ベルギーに犬猫の毛皮繁殖場が

ALIVE海外ニュース 2003.7-8 　翻訳：宮路

　ベルギーで毛布、コート、手袋用の毛皮のために犬や猫が繁殖されている。国際人道協会(HSI: HSUS−全米人道協会の国際部)の覆面捜査員が収集したビデオには、どのようにして毛皮取引が密かに行われるかを説明する様子が映し出されている。

　また、ビデオに映っている毛皮業者のひとりはベルギーで猫が繁殖されているとはっきりいっているし、別の業者は野良犬、野良猫、迷子になったペットがブリュッセルやゲントで集められ、屠殺されているという。この証拠ビデオはEU議会の超党の議員で編成される委員会がEU議会に提出した。

　英国保守党のスティーブンソンEU議員は４頭のゴールデン・レトリバーの毛皮から作られているというラグ、ジャーマンシェパードの子犬４２頭を使ったというコート、DNAテストで猫の毛皮が含まれていることが判明した猫のぬいぐるみを提示した。

　犬猫の毛皮用繁殖場が中国その他の極東に存在することは分かっていたが、この調査報告までEU内にあるという証拠はなかった。

　EU議員は犬猫を使った製品の禁止を求めているが、現在、正式に法律で禁止されているのはEU内ではイタリアだけだ。また、多くの場合、表示に偽りがあり、消費者は自分がどのような製品を購入しているのか知らないという。

　アメリカで犬猫の毛皮の売買が禁止されて以来、ヨーロッパの市場が急成長しており、犬猫の毛皮を使った製品はヨーロッパ全域で売られている。

　HSIによれば、毎年２百万の犬猫が屠殺されており、最大の輸出国は中国、毛皮のコートを作るには１２から１５頭の成犬、２４匹程度の猫が使われ、毛皮は帽子、手袋、毛布、ぬいぐるみ、玩具などに使われる。また、犬の毛皮はアジアジャッカル、コサックギツネ、あるいは単にフェイク（偽物）、野生種と表示され、猫の毛皮は家ネコ、ウサギ、山ネコなどと表示されていることがある。