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動物の生命操作と生命倫理

 最近、生命倫理に関わるさまざまな問題が社会的に起こっています。このことは、生命に関わる問題は、科学や技術では判断できない、あるいは科学・技術で判断してはいけないのだということを現しています。この半年ほどの間に報道された主な事件を上げてみます。


1.脳死・臓器移植

 脳死の概念は、臓器移植の需要から生まれました。臓器移植には、若くて新鮮な臓器が必要です。そして脳死は、交通事故などで、心臓は動いているのに脳の機能が働くなった状態をもって「この人は死んだ」と認定してしまうことです。臓器移植の要求がなければ、脳死を法律で定めるというような事態も起こらなかったでしょう。人間の「死」の定義を変えるようなことを、一部の国会議員の判断で決めてよいものでしょうか。すでに衆議院で臓器移植法案が通過し、この6月には参議院で採択の見込みです。

 また、人体を機械の部品のようにみなして、「悪くなったら取り替えれば良い」とする発想も問題です。このような部品交換技術の向上のためにおびただしい動物実験が行われ、また人体実験が続いているのです。すでに先進国の病気の大部分は、食生活やストレスなどライフスタイルに起因するものです。臓器移植は部品交換という対症療法であり、根本的治療にはなりえません。


2.遺伝子組み替え作物

 最近、政府は遺伝子組み替え作物の輸入を決定しました。人為的に遺伝子が変えられた食品を人や動物が食べた場合に、どのような影響がでるかはまったくわかりません。今度何世代かにわたって生体実験が続けられることになりそうです。また問題なのは、組み替え作物・食品には何の表示も為されないために、そのような食品を食べたくないという人々に選択権がないということです。

 しかも組み替え作物を販売するのは特定の大きな農薬会社です。もし世界的に気候変動が起こった場合に、このような単一的な栽培植物は一気に打撃を受けることになり、食料需給の点からもたいへん危険な状態になります。

 遺伝子組み替えは植物だけではなく、動物に対しても行われています。特に畜産動物に対して経済効率のみを追求して、たくさんの乳を出させるとか、極端に肥満体にさせるような操作を遺伝子レベルで加えます。本来の姿に反した動物が人為的に作り出されたとき、先天的な病気や障害を持つ恐れがあります。

 しかも、人間には、他の生命の進化の歴史を変えることが許されているのか、また予期できない病気や障害が起こった場合に誰が責任を取るのか等の根本的論議がまったくなされていないのです。


3.クローン技術

 クローン技術は、人間に経済的利益をもたらすと思われる動植物を大量生産しようという発想から生まれました。例えばよく肉が取れる牛ができたら、それとまったく同じ牛をクローンで大量生産していこうというものです。畜産の分野では歯止めがなく行われようとしています。また、臓器移植の歳にクローンで作られた細胞を使うことが試みられています。(詳しくはALIVE No.13)


4.遺伝子治療

 ある特定の遺伝子が欠損している場合、外からその遺伝子を入れようというものです。これも動物実験で特定の遺伝子を欠落させたモデル動物を作り出し、それに遺伝子を入れてみようという実験を繰り返しています。ほとんど研究者たちの知的的好奇心によるものと思われる研究が少なくありません。


5.脳神経科学

 人体の秘密を解く、その最後のフロンティアが脳だということになっています。その解明は科学者の好奇心をいたく刺激するもののようです。

 今年、国は脳研究に150億円もの予算を付けました。これはすべて国民の税金から出されているのです。150億円というのは半端な数字ではありません。ちなみに研究側は年1000億円、20年間の予算を要求していました。それでも今年、一気にこれまでの10倍以上の予算が付きました。大義名分としては、アルツハイマーや情緒障害の研究をするということになっています。けれども、脳を支配するということは人間を支配するということにつながり、研究の情報公開や事前審査も為されないことはたいへん問題です。


6.生命倫理

 このように、生命を操作することの倫理的問題に対して、私達は真剣に考えなければならない時代になっています。倫理は人間の心身に対するものばかりではなく、動物、植物、地球環境全体のエコロジーに対して人間が加えている様々な実験的研究に対しても検討されなければなりません。

 現在、臓器移植でも遺伝子組み替えでも、「人体実験はノー、動物実験はOK」というのが主流の考えです。けれども、すべての生命は遺伝子レベルで起源を同じくしており、すべての生命はエコロジー的に関係しあっています。

 どの問題も私達の日常生活に深く関わっています。例えば、遺伝子組み替え食品は毎日の食生活に関係し、もし交通事故になった場合には、脳死・臓器移植の問題が起こります。自分や家族が病気になったらどのような治療を受けるべきか、あるいは日頃からどのようなライフスタイルを選択するべきか、本当によそ事ではありません。

 これからも生命操作の問題には、市民の立場から取り組んでいく必要があると思います。

(1997/7-8 「ALIVE」No.14/15)


 
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