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パブリックコメントに以下の意見を送りました。 2003年12月19日 地球生物会議 ALIVE
今回、都がこの基本計画を立案実行されることを高く評価し賛意を表します。その上で、これが総合基本計画と銘打ちながら、動物保護の点で著しくバランスを欠いていることから、ぜひ以下の事項の導入について再検討いただきたくお願いいたします。
1,動物の定義について
現行動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動愛法)では、法律の対象動物を牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこなどの他、人の占有するほ乳類、鳥類、爬虫類としています。しかし、本計画案では、動物とはあたかも犬と猫のみであるかのような扱いとなっています。動愛法においても、家庭動物、展示動物、実験動物、産業動物についてそれぞれ基準が定められ、かつその改定作業が進められています。動物愛護と名付けている以上、愛護動物の定義にある動物すべての取り扱いに関しても配慮しなければ、総合基本計画の名に値しないのではないでしょうか。
2,動物取扱業の規制強化を
1999年の法改正で動物虐待や遺棄については法律で罰則が強化されていますが、虐待の定義がないために個人、業者をとわず劣悪飼育についてはほとんど何の対処もできない状態です。多頭飼育の個人、業者における劣悪な飼育状況も依然として改善されることがなく、行政による指導には大きな限界にあります。
特に、種々の動物を多数取り扱い展示販売する動物取扱業者については社会的責任を課すべきと考えます。その前提として動物取り扱い業者を許可制とし、動物福祉の観点から、動物の習性や生態に適った飼育方法の基準を制定し、明らかに基準に反している業者を営業停止にすることができるような制度を設ける必要があります。
さらに、「乗馬クラブ」「観光牧場」「実験動物施設」等、届出の除外とされているものの、今後条例で動物取扱業に含めることが可能な業種についても継続的に検討するべきと考えます。
2,特定動物(危険動物)の飼養許可に実験施設を含める
東京都では、中型のサルなど特定動物の飼養施設を許可制とし、個体登録制を義務づけています。これは全国に先駆けた制度で高く評価されるものですが、一部適用除外されている施設があるのは問題です。すなわち、国公立の施設(動物園など)、および大学の医学部の実験動物については、特定動物の飼養許可と個体登録をしなくてもよいとしていることで、この適用除外をなくすよう条例を改正すべきです。大量に危険動物を飼育している施設はまさにこれらの施設であり、危険動物の飼育実態を把握するという観点から、行政がこれらの基本情報を収集し得るためには、これらの施設を適用除外から除く必要があります。都民として、どこの施設にどんな種の動物が何頭飼育されているのかを知る術さえないのは、地震災害の発生や生活安全の観点からも問題です。
3,実験動物施設の届け出制の導入を
今回の基本計画では感染症に関する対策が重要事項の一つとなっています。危険なウイルスや病原菌を取り扱って施設はまさに実験動物施設であり、そこで働く人々が最も感染の危険度が高くなります。また大学の医学部には一般外来の病院も併設されており、不特定多数の人々が出入りする場所でもあります。実験動物施設は現行法でも届出の対象から除外されていますが、兵庫県のように条例で届け出制としている自治体もあります、この機会に都でも少なくとも、どこにどような実験施設が存在するのか、どのような種の実験動物が何匹、主してどのような研究目的で飼育されているのか、その実態を把握できるように、これを届け出制とすることを検討に含めていただきたく存じます。実験動物も愛護動物であり、法や条例によって虐待から保護されていることは言うまでもありません。
4,産業動物(畜産農業動物)の福祉を
本計画案では、産業動物については、衛生上の問題があげられているのみで、愛護に関する言及は一言もありません。これをバランスを欠いています。国際的に、畜産動物の健康と福祉の向上が、食品の安全性や環境の保全と深く結びついていることが指摘され、EUのように畜産動物の福祉基準を定めている国々もあります。畜産動物も愛護動物であり、法律や条例で保護されている対象動物であることをあわせて明記しておくべきと考えます。
5,動物愛護推進員の業務を多面的に
当会では2002年7月12日付けで、都に「動物愛護行政の実効性を高めるための措置についての提案」を提言いたしました。その内容が相当部分取り入れられていることを高く評価いたします。しかし、対象動物は犬猫に限らず、人と動物との関わりが多様化しており社会福祉的な対応も必要となっていることなどから、業務の内容もそれに対応したものにする必要があることも提言しております。 愛護推進員の業務としては、犬、ねこ等の家庭動物の適正飼養、および公共施設の動物飼育に関する助言と支援に加えて、各種動物取り扱い業や、特定動物等の飼育保管に関する助言、および動物虐待における人と動物の両面に対処できる専門的知識と経験をそなえた人を採用していくことも合わせて記していただきたく存じます。
6,生命の尊重と生態系の保全に関して
法律・条例の対象外とされている両生類、熱帯魚や昆虫類、サソリ、毒グモなどの有毒動物までがペットショップ等で販売されています。野生から捕獲されることによって種の絶滅や生息地の破壊を引き起こしたり、飼育困難のために死なせるか遺棄されてしまうという問題が発生しています。飼育動物全般に関して、適切な飼育のみならず、生命の尊重と生態系の保全の観点も含めて啓発普及を行うべきと考えます。
以上
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