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会報『ALIVE』の発行

動物・環境にやさしいライフスタイルの提案、活動に関する呼びかけや情報提供を行うために、ALIVEでは、会員の皆様に年2回、会報『ALIVE』をおとどけしています。
 
会報「ALIVE」 116号の概要と要約


以下は記事の要約です。記事の全文をお読みになりたい場合は、オンラインショップにて本会報誌をお買い求め下さいますようお願い申し上げます。バックナンバーもお買いお求めいただけます。

※会報「ALIVE」の定期購読をご希望の皆様の当会へのご入会を心よりお願い申し上げます。




会報「ALIVE」 116号 (2015.10.01発行)


法の適切な運用と規制強化に向けて―。


■ コンテンツ


【Topics Now】
・巻頭言


【動物保護法】
・条例改定の前にまず現場への支援体制を!
 ~「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正(案)」へ意見を提出~


・学校飼育推進にストップ!
 ~「茨城県動物愛護管理推進計画(改定案)」へ意見を提出~



【動物取扱業】
・<特集>東京昭島市の劣悪ペットショップを取り巻く問題と今後の課題

・アジア最大のペット総合イベント「ALL JAPAN PET EXPO IN TOKYO」②
 「2015ジャパンペットフェア」にみる生体展示と第一種動物取扱業カンタン一括登録申請の問題点



【家庭動物】
・ペット業界の「今」とは
 ~インターペット ビジネス・フォーラム報告~


・「犬猫殺処分ゼロを目指す議員連盟」の総会 参加報告


【展示動物】
・円山動物園のマレーグマ「ウッチー」の死亡事故について


【実験動物】
・動物実験って何だろう?


【特定動物】
・「オオカミ犬」を考える


【海外事情】
・アメリカにおける動物の安楽死③


【実験動物】
・北里大学獣医学部へ質問/要望書提出(牛の無麻酔放血殺)


【ライフスタイル】
・心を癒す花療法
・読む・見る・聞く
・ライフスタイル見直しKnow How
・森の生活66


【海外ニュース】


【全国ネット活動】


【事務局便り】


【お知らせ】




【Topics Now/巻頭言】

巻頭言

 「日本奥地紀行」をご存知だろうか。英国人女性イザベラ・バード氏が1878年に東北から北海道にかけて旅し、日本人の生活や文化、風景を描写していく旅行記なのだが、外国人の目に映る当時の日本の様子が克明に描かれていて興味深い。現代とは別世界で、わずか百数十年ばかりでの激変ぶりには驚くばかりだ。
 旅の行く先々で馬を乗り換えることになるため馬の記述も多くあるが、扱いにくい当時の馬たちに対して、東北では日本人が怒ったり、叩いたり、鞭を当てたり、まして虐待するようなことを目にしない。犬は人間の家族の様であり痩せてはいてもみな穏やかである。肉食は全般的に嫌われており、バード氏は鶏を手に入れるのに苦労し、時には食べるのではなく卵を取るためと嘘もつく。
 動物たちを大々的に利用する社会構造は現代では当たり前となっているが、実は近年急速に構築されたものである。私は、近い将来必ず行き過ぎた科学は再考されると思っているのだが、金儲け優先で動物をモノとしかみなさずに商業利用する現在の動物の取り扱いは、最も愚かな行為として断罪されるのではないだろうか。
 私たち日本人のDNAに刻まれた生命観、動物に対する倫理観は取り戻せるのだろうか―?


⇒ ◆ALIVEの巻頭言



【動物保護法】

条例改定の前にまず現場への支援体制を!
~「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正(案)」へ意見を提出~



 条例で行政が認定する以外の野良猫への餌やりを禁止することで話題になった京都市に続いて、今度は和歌山県において自身の飼い猫以外への餌やりを原則禁止する方向で条例が改定されることとなりました。


■ これまでの経緯

 2014年12月、京都市が市の実施する「まちねこ活動」以外の餌やりを禁止するような条例を新たに制定することを発表しました。ボランティアで現場に携わる個人・団体などから多くの反対や見直しを求める声があがりましたが、条例の名前を「京都市動物との共生に向けたマナー等に関する条例」に変更し、2015年7月1日から施行されました。
 その後、和歌山県が野良猫に関する苦情が後を絶たないことを受けて、都道府県レベルで初めて同様の条例を制定することを公表、当会からは主に以下のような意見を提出しています。 ( 意見の理由につきましては、会報116号をご覧ください。)


