【FAO】
国連食糧農業機構(FAO)、動物福祉サイトを立ち上げる
ALIVE海外ニュース 2009.7-8 翻訳:宮路
FAOは本日、家畜の福祉に関する最新情報を検索する個人や団体が必要なものをすべて入手できる、新しいサイトを立ち上げた。
“農業動物福祉への入り口”(The Gateway to Farm Animal Welfare)と名付けられたこのサイトは、この分野に関する法律や研究調査結果、そして、動物福祉基準、業務や政策についての確実な情報提供ツールとなるよう設計されている。
ユーザー対象は、農業従事者、官僚、議員、研究者、家畜・食品業界、非政府団体だ。
FAO
: The Gateway to Farm Animal Welfare
<重要な公開討論の場>
このサイトは、動物の輸送、屠畜、屠畜前の管理、家畜の飼育や扱い、また疾病管理のための殺処分などの動物福祉問題に関する、重要な公開討論の場(フォーラム)を提供するだろう。
畜産生産高は、価格にして世界の農業生産高の40パーセントを占め、動物由来製品は人間の摂取タンパク量の3分の1を提供している。
また、動物は世界の貧困層の多くを含めて、およそ10億人に収入、社会的地位、安定を与えている。
<南へ移動する家畜>
1990年代以来、家畜生産の中心は北から南に移っており、いくつかの発展途上国が強力な生産国として世界市場に参入してきている。
FAOの動物の健康と生産部部長サミュエル・ジェツィ氏は、動物の健康の向上、畜産製品の増産、動物が関わる自然災害への対応に関する開発プログラムには、動物福祉の要素が含まれていなければならず、このサイトが、この非常に重要な分野で本当に必要とされる情報を提供するものだとしている。
<基準遵守>
経済的に発展途上にある国の政府、専門家、生産者に、最新情報に関するオンラインアクセスとその国に関係する情報を共有する機会を提供することで、このサイトは世界中の畜産の福祉と健康、そして生産性向上に貢献できる。
動物福祉基準を遵守することにより、経済的に発展途上にある国の製品を国際市場へ流通させることができるようになり、また、オンラインでの会議やセミナーを開催することもできる。
<主な協力団体>
FAOは以下の動物福祉の主要な国際的協力団体との共同作業で動物福祉サイトを開発した:
欧州委員会、 国際農業開発基金、世界動物保健機構(OIE)、 コンパッション・イン・ワールド・ファーミング(CIWF)、
ラテンアメリカ家禽協会、 国際人道協会(HSI)、 国際動物福祉基金(IFAW)、 王立動物虐待防止協会(RSPCA)、
ブルック(発展途上国で使役に使われているウマ科動物の福祉の向上を目指す会)、 世界動物保護協会(WSPA)、国際酪農連盟、農業生産者国際連盟、世界獣医師会
2009年5月22日
Food and Agriculture Organization of the United Nations
http://www.fao.org/news/story/en/item/19885/icode/
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