【イギリス】

屠畜場での虐待に関する調査

ALIVE海外ニュース 2009.11-12　翻訳：宮路

イギリス、サマセット州の屠畜場で秘密裏に撮影された映像が、残酷な動物福祉違反があったことを明らかにし、食品企画庁(FSA)は、屠畜場を運営するACホプキンズ社の幹部、そして撮影された食肉処理者に対する刑事訴訟を検討している。食肉処理者は現在、免許停止処分中だ。
　 イギリスの3つの屠畜場に隠しカメラを設置した動物保護団体アニマル・エイドは、国内すべての屠畜場にカメラを設置することを要求している。

＜隠し撮り＞
　問題の食肉処理者は、複数の動物に同時にスタニング(屠畜する際にスタンガンなどで失神させること)を行っているところを撮影されているが、これはEU法で厳禁となっている。また子ヒツジに授乳中の雌ヒツジにもスタニングを行っていた。
　この従業員は、映像が公表された直後、担当部署から外され、この件の調査中は生きた動物を扱うことは許可されず、また食肉処理免許の永久停止処分にされる可能性もある。
アニマル・エイドは、今年1月から7月の間、3つの屠畜場で40時間分の映像を秘密裏に撮影し、その映像を10分ほどのフィルムに編集し、自己のサイトやYouTubeで放映した。
　アニマル・エイドのキャンペーン主任ケイト・ファウラーは、「国中で多くの動物がスタニングされ、屠畜されるとき、人知れず苦痛を味わっています。撮影された動物は、蹴られ、打たれ、突付かれ、罵られ、踏みつけられたのです」と述べている。
　この調査を行っている食肉衛生局(MHS)は、屠畜場における動物虐待は容認できず、ひとつの屠畜場で動物福祉法の深刻な不履行があったとする証拠が撮影された、としている。

＜獣医師の監督責任＞
　独立食肉供給業者協会のローマックス弁護士は、ACホプキンズ社の代理として、ACホプキンズ社は最高基準に満たないものは受け入れないし、悪しき行為が露見するのは、畜産業界のためになる、と述べた。また、問題の映像が撮影されたとき、現在取り調べ中の従業員は、ACホプキンズで働き始めて3ヶ月だったことを指摘し、それ以前は長年、今はもう閉鎖されている大きな屠畜場で働き、動物福祉に関する訓練を受けたという証明書を持っているが、彼の仕事は満足のできるものではない、と述べた。
　また、すべての屠畜場は、獣医師と食肉衛生検査官が監督していることを指摘し、会社は担当の獣医師が問題に気づかなかったことに失望しており、会社側は問題があれば報告を受けるものだと思っていたと付け加えた。

2009年9月11日　
BBC News Online