牛にも地域ごとの訛りがある
ALIVE海外ニュース 2006.11-12 翻訳:宮路
◎牛にも地域ごとの訛りがある
牛にも人間のように地域によって訛りがあると言語専門家は示唆する。牛の訛りに関する研究が行われたのは、出身地によって牛の鳴き声にわずかな違いがあることに酪農家が気付いたことがきっかけだった。
ロンドン大学の音声学教授ジョン・ウェルズによると、これまでにも鳥では地域による鳴き声の違いが観察されているという。
サマセット州グラストンベリーの酪農家ロイド・グリーンは、自分が牛の鳴き声の違いに気付いたのは、牛と何時間もいっしょにいて、身近な存在だからかもしれない、自分のところの牛たちは確かにサマセット特有の間延びした鳴き方をする、という。
また、グリーン氏がイギリス西部の他の酪農家たちに聞いたところ、彼らが世話をする牛の群れでも同じ現象が起こっているという。犬の場合と同様に、世話をする人間と動物の関係が近ければ近いほど、動物は人間の訛りを身に付けやすくなるのだ。
◎仲間からの影響
ウェルズ教授は、仲間の間でも訛りが伝わると考えている。このことは鳥では証明されており、国内の同じ種類の鳥は鳴き声に顕著な共通の訛りがあるので、牛にも同じことが当てはまるのかもしれないという。
教授によると、群れなどの小さい集合体では、いちばん身近な仲間のグループ内おいて特に顕著な独特の訛りを耳にすることもあるという。
ブリストルの西イングランド大学で言語学を教えるトレファース・ダラー博士は、身内の訛りに影響を受ける可能性は確かにあるし、人間は言葉を覚える時期に、両親の話す地域特有の話し方を身に付けるので、イギリス西部の牛の鳴き声に独特の訛りがあるのも同じことなのかもしれない、という。
2006年8月23日
BBC Online News
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/5277090.stm
|