◎ 和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正(案)への意見

① 地域猫対策が広く県民に活用されるように、本骨子案④の「地域猫対策を行う者の遵守事項」の見直しを行い、条件緩和などを行うべきである。 また、現在、県として野良猫対策に対し助成金交付(不妊去勢手術負担など)を実施していないようであるが、県民の負担を抑え、より活動しやすい環境を整備するために、地域猫対策の支援の項目を条例に盛り込むべきである。

② 「無秩序な餌やり行為」によって野良猫が増えたかのような印象を受けるおそれがあるため、本骨子案の前文に「飼い主のいない猫」の根本的な発生原因について記載しておくべきである。

③ 地域猫対策に属さない個人ボランティア等によって適切な管理の下で行われる餌やりについては、 「無秩序な餌やり行為」に該当しないと明確にわかる文言を記載すべきである。

④ 条例改正にあたって、多頭飼育届出制を盛り込むべきである。

⑤ 野生動物に対する餌やり行為の原則禁止について盛り込むべきである。





【動物保護法】

学校飼育推進にストップ!
~「茨城県動物愛護管理推進計画(改定案)」へ意見を提出~



 「茨城県動物愛護管理推進計画(改定案)」についての意見募集が、7月3日から8月1日まで実施されました。公表された茨城県の推進計画の内容は、他の自治体と比べて、「学校教育との連携」をより強く掲げ、学校飼育の必要性を説いており、なかには「学校獣医師の設置が望まれるところです。」などという文言も見受けられました。しかし、学校飼育は動物福祉を確保することが極めて困難であり、子どもに間違った認識を与えてしまう可能性もあります。この学校飼育に焦点をあて、当会が提出した意見の概要をご報告いたします。詳しくは会報116号をご覧ください。

■ 学校飼育の推進にストップ!ALIVEの提出意見の概要

① 学校獣医師の設置や学校飼育動物の飼養について
 改定案に記載された「学校獣医師の設置」は法的根拠がなく、過去の実効性もさだかではないため削除すべきです。学校飼育動物は、その管理者が家庭動物等飼養保管基準に基づき適切に飼養することが義務づけられており、基準を遵守できない場合は飼育すべきではありません。

② 動物ふれあい教室について
 「動物ふれあい教室」には様々な問題報告が寄せられており、推進・対象拡大は行うべきではないと考えます。獣医師や動物愛護推進員でも動物福祉を前提とした動物介在活動が行えるとは限らず、その種に対する間違った理解や関係性を教えてしまうことになりかねません。命の大切さを学ぶことが目的であるならば動物を使わずとも可能であることから「動物を使わない動物愛護教育」の導入検討について記載すべきです。

③ 学校飼育動物の飼育支援体制の構築について
 動物を飼育している学校の多くは充分な飼育予算がなく、様々な課題を抱えており、抜本的な改善は期待できません。動物愛護管理法を所管する行政職員が家庭動物等の飼養及び保管の基準等に基づき必要な指導を行う旨、改定案に記載すべきです。

④ 災害対策について
 大規模災害のみならず、ひとたび台風や豪雨などの自然災害が発生すれば多くの学校等が休校となり、学校飼育動物が取り残されることもあります。動物愛護管理法をはじめ、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準等の関係法令の周知徹底を図るべきです。





【動物取扱業】

<特集>東京昭島市の劣悪ペットショップを取り巻く問題と今後の課題


 過去37回もの行政指導を受けるも改善がなされず、2015年4月に東京都福祉保健局から業務停止命令が出された昭島市のペットショップの実態が報じられたのは記憶に新しい。
 しかしその後、第三者に犬猫を譲り渡す等の指導により、最終的に販売目的の犬猫の数を0にして犬猫等販売業を廃止、違法事項が改善されたとして「犬猫以外の動物」の販売業等を再開した事実は、関係者に誤ったメッセージを送ることにならないか―。
(動物の健康と安全の保持上の問題等について指導・改善させることが重要なのであり、販売動物をペット(家庭動物)に移行することを認めたり、第三者に譲り渡す等して頭数削減を図ることは改善対象とすべき事象の損失を招きかねず、法が適切に運用されないおそれもある。本件にかかわる行政文書(平成26年7月に行政の動物監視員発出の注意指導書)には、「不適が認められた事項」として33にわたる該当事項があり、第5条2号「ニ 動物が疾病にかかり、又は障害を負った場合には、速やかに必要な処置を行うとともに、必要に応じて獣医師による治療を受けさせること。」も含まれているのである。)
 そう懸念する私達にむけて、この問題に精力的に取り組まれてきた東京都議会議員の塩村あやかさんが、行政処分までの経緯を綴ってくださいました。

