉を考えるシンポジウムが開催されました。(主催:ファームアニマルウェルフェア・イニシアティブ)
今、食の安全性や食品の表示、流通、生産についての不安や疑念がたいへん高まっています。 昨年のBSE(狂牛病)の発生以降も、大手企業による偽装食品、無許可農薬汚染、遺伝子組み替え食品の混入などの事件が次々と起こり、もはや何を信じていいのかわからない状態です。
このような出来事の背後には、私たちが食に関わる生産の現場から切り離され、人の食べ物となる動植物が、どこで、どのような飼育栽培されているのか、ブラックボックスのように目に見えない存在になっていることがあります。
特に、近代畜産においては、動物の飼育方法から派生する様々な問題はほとんど一般に知られていません。ひたすら経済効率至上主義の課題を押しつけた結果、畜産動物たちは、不自然な人工的餌を与えられ、身動きもできないような狭い場所で飼育され、その結果として病気におかされるようになります。
近代畜産を極限まで開発してきたヨーロッパでは、その弊害もまた早くから認識されるようになり、狂牛病の発生を機に、EUの畜産動物の飼育基準は大きく変わり、有機畜産の定義の中に、動物の福祉が含まれることになりました。また、消費者の要求を受けて、動物の福祉の向上をはかる有機畜産には、政府の補助金が付き、大幅に市場を拡大しつつあります。 今回のシンポジウムでは、イギリスでファーム・アニマル・ウェルフェアを最も先進的に取り組んでいる有機畜産農場の実践者・経営者であるチャールズ・マクリーン氏をお招きしてお話いただきました。
また、EUの中に設置されているアニマル・ウェルフェアのためのユーログループに参加している世界動物保護協会(WSPA)畜産動物福祉部門のフィリップ・リンベリー氏に、EUにおける動物福祉の方針と戦略について語っていただきました。
日本では、家畜行動学の観点からみた動物福祉研究に長年取り組んでこられた佐藤衆介氏が、日本の畜産における家畜福祉の現状と今後の課題を講演されました。
■座長:松木洋一(日本獣医畜産大学) ■基調講演: 1、ヨーロッパにおける畜産動物のアニマルウェルフェアの現状と対策:: Philip Lymbery(WSPA:世界動物保護協会) 2、Sheep Drove Organic Farmの有機畜産とアニマルウェルフェア: Charles D. MacLean(Sheep Drove Organic Farm) 3、ファームアニマルウェルフェアへの日本の対応:佐藤衆介(畜産草地研究所)
■コメンテーター報告: 日本とEUの有機畜産の比較 永松美希(日本獣医畜産大学) 放牧酪農とファームアニマルウェルフェア 中洞正(中洞牧場) 全農安心システムと畜産動物の健康 原 耕造(全農) 市民から見た現代畜産における動物福祉の問題 野上ふさ子(地球生物会議ALIVE)
■パネルディスカッション
■主催:ファームアニマルウェルフェア・イニシアチブ ■連絡先:日本獣医畜産大学・動物科学科・食料自然管理経済学教室 E-mail Address: myoichi@interlink.or.jp
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