ALIVE News No.93 2010.7-8
この６月から、動物愛護法の改正に向けて環境省による検討作業が始まることになりました。見直しを検討する内容がたいへん多く多岐に渡るため、テーマごとに毎月１回程度。計15回程度の委員会で検討し、２０１２年の通常国会に改正案がかかる見込みとのことです。
ＡＬＩＶＥでは２００５年の改正には約15万名の「動物愛護法の法改正を求める請願署名」を提出し、２００９年にも10万名を越える「動物虐待への対策強化を求める請願署名」を集めて提出しました。これまで多くの人々が署名等で請願してきたものの未だ実現していない項目は、次のような内容です。私たちもこの内容をもう一度思い起こし、次の改正にはきっと実現するように、皆で取組んでいきましょう。
１、動物虐待の定義の明確化及び罰則を引き上げる
・虐待の事例を集め、警察対処できるように基準を制定する。
・動物虐待の罰則を、器物損壊罪と同等以上にし、また、業者の罰金額を引き上げる。
２、犬猫の殺処分から、一時保護への転換をはかる
・行政の犬猫等の収容施設を、殺処分から一時保護施設（シェルター）に転換していく。
・行政の収容施設の運営基準を設けるとともに、地域格差の解消を図る。
・苦痛のない致死処分方法に転換する。
・犬猫の譲渡に関し民間の愛護団体等との連携・協力関係を構築する。
３、適正飼養と動物福祉の向上をはかる
・すべての飼育動物の福祉の向上をはかる。
・繁殖制限の推進及び多頭飼育の規制。
・闘犬等の禁止
・危険犬、危険動物の飼育禁止など。
４．動物の繁殖・販売業者に対する規制を強化する
・動物繁殖・販売業を許可制とし、乱脈で過剰な繁殖による遺棄・殺処分を防止する。
・両生類、鑑賞魚等の取扱業も規制の対象とする。
・繁殖・販売業者の遵守基準を強化する。
（基準の改正・強化）
・生後８週齢未満の犬猫の流通、店頭販売を規制（禁止）する。
・動物の展示販売時間（夜８時以降の展示及び長時間展示）等を禁止する。
・犬猫の繁殖施設の場合、飼育担当者１名あたりの飼育可能な頭数に制限する。
・飼育怠慢（衰弱・餓死等）、悪臭・騒音等周辺環境の悪化を改善しない業者の営業停止を容易にする。
５、動物実験の３Ｒ（苦痛の軽減、使用数の削減、代替法）を責務とする
・３Ｒを努力目標から義務化し、その実効性を確保する。
・動物の保護及び周辺環境保全の観点等から実験施設及び実験動物繁殖販売業者を登録制とする。
・動物実験倫理委員会を設け、一般市民が委員会に参加できるようにする。
（※ＥＵ，アメリカ、韓国などの法制度にならう）
６、畜産動物の福祉を向上させる
・産業動物の福祉の推進を明記する。
・産業動物の飼養保管基準を、国際的基準に合致するように速やかに改訂する。
・動物福祉の原則「５つの自由」を、すべての飼育管理者に周知徹底させる。
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