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 HOME > 野生動物 > 生物多様性 > 民主党・生物多様性基本法案への意見
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民主党・生物多様性基本法案の公表

ALIVE NEWS 2008年3月14日

  当会も加盟している「野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク」では、野生生物を個、種、生息地及び生態系へと繋がる包括的な保護制度を求めて活動してきましたが、このような環境保護・自然保護NGOの働きかけを受けて、民主党はマニフェストに野生生物保護基本法を制定することを公約しました。それが今回、生物多様性条約の履行という観点から、生物多様性保全を目的とする国内法を制定する必要があるという動きとなってきました。

 そしてこの1月中旬に、民主党「生物多様性基本法(仮称)」案が公表され、広く一般からの意見募集が行われました。議員立法で制定される法律は、国会で審議されることがほとんどないため、成立過程が不透明です。この生物多様性基本法案については、立法化にあたりパブリックコメントを実施したことは評価できます。そして、意見がある程度反映された法案となって公表されています。

 しかし、先進諸国では、パブリックコメントはただ1回ではなく、反映した法案を再度公表して何回もコンサルテーションを行い、数年がかりで法案を練り上げていくといわれます。日本の多様性に富んだ豊かな自然を守るために活動している全国の人々の声がじゅうぶんに汲み上げられるような形で、この法律が成立し、そして有効に機能してほしいものです。



「民主党・生物多様性基本法案(仮称)」に対する意見

2008年2月14日
地球生物会議ALIVE 代表 野上ふさ子

 

はじめに

 生物多様性を確保することを目的とした法律が制定されることは非常に意義のあることであり、立法化に取り組まれたことを高く評価いたします。この法の制定により、引き続き、野生生物の保護制の整備や強化がなされることを期待しております。
 しかし、本案では「生物多様性の保全及び持続可能な利用」という表現が随所に使われており、大きな違和感を覚えます。生物多様性の確保はすべての生命の存続の土台であり、それに基づいてのみ利用が可能になるのですから、生物多様性の保全は上位概念であり、持続可能な利用は従属概念です。このように並列概念として記述することは誤っているばかりか、一般社会に対して、生物多様性の保全とは即ち持続的に利用することだという誤解を与え、逆に利用したことのない生物、あるいは利用すべきではない生物までもが利用の対象とされるおそれがでてきます。
 現状は、このまま生態系を破壊し生物多様性を喪失させていった場合、やがて人類自身も生存が困難になるという認識に基づいて、いかに利用を制限するべきかを課題としなければならないところまできていると思います。とすれば、むしろ利用を制限することが示されるべきだと考えます。
 「持続可能な利用」の文言は各条文において可能な限り削除していただき、これを用いる場合は、生態系の破壊や生物多様性の喪失を防止するために、一定の制限を設ける利用の仕方であることがわ かるように表現を改めていただきたいと思います。
※ 「保全」の中には利用概念が含まれていることから、さらに利用を併記することは「利用」をことさら強調することになる。


<該当箇所>P.1
(前文)

<意見>
 生物多様性を理解する上で、生物の進化という縦軸と、生物間の共生という横軸についての概念を書き込んでいただきたいと思います。
 生物多様性は地球上に生命が誕生して以来数十億年の時間の中で形成されており、われわれ人類もまた生物種の一員として、生物多様性なくして生存が不可能であるが故に、生物の多様性それ自体にかけがえのない価値があります。
 また、どの生物も物質循環や食物連鎖等を通して共存共生しており、その絶妙なバランスの上に生態的な安定がもたらされており、これを無秩序に破壊、かく乱することは、食料資源の減少や感染症のまんえんなどを引き起こすおそれがあります。生物の多様性の確保は、安全な食の確保や感染症の予防の観点からも不可欠なものです。


<該当箇所>P.1
第一 総則 二 定義  1 生物多様性の保全及び持続可能な利用

<意見>
 「生態系を再生し、創出する」と書かれていますが、ビオトープのようなミニ生態系がイメージだと考えられるものの、大規模な土木工事で人工的に生態系を創出しようとする事業などは、新たな自然破壊となります。生態系の定義を参照すれば、安易に「再生、創出」ができるものではなく、正しくは「回復」と表現するべきだと思います。

<該当箇所>P.2
第一 総則 三 生物多様性の保全及び持続可能な利用についての基本理念

<意見>
 生物多様性の確保を前提として、その利用にあたっての配慮・制限事項を述べること、また利用の際には情報公開と合意形成が必要であることを示すため、1〜5について、< >内のように修文していただきたい。

 「1、生物の多様性が確保されることが人類の存続の基盤であり、かつ、豊かで潤いのある国民生活に不可欠であることにかんがみ、将来にわたり生物の多様性の恵沢を享受できるよう、<その利用にあたっては持続可能性について十分に検討しなければならないこと>。 」

 「2 生物多様性の保全は、<科学的知見に基づき順応的に行われるとともに、その利用にあたっては情報公開ならびに市民参加による合意形成手続きの充実をはかることにより>、生物多様性の保全上の支障が未然に防がれることを旨として行われなければならないこと。」


<該当箇所>P.2
第一 総則 四 施策の有機的な連携への配慮

<意見>
 地球温暖化防止、循環型社会その他環境保全に関する施策相互の有機的な連携が図られることは重要ですが、国家基本計画にもとづいて、関連する国(各省庁)の施策に生物多様性の保全に関する観点が導入されるべきことも下記門でいただきたいと思います。とりわけ、農林漁業関連法令、国土交通関連法令とその諸施策の中に、生物多様性の保全事項が書き込まれることは重要だと思います。


