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【イタリア】

サーカス界の最近の動向

イタリア LAV(動物実験反対協会)

サーカス界の最近の動向

 イタリアのサーカスは、困難な生き残りをかけて既にじたばたと模索してきた。

 ここ数年間はお客を引き寄せるための一連の絶望的企てを始めている。

 チケットの売上をもっと増やそうと試み、公金(我々の税金は、動物虐待のかどで司法の手に委ねられたサーカスにまで与えられ続けている。)を補完しようとしているのだ。

 彼らの目論みは、SIAE(イタリア著作者・出版者協会)の統計数値を再び上げることだ。

 「サーカスの臨終」と名付けられたそのデータは、動物のサーカスという世界で最も恥ずべき見世物に対して反駁の余地のない決定的な判決を示している。

 1994年、サーカスの収益は前年対比20%以上減少し、その後2年間は5〜6%の減少が続いた。

997年には外国に追放されていたすべてのイタリア・サーカスを祖国に呼び戻したので、稼ぎは前年対比6.4%(約10億リラ)の回復をみた。

 だが翌年には12.5%(20億リラ以上)も下落し、結果的には同じだった。

 1999年には戦略を変えた。サーカスを年がら年中興行に出すようにしたのだ。夏期に動物たちがさらされる高温を思うと、休みばかりでなく恥もないわけだ。

 この現象は、最初は少数の小さいサーカスに限られていたが、やがて広まっていった。

 テントは大抵は人気のない状態のままという結果ではあったが、額は小さくとも多くの件数の入金によって、下り坂を少し上ることに成功した。しかし1997年のレベルにまでは達せず、1993年に比べると27.5%下落している。

 いったいいつまで全国サーカス協会は、一部の経営陣の利益を守る自殺行為的な戦略を恥知らずにも続けるのだろう。経営陣らが無謀にも、檻と鞭付きの動物サーカスを守ろうとするせいで、小さなサーカスは悲惨な状況に追いやられている。

 彼らも今や動物たちと同様に保護されるべき存在だ。動物を使わないサーカスの誕生を妨害する障害物は、国内外の動物を扱う悪徳商人にとっては理解できるだろうが、質の高い見世物を人々に提供する事に誠実に心を傾けている人間にとっては理解しがたいものだ。

 動物サーカス存続のためのから騒ぎでは、へさきを未来へ向ける事が出来ない。

 我々としては、1頭でもサーカスの檻の中に動物がいる限りは告発と抗議とキャンペーンを続けることを約束しよう。サーカスの世界と切り離せない、動物たちの権利のために。


サーカスのトラの反乱

 10月24日、オルフェイ・サーカスで2頭のトラが調教師に反乱を起こし、1名が死亡、1名が負傷した。法律の改正のせいで、オルフェイ婦人に危険動物の所有を禁止することは出来なかった。彼女のサーカスがすでに1998年から、大衆の安全と健康のための危険動物の正しい飼養基準を満たしていなかったにもかかわらず。

 近い内に深刻な事故が起こるであろうことを我々は確信していた。

 統計(全国サーカス協会のパルミーリ会長が考案した「統計」ではなく本物の統計)を見ればサーカスの裏で事故が起きていることがわかる。過去20年間に100件以上の事故が、特に北米とヨーロッパで確認されている。最近5年間にイタリアのサーカスで5件の事故が起き、うち3件で死者が出ている。半数は象によるもので(うち35%で死者が出た。)、37%が大型ネコ科(うち23%で死者)による。犠牲者は調教師が最も多く、次いでサーカスのほかの人間、そして10歳未満の子供だ。

 しかし、パルミーリ会長にとっては、事故で死んだ調教師はここ50年間いないのだ。更に、サーカス協会の「科学的統計」によると、イタリアのサーカスには40頭のネコ科動物がいて、事故の原因になる回数は犬に比べると少ないそうだ。あいにく、40頭以上のネコ科動物がサーカスで檻と鞭によって屈辱を味わっていることは確かだ。