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会報「ALIVE」116号の特集記事として塩村あやか都議よりご寄稿いただいた本稿は、 朝日新聞社が運営するペット情報発信サイト「Sippo」に掲載頂いておりますので、以下より全文お読み頂くことができます。

◎ 東京都内の劣悪ペットショップを取り巻く問題と今後の課題 (朝日新聞社「Sippo」)
  http://sippolife.jp/issue/2015110400003.html





【動物取扱業】

アジア最大のペット総合イベント「ALL JAPAN PET EXPO IN TOKYO」 ②
「2015ジャパンペットフェア」にみる
生体展示と第一種動物取扱業カンタン一括登録申請の問題点



 2015年4月2日~5日までの4日間、東京ビッグサイトにて、アジア最大のペット総合イベント「ALL JAPAN PET EXPO in TOKYO」が開催されました。
 会報115号でレポートした「インターペット2015にみるペット産業の動向と戦略」に続き、 今回はジャパンペットフェア(http://www.jppma.or.jp/petfair/)に出展していた移動動物園等の実態と、第一種動物取扱業登録に関する問題を取り上げています。


大規模ペットイベントの一括登録

 ジャパンペットフェアは、日本ペット用品工業会が主催するイベントで、「見つけよう!ペットと暮らす喜びを」をテーマに今年は130もの企業出展がありましたが、ステージイベントに浅田美代子さん、さかなクンなどの芸能人が招かれたためか連日賑やかでした。
 確認対象の「ペットとのふれあいコーナー」は会場入口付近にあり、今年は6つの業者による生体展示が行われるとあって広いエリアが確保されていましたが、開催初日は動物が搬入されていない為、ケージほか飼養施設は完成していませんでした。しかし、第一種動物取扱業の登録申請に伴う立入検査はその状態で実施されたとのこと、実際に展示される動物の種類や体長・数を確認せずに、関係法令遵守や「施設の構造及び規模、設備の種類」などの詳細条件を満たしているか否かの検査が可能なのでしょうか。 (※東京都に第一種動物取扱業の登録を行っていない業者が東京都内で営業を行う場合、 規模にもよるといわれていますが、便宜上「1日を超えない範囲」の興行以外は登録手続きが必要。)
 大規模ペットイベントでは展示動物を所有する出展業者に代わって主催者(興行主)が業の登録申請を一括して行うことがありますが、それにより発生した問題をはじめ、展示動物の取り扱いと法令遵守状況について報告いたします。

(会報で取り上げた4業者のうち3業者を掲載、解説の一部を修正・補足してあります。)


■ ペットとのふれあいコーナー

◎ ミルク動物園(茨城県稲敷郡)

標識の掲示】当該業者の標識が掲示されていなかった。
【係員の人数】2名 学生ボランティア数名
【動物種と数】ヤギ(生後2か月)1、ウサギ3、モルモット5、デグー1、パンダマウス複数
【鳥種と数】ヒヨコ多数、ハト2、インコ大1、セキセイインコ6、文鳥2、カナリア2、十姉妹4

 「ミルク動物園」は、かつて「動物愛護フェスティバル神奈川2013」に出展した無登録業者に動物と登録標識を貸していたことが判明、行政が動物の移動状況などの追跡調査を行ったこともある移動動物園です。
 今回は哺乳類のみならず、小鳥までふれあいに供されており、羽を切って飛べないようにされた小鳥たちが鳥かごの上に置かれ、子ども達は思い思いに触っていました。 (危険を感じ、)せめて鳥カゴに入れてほしいと係員に交渉した直後、追い回したり掴んだりされていた十姉妹が床に落下した瞬間を目撃、当会調査員がすぐに拾いあげて係員に告げたところ係員が「大丈夫」と言い放ち、その後も子どもたちがパンダネズミを手のひらに山積みにして遊んだり、ひよこを鷲掴みにしても黙認していました。



