インドネシアから日本に密輸されたオランウータンの赤ちゃんが保護されてから半年がたちました。神戸市の王子動物園に収容され、本国のリハビリセンターに返還される日も近づいています。けれども、返還後の彼らに安住の地は保証されているのでしょうか。引き続き、彼らの成長を見守っていけるのでしょうか?
私たちはこれまで、ペットとして持ち込まれる野生動物の密輸の取り締まり強化や、動物取扱業の法規制を求める活動を行ってきましたが、それに加えて彼らの生息地はどうなっているのかという問題にも直面しています。この問題を考えるため、11月14日、都内文京シビックセンターで集会を開催しました。
経過報告 (野上ふさ子)
五月にこの事件が報じられてから国内外の多数のNGOが関心を寄せ活動してきた。7月21日に大阪地方裁判所で密輸犯らに対する初公判が開かれ、犯人は起訴事実を認めた。しかし裁判中でもワンワンランドは広告を出して宣伝しており反省の色は見られない。しかも弁護士が「新聞等で反社会的行為と批判されても、そんなものは無視すればよい」と犯人らにアドバイスしていたとのこと。モラルのかけらも感じられない。今回の事件は氷山の一角で、こういう業界が地下に潜ってますます実態が不明になるのが懸念される。インターネットでも野生動物の売買がさかんになっており、このような事件を防ぐためには、きちんとした法規制が必要だ。
法的手続きの問題 (坂元雅行)
今回の事件は、野生生物の違法取引をいかに防ぐかという問題と、違法に密輸された後どのように対処すべきかという二つの課題を提起した。ワシントン条約では、(1)
保護した動物が野生に復帰できる場合は速やかに返還すること、(2) その見込みがない場合は国内の適切な施設で飼育すること、(3)
回復の見込みのない病気にかかっていた場合などは安楽死させること、の三点を勧告している。今回のケースは(1)
に相当し、「種の保存法」によって返還先を指定し、返送費用を犯人に負担させるという初めてのケースにするべきだったが、環境庁はあえてそうしなかった。これは今後に大きな禍根を残すものとなった。また密輸された動物を保護する施設がないということ、それに環境庁が取り組む姿勢がないことも問題だ。
オランウータンの生息地保護 (鈴木 晃)
種の保存法に限らず、日本の法はまったくのザル法が多い。オランウータンのまなざしで見ることが大切と思う。オランウータンの生息地は日々消失している。リハビリセンターがあるから大丈夫という問題ではない。政府が運営するワナリサットのリハビリセンターには、'98年の森林火災で200頭以上の孤児達が収容された。その背景には200頭以上の母親が殺されているという現実がある。火災があっても放置すれば数年で復元していく。焼け跡でもオランウータンは木の皮や木の芽を食べて生きている。生息地から引き離してリハビリセンターに入れることが善ではない。また一度飼育された動物を野生に返すことは容易ではない上に、復帰後の追跡も困難だ。日本は木材、石油、石炭、液化ガスなど多くの天然資源をインドネシアに依存しているが、それに加えて野生動物まで輸入して大量消費している。それらによってインドネシアの熱帯雨林が危機にさらされているという現実を見つめていかなければならない。開発援助のあり方も、森林の保全や野生生物の生息地の保全といったことを考慮に入れて見直していくべきだろう。
劣悪ペットショップに厳しい罰則を!
PET SHOP CHECK
REPORT
梅田ワンワンランドに行きました。梅田の中でも超繁華街の所です。子犬、子猫達のショーケースはまあまあきれいにしてありましたが、ミニブタやダチョウの所がすごく汚れており、ダチョウは体が一回転しにくい程小さな所にくくられておりました。お客は若いカップルばかりでデートの途中で立ち寄った感じで、その中でも中年から老年の男性と、若い派手な女の子のカップルが2組くらいおり、どうもそこら辺で商売が成り立っていると思いました。たとえ子犬・子猫が売れたにしろ行く末がとても気になる感じです。店を出たところで通りかかったカップルが「ここが警察に引っ張られた店や」と話していました。世間の人は知っているのです。だから何よりオーナーに厳しい罰則が必要と思います。
驚くべき野放し行政へ市民の声を!
一度押収されたサーバルキャットやメガネカイマン(ワニ)、タラポワンなどのサル類は返還されて、また堂々と店頭に値段を付けて売られていました。大阪府の行政に対して、動物取扱業の規制を厳しくするよう求めましょう!
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