 また、彼らよりも、攻撃性をかきたてる調教技術によって残虐にさせられた犬のほうが多いことは、もちろん明白だ。

 一体、パルミーリ会長は何を言いたいのだろう。とりわけ彼がどういうタイプの犬を写真撮影用に選んでいるのか知りたいものだ。1996年には観客の若い女性が犬に顔を噛まれているのだ。

 生態学者によれば、オルフェイサーカスの牝トラは、発情で神経質になっていたそうだ。

 また、トーニ氏(彼によれば20年前から死亡事故は起きてないとのことだ。)は発情が原因ではなく、数々の騒音(鞭の音もその中に含まれるだろう)のどれかが原因だと言っている。

 オルフェイ婦人の夫によれば、トラは遊んでいたのだそうだ。単純に調教師に反乱を起こしたのではないとも考えられる。牝トラは、檻の中にびくびくと入ってきた調教師の妻に傷を負わせつつ、もう片方のトラを守ろうとしたのだろうか?

 一方、国会ではプロカッチ議員が内務大臣と文化大臣に質疑を行なった。過去数年間に同様の事件がオルフェイ・サーカスでどのように繰り返されてきたかを検証しつつ、サーカスの動物達の生活環境以上に、市民の安全問題へと注意が向けられた。指名を受けた大臣らがどう答えるのか楽しみだ。サーカスへの認可を取り消して、動物を使わない興行へと努めるには良い機会だと、彼らが考えればいいのだが。

 更に我々は、法律150/92条が、皮肉にもサーカスの利益を守るために変更されたことに抗議したい。以前のように環境省の科学当局から適切だと宣告されなくても(改正前の法律は、所有の拒否を含んでいた。)、科学当局の基準をもとにして、大衆の安全や健康に対して適当であると関係当局から間接的に宣告されれば、サーカスは動物達を連れて巡回することが出来るようになった。

 この1998年の法改正は、サーカスにとってのみ利益になる。オルフェイ・サーカスは本当は彼らを所有することは出来なかったのだ。10月24日に、監禁状態からの衝動の命ずるままに、とっさに彼ららしい行動をとったために、1人を殺し1人に怪我を負わせたたトラたちを。

違法に輸入された疑いのある2頭の象が押収された。

 象にとってこれがどんな意味をもつか想像してみよう、インドの森で生まれ、まだ幼いうちに捕獲され、丸太を引きずって歩く訓練をされ、アラビア半島のサーカスに売られ、そこからまたクマやサルと交換でイタリアのサーカスへ売られ、ラ・スペツィア港で降ろされ、ローマのビオパルコへ。これが2頭の象、ラクシミとサンチェルの象徴的な物語だ。

 森林伐採者の檻に囚われ、次は2つのサーカス檻の中、うち1つはイタリアのニコラ・モンテカルロ・サーカスだ。

 彼らはトラやほかの動物たちと一緒にラ・スペツィア港に到着した。おそらくワシントン条約に定められた動物の国際取引に通じている者の手で。

 森林監視隊の検査によると、輸入時に提出されたのは、2頭の死んだ象についての書類だった。かつてメドラーノサーカスが2匹のチンパンジーの子供を違法に輸入するときに、書類上は別のサル(ベルグラードの動物園に売られた1匹とすでに死んでいた1匹)を申告 したのと同じやり方だ。

 象と一緒にシマウマと、なんと11頭ものトラが到着した。森林監視隊はトラの子供のDNA鑑定を命じた。つまり書類上に申告された両親は違法行為を隠蔽する虚偽である疑いが強いのだ。

 残念ながら動物達はローマのビオパルコの手に渡った。彼らが治療を受けられる外部の施設へ移動させる事が出来るといいのだが。実際、押収した動物達を保護するのに適切な場所を見つけることは大事な問題だ。サーカスに置いておくのでは、介入を無駄にすることになり、動物たちにとって非常に有害だ。

 2頭の象が少しでも早くビオパルコを出て自然な生活環境に戻れることを願っている。

イタリア LAV(動物実験反対協会) 会報2月号より
翻訳:竹内紀子


 
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