・ラティスで囲われたスペースには犬猫以外の様々な哺乳類・鳥類が展示されていた。
・撮影時は開場間もない時間帯ゆえ通路に人はいなかったが、後に途切れぬ長蛇の列が。


羽切りされて飛べず、寄り添う十姉妹たち。
カゴの向こう側は3羽の白鳩が止まり木に…

カナリア、文鳥も触り放題になっていた。
奥には容器に入れられた多数のヒヨコが…


◎ 神奈川県横浜市内の移動動物園

標識の掲示】当該業者の標識が掲示されていなかった。
【係員の人数】2名
【動物種と数】ミーアキャット6、コツメカワウソ1、アルマジロ1、フレミッシュジャイアントウサギ4、コモンリスザル1、コウモリ1、
ハムスター、シマリス、ジャービル、ピグミーハリネズミ、ピグミーマウス複数

 「見て、ふれ合って、買える動物園」のキャッチコピーで有名なこの移動動物園同業者は、かつて実店舗における動物の飼養保管上の問題で地域市民から多くの苦情が相次ぎ、行政が立入りに入ったことが話題になりました。
 今回のイベントでは、複数頭のミーアキャットを展示(接触可)、アルマジロの抱っこなど、野生由来の動物をふれあいに利用していました。(違反行為ではありませんが、動物福祉、普及啓発の観点からみて問題はないのでしょうか?)


珍しいアルマジロは多くの来場者に人気があり
たらいまわしで抱かれていました。

隠れる場所もなく四方身透明のサークルに
終日入れられていたミーアキャットたち。


◎ 神奈川県内の小動物専門店

標識の掲示】当該業者の標識が掲示されていなかった。
係員の人数】0(終日不在)
【動物種と数】チンチラ3匹

 「ミルク動物園」の対面、会場通路側には2つのケージに灰色2匹のペアと白色1匹のチンチラ(齧歯目)が展示されていましたが、係員が終日不在であったこともあり、来場者がケージに指を入れるなどしていたときにチンチラ達が逃げ惑っていました。
 ケージの横にはこの業者のチラシが置いてありましたが、登録番号や責任者名の記載等がなく、同店のウェブサイト上でも確認できなかった為、行政に改善指導して頂きました。


人通り多い通路に展示されていたチンチラ。
(午前中に業者が持込み、その後終日不在)

隠れる場所がなく隅に逃げ込むチンチラ。
 


■ 東京都に報告…次回は「業者ごとの登録番号付与」と標識掲示義務の遵守

 多くの集客が見込まれるイベントに移動動物園業者などが出展するふれあいコーナーは、たとえ係員を配置していても「大幅な利用人数制限」を行われない限り展示動物のストレス軽減を図ることは困難です。移動動物園による出展をお控えいただくことが最善ですが、少なくとも「業者ごとの登録番号付与」と「標識掲示義務の遵守」は当然であることから、イベント終了後に下記の問題点について東京都に報告し、今後の対応について検討を求めました。

事業所名称、種別、登録番号などを記載した標識(識別章)が掲示されていなかった。
※主催者(申請者)に付与した登録番号その他の情報を記載した標識は会場のどこかに掲示されていたのでは?とのことでしたが、「ペットとのふれあいコーナー」周辺では確認されていない。(誰もが見える、わかりやすい場所には掲示されていなかった。)

◇ 一部業者において、展示動物の飼養保管基準がさだめる「その接触が十分な知識を有する者を配置又はその監督の下に」おこなわれていなかった。
※神奈川県内の小動物専門店は、無人状態でチンチラを展示していた。
※「ミルク動物園」は、羽切りした小鳥をふれあいに利用、落下事故も発生していた。

◇ 第一種動物取扱業の登録を行っていない企業ブースも生体展示を行っていた。
※移動動物園業者がディスプレイ用に貸出しをおこなっていた。


■ 登録簿が閲覧できない問題も

 ジャパンペットフェアに出展していた生体展示業者の登録情報閲覧が可能であるか東京都動物愛護相談センターに確認したところ、すでに廃業しているため公開できない、問い合わせにも応じられないとの事でした。
 これは以前から問題にされてきたことですが、動物愛護管理法により閲覧に供されることになっているにも関わらず、イベント開催期間中の平日に役所に出向くことができなければ、事業所名称、責任者名、種別、登録番号、展示動物の種類、頭数などの情報を知ることができない、土日休祭日に登録申請(及び廃業届の同時提出)している業者にいたっては、事実上、観覧ができないのです。


