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マックワールド

イタリア LAV(動物実験反対協会)

 大きな兄弟の大きなミートボール−マックワールドの文化は消費者を順応主義者にさせる。

 大きいミートボールは日々ますます太っていく。5時間に1軒のマクドナルドのチェーン店が生まれている。世界中で1番客を集めているのはモスクワの店だ。イタリアの1号店は1985年に誕生した。1997年のイタリアの売上は5千億リラだった。全世界の100兆リラの売上を思えば少ないと言えるