化学薬品でピンクに着色されている養殖サケ
ALIVE海外ニュース 2003.9-10 翻訳:宮路
養殖サケは味がないだけでなく、最近の研究によって薬品漬けになっていることが明らかになった。養殖業者は、サケの肉をピンクや赤みがかった色にするためにカンタキサンチン(canthaxanthin)やそれより高価なアスタキサンチン(astaxanthin)を使用している。
これらの化学薬品は石油由来の合成物質だ。養殖業者は、化学薬品会社が提供するピンクから赤の間の様々な色合いの中から消費者がもっとも好むと思う色を選ぶことができる。
保健関連機関は、これらの化学薬品が引き起こす可能のある網膜の損傷について憂慮している。添加物を加えない養殖サケの色は灰色、薄茶色、あるいは薄い黄色だ。化学薬品は、ペレット(飼料)に加えてサケに与えられる。
欧州連合の保健当局は、飼料1キログラム当たりのこれらの化学薬品の使用基準量を80ppmから25ppmまで下げることを計画している。カナダでの基準量は30ppmで、アメリカでは80ppm以内であれば、目に害はないとされている。しかし、夕食のサケといっしょにカンタキサンチンやアスタキサンチンを食べたいと思う人間がいるだろうか。
アラスカでは、野生のサケの色はサケが海で食べる食物からくる。だから、キングサーモンのピンク色や紅鮭の濃い赤い色は、石油会社や化学薬品会社ではなく自然が作り出したものだ。
多くの魚が長い期間一緒に入れられる養殖生簀の中には不衛生な状態のものもあり、このため養殖サケは、他の有毒汚染物質についてもより高濃度なものを体内に蓄積している。
また、世界中で養殖場のある場所の多くでは、養殖魚が逃げ出し在来種の生息を妨げているが、アラスカでは養殖サケ産業の操業が認められていないので、そのようなことは起こらない。
一時、アメリカ東部の養殖サケは、ヨーロッパから購入した卵から孵化されたものだった。その結果、サケが生簀の外に逃げた際、アメリカの野生のアトランティックサーモン(大西洋鮭)の純血性を危うくしたが、養殖産業のある代表は、養殖サケと在来種が混じればよい混血種ができると発言した。
地元のスーパーで養殖サケを買う場合には、表示に注意しよう。カンタキサンチンを食べたい人間はいない。目によくないのだから。