「1日を超えない範囲」の出稼ぎは登録・立入り不要!?移動展示業者の実態把握を

 本レポートでは、移動動物園業者の動物の取り扱いもさることながら、「イベント主催者が複数業者の書類をとりまとめて登録申請を行うと、主催者(申請者)に登録番号が付与されることから、各業者の名称、所在地、種別などを明記した標識が掲示されなくなる」という問題について取り上げましたが、移動販売・移動展示業者は他にも目を向けるべき問題があります。
 商業施設・住宅展示場などで見かける、移動動物園業者による「動物ふれあいコーナー」等のイベントは土日祝祭日などに開催されることが多いことから(役所の休みと重なる)、「1日を超えない範囲」の営業は、例外を除いて「開催地を管轄する行政への業の登録」が免除されていますが、これは法律・細目等に明文化されているわけではなく、環境省内達にすぎないものです。
 当日限りの興行のために仮設された展示施設等に行政職員が出向き、確認を行うことは現実として難しいという声もありますが、業に該当する行為を行う全ての事業者は動物愛護管理法により「営業場所を所轄する自治体」に、第一種動物取扱業の登録(細目規定を満たす施設の構造等が前提)をおこなうことが義務付けられています。そのため、

・営業日数による登録免除を排する(例外なく登録・立入りも行う)
・業の範囲を制限し、管轄区域外の営業は原則行わないとする。
・「短期間に移動を繰り返しながら仮設の施設等において」動物園動物又は触れ合い動物を展示する形態そのものを禁止する。


いずれかにするほうが公平であり法に適っています。
 さらに、無登録業者ではないことの確認、動物に充分な休養が確保されているか管轄自治体が移動展示・移動販売業者等の営業実態を把握するためにも情報共有の方法を検討する必要があるのではないでしょうか。

※食品衛生法においては、仮設営業を行う場合でも「営業場所を管轄する自治体」への許可申請を要し、許可の範囲も制限している自治体が多い。

仮設営業についてのパンフレット
http://www.city.sendai.jp/business/d/__icsFiles/afieldfile/2010/07/14/kasetsu.pdf

「自動車による食品関係営業許可についてのパンフレット
http://www.city.sendai.jp/kenkou/seikatsu/food/contents/pdf/kurumapanhu_27.8.pdf




【家庭動物】

~インターペット ビジネス・フォーラム報告~
ペット業界の「今」とは



 「インターペット」とは、今年で5年目を迎える日本最大級の国際ペット産業見本市で、異業種コラボレーションによりペットビジネスの裾野を広げる、人とペットの新たなライフスタイルの提案等をコンセプトに、2011年に初開催されています。当会は、2014年より、ペット産業界の動向と戦略にキャッチアップするために同イベントを訪れ、これまでにも会報「ALIVE」113号・115号でとりあげてまいりました。

 今年7月16日にも、「ペット産業の明るい未来をどのように具現化するか!?~メーカー、卸、小売、獣医クリニック、学校他は、今、何が出来るか~」というテーマのもと、インターペットのビジネス・フォーラムが、開催されました。会報[ALIVE]116号ではこのイベントから浮かび上がってきたペット産業界の「今」をとりあげています。詳しくは会報116号をご覧ください。

※なお、朝日新聞社が運営するペット情報発信サイト「Sippo」に本稿編集記事が掲載されております。
  http://sippolife.jp/issue/2015103000002.html


※2020年2月追記
朝日新聞社が運営するペット情報発信サイト「Sippo」に掲載頂いている当会の会報編集記事のうち、2015年7月16日に開催されたインターペット ビジネスフォーラムの実態を報じた本稿だけが削除されておりましたので、以下に全文掲載いたします。

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~インターペット ビジネス・フォーラム報告~
ペット業界の「今」とは


「ペット産業の明るい未来をどのように具現化するか!? ~メーカー、卸、小売、獣医 クリニック、学校他は、今、何が出来るか~」というテーマのもと、飼育のトレンドや 、「ペット産業の明るい未来をどのように具現化するか」という議題でパネルディスカッ ションが行われ、各業界の関係者が熱心に議論されていました。このイベントで浮かび上 がってきたペット産業界の「今」を簡略ながらご報告させていただきます。

■犬のみならず猫も飼育頭数減少傾向か、危機感を抱く業界
 これまで当会が数回にわたり行った調査により、ペット産業界は犬の飼育頭数の減少に 危機感を抱いていることがわかっていますが、このフォーラムでも、一般社団法人ペット フード協会の最新の調査(2014年)をもとにした説明があり、毎年、犬の飼育頭数が 減少しているという報告がなされました。
 また、猫の飼育頭数は2007年から変化がなく、横ばい-微増の傾向であったものの 、2007年から比べると子猫の飼育頭数が減っており、13歳以上の割合が高くなってい ることについて、少子高齢化の影響があると言及されています。犬と同様、このままでは 数年後から猫も飼育頭数の減少が始まるのではないか、と強い危機感を抱く業界の懸念が 感じられました。

■「学校での抱っこの機会」で一目惚れ!?飼育頭数を増やす業界戦略
 パネルディスカッションでは、獣医師・小売・学校・ペット用品などの業界関係者が登 壇し、直前になされた飼育頭数の減少について再び議論が始まりました。業界関係者の意 見はこれまで通り、

・高齢者と子どもに焦点を当てて、いかにこのターゲットに動物を飼育してもらうか
・どのように販路を拡大するか

という話題が中心となっていました。そのなかで、やはりここでも、

「もっと気軽に繁殖できるようにすべき」
「業界として、一目惚れ、抱っこする機会を増やすために、学校を含めて 考えなければならない」

などの具体的な発言があり、業界の方向性は変わっていないことが確認されました。
 「ペット産業のこれからについて」の議題においては、ペットの飼育頭数を増やすため に、人材育成や質の向上、異業種とのコラボレーション拡大、地域包括ケアシステムの構 築、などという話しがなされました。しかし、少子高齢化、人口減少、格差の拡大(貧困 問題)… 日本、そしてもっと小規模単位の地域社会は激変の時期を迎えています。
 こうしたなかで、動物に対してその福祉を保障し、「適正」に飼養できる一般家庭は限 られることが予想されますが、このようなペット業界の戦略は現状に即したものなのでし ょうか。業界が掲げる「ペットとの共生」の真の目的について、今後広く一般に周知を図 っていく必要がありそうです。

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※当会がレポートした インターペット ビジネスフォーラムの内容は事実です。
  ペット情報サイト「ペットトゥモロー」様でも同様のレポートを掲載されていますのでご案内いたします。

◎ペット業界の今を斬るインターペット ビジネス・フォーラム 1
  https://petomorrow.jp/news_dog/5489 より一部抜粋

「トークセッション開始直後、まずは森澤氏が『飼育頭数変化 犬』のデータに着目。「犬の数の減少が続いているというところは、非常に危機感を覚えました。そのなかでも子犬の数がすごく減っている」と現状についてコメント。

さらに続けて「全体として友達のところに子犬が生まれたとか、歩いてたらたまたま子犬と出会ったということが激減してしまったことが、子犬を飼うチャンスが少なくなったという要因になっているのかもしれない。じゃあ今から増やせますか?今から野良犬増やしましょうなんてこと言ってもなんの意味もない。拾うチャンスを増やすなんてことはできないですね。だとすると、業界としては、出会うチャンス、一目惚れする、抱っこする、といったことを意図的にどうやって増やしていくのか、供給のほうを強化するのと合わせて考えていくことが大事な手立てになると思います」と述べた。」




【家庭動物】

「犬猫殺処分ゼロを目指す議員連盟」の総会 参加報告


 犬猫の殺処分ゼロをめざす議員連盟(通称:ハッピーゼロ議連)は、今年2月に設立された超党派の議員連盟です。会長は尾辻秀久参議院議員(自民党)、事務局長は福島みずほ参議院議員(社民党)で、50名以上の国会議員の方々が名を連ねています。議員連盟の設立は今年ですが、昨年から設立準備会を開催するなど精力的に活動をされています。
 7月6日の総会は今後の議員連盟の活動方針を決めるため、動物問題の専門家や市民団体を招いて、それぞれが抱えている課題などをヒアリングし、意見交換や活動計画を話し合うために開催されました。この度、当会のこれまでの活動を評価していただき、爽快で行われるヒアリングにお声掛けを頂きました。