<該当箇所>P.2
第一 総則 五 国、地方公共団体等の責務

<意見>
 国及び地方公共団体が、生物多様性の保全について基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有することは、自治体レベルでも生物多様性の保全についての意識を高める上で有意義ですが、市民が自発的に参加しないと実効性はありませんので、< >を追加していただきたい。
「地方公共団体は(略)、<その施策を策定するに当たっては、広く情報公開を行い、市民参加の手続きを重ね、合意形成をはかるものとすること>。」


<該当箇所>P.4
第三 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的施策
一 国の施策  1 国の施策の策定等に当たっての配慮

<意見>
 生物の多様性に(悪)影響を及ぼすと認められる施策を策定、実施する場合、生態系が破壊されて後の回復には莫大なコストがかかることを念頭において、可能な限り悪影響を避けるか低減させるように、< >のように追加修文していただきたい。
 「国は、生物の多様性に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、<科学的な調査に基づき、情報公開と市民参加の手続きを重ね、可能な限りその影響を低減させるようにしなければならないこと>。」


<該当箇所>P.4
第三 一 国の施策 2 事業計画の立案の段階における環境影響評価の推進

<意見>
 環境影響評価の中に生物多様性影響評価を加え、生物学や生態学等の科学的知見に基づく事前評価が行われることは、野生生物の生息地の保全の観点からもたいへん有意義で、重要な条項だと思います。


<該当箇所>P.4
第三 一 国の施策 3 野生生物の適正な保護等

<意見>
 野生生物は生物多様性を構成するかけがえのない存在であること、それに基づき包括的な野生生物保護法の制定が必要であることを明記していただきたい。「個体の数の著しい減少又は増加」云々は鳥獣保護法で対処がなされていますが、同法では実現困難な生息地の保護について盛り込み、< >のように追加修文していただきたい。
 「国は、<人に多くの恵沢をもたらす生態系が野生生物を重要な構成要素として成り立っていることにかんがみ、生態系が健全で恵み恵み豊かなものとして将来にわたって維持されるように、野生生物の包括的な保護及び管理に関する措置、野生生物の利用、採捕、損傷等>の野生生物の保護に影響を及ぼすおそれのある行為を防止するための規制に関する措置その他の必要な措置を講ずるものとすること。 」


<該当箇所>P.4
第三 一 国の施策 4 自然環境の保全及び利用 (1)

<意見>
 「自然環境を保全することが特に必要な区域」に限定することなく、自然環境を破壊する事業に対しては、事前にその計画を公表し一般からの意見を聞く制度を設けること、およびその意見が施策に反映される手続きを設ける必要があると考えますので、< >のように修文していただきたい。
 「国は、生物多様性の保全上において生物の生息地又は生育地である自然環境を保全し、<又は回復する>ことが重要であることにかんがみ、<自然環境の保全に影響を及ぼすことが予想される>土地の形状の変更、工作物の新設、木竹の伐採その他の行為について<事前に公表し、一般からの意見を求め、施策に反映させる手続きを取ることにより、生物多様性の保全を図る措置、過去に損なわれた自然環境を保全しまたは回復するための措置>その他の必要な措置を講ずるものとすること」


<該当箇所>P.4
第三 一 国の施策 6 生物資源の適正な利用

<意見>
 ここでいう「生物資源」とは、遺伝子、微生物、栽培植物や家畜までも含めているようでもあり、生物多様性を構成している生物種を利用目的で個別に取り出して調査研究するという意味のようにもとれます。遺伝子改変生物が生物多様性にとって大きな脅威であることから、項目は「適正な利用」ではなく、「生物資源に関する研究」とするべきではないでしょうか。


<該当箇所>P.4
第三 一 国の施策 7 科学的知見の充実

<意見>
 生物多様性の保全のための科学的知見を充実させるためには、試験研究や研究開発のような事業研究ではなく、現状の実態把握のための調査、情報収集、データベース化といった基礎調査が必要です。< >のように修文していただきたい。
 「国は、生物多様性の保全を推進する上で科学的知見の充実に努めることが重要であることにかんがみ、<実態把握のための情報収集体制の整備、一般的にアクセス可能なデータベースの構築、調査研究の推進及びその成果の普及>、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとすること。」


<該当箇所>P.5
第三 一 国の施策 8 民間団体等による自発的な活動の促進

<意見>
 民間団体等が自発的に行う活動を促進するためには、政策立案やその実施過程に意見を表明し参加するとともに、それが実際に反映される制度が必要不可欠です。< >のように修文していただきたい。
 「国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体が自発的に行う生物多様性の保全に関する活動が促進されるように、<政策立案やその実施過程に意見を表明し参加する制度を設けることにより合意形成を促進するとともに、財政支援等の必要な措置を講ずる>ものとすること。」


<該当箇所>P.5
第四 その他  一 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する法制の整備

<意見>
 「野生動植物の種の保存」というと、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に限定されてしまいかねません。民主党は、野生生物保護法の制定をめざすことをマニフェストに記載していますので、< >のように付け加えていただきたい。
 「政府は、この法律の目的を達成するため、<包括的な野生生物の保護、絶滅のおそれのある動植物の種の保存>、森林及び緑地の保全並びに河川及び湖沼、<沿岸及び海洋>の保全その他の生物多様性の保全に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとすること。」


以上

 


 
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