真に殺処分をなくすために

現場で活動されている方々による情報発信、新聞やテレビなどの報道など様々な形で犬猫殺処分問題が取り上げられ、犬猫の殺処分問題は多くの方々が知るところとなりました。しかし、未だに13万頭という膨大な数の犬猫が殺処分という悲しい末路を迎えています。また、「殺処分ゼロ」の言葉が独り歩きしている現状も見受けられるようになりました。こうした実情を鑑みた上で、当会は真に殺処分をなくしていくために総会で登壇し、下記の事項をお話しさせていただきました。
(要旨のみ掲載、詳細は会報116号をご覧ください。)

① 地域猫対策の推進、特に問題に取り組む方に対する公的支援
  (犬猫以外の動物についても対策を講じる必要がある)
② 迷子の犬を減らす更なる取り組みの推進
③ 一種動物取扱業者における「動物福祉の取り組み」の法制化

※他団体、有識者、現場ボランティアの方々からも、動物福祉が欠落しないような形で殺処分を減らしていくことを目指していくべき等のお話がありました。




【展示動物】

円山動物園のマレーグマ「ウッチー」の死亡事故について


 2015年7月25日、円山動物園において推定30歳以上の雌のマレーグマ「ウッチー」が死亡した件に関し、札幌市長と円山動物園長宛てに要望書を提出いたしました。

◎要望書の全文はこちらのページをご覧ください。

 ウッチーの死亡事故について、札幌市動物管理センター(以下:センター)は、円山動物園職員からの事情聴取や立入検査等を含む調査を行い、8月21日の記者会見で「円山動物園に改善勧告等を行った」旨を発表しました。
 改善勧告の内容は、「園内全ての動物に係る管理体制の見直し、必要人員の確保、計画やマニュアルの整備」「全職員への教育を改めて実施すること」「施設の総点検実施ならびに改善措置を講じること」等で、動物の健康や安全を保持しながら、“組織として”動物の適正飼養を行えるようにするためのものです。また、この勧告を受け、円山動物園は改善結果について9月30日までにセンターに報告することを求められています。
 また、センターは、改善勧告だけではなく、北海道警察へ情報提供を行ったことを明らかにしました。これは、動物愛護法第44条第2項の「負傷した動物の適切な保護を行わないこと」に該当する可能性が考えられるためです。(英断であると思いました。)
 ウッチーの死因は、病理解剖の結果、腸管の横隔膜ヘルニアであることが判明しました。ウメキチとの闘争の結果、肋骨が折れ、その肋骨が横隔膜を穿孔したのです。同居訓練の闘争の結果であることは、円山動物園も認めています。
 センターは、「同居訓練の実施にあたり、組織として十分な事前検討、情報共有、意思決定等が行われていなかったこと」を指摘しています。円山動物園の“組織として”の改善結果については、今後も注視していきたいと思います。

 今回の事案は、インターネット上での情報発信(特に動物園ウオッチャーの方々による)が、引き金となり、大きな話題となりました。しかし、話題にも改善にもつながることなく、問題事例を抱えながら営業している動物展示施設が全国にあることも忘れてはならないと思います。
 これまでも、全国各地にあるクマ牧場では、クマ同士の闘争による死亡事故が発生してきました。(最近では、2014年、熊本県のカドリードミニオン(旧・阿蘇クマ牧場)において、来園者の目の前で、餌の取り合いによるクマ同士の闘争により、クマが死亡しています。)また、人為的要因によると思われる展示動物の死亡事故は、他にも起きています。獣医師不在の展示施設も多くあります。
 ウッチーのご冥福を祈ると同時に、動物展示施設のあり方を根本的に見直す時期にきているのではないかと思いました。




【動物実験】

動物実験って何だろう?


詳細はこちらのページをご覧ください。





【動物実験】

北里大学獣医学部へ質問/要望書提出 (牛の無麻酔放血殺)


詳細はこちらのページをご覧ください。





【ライフスタイル】

心を癒す花療法 -「パイン」「ウィロー」

読む・見る・聞く ありがとう実験動物たち

ライフスタイル見直しKnow How - 香る栞でアニマルウェルフェア

森の生活66 -魚消費大国の責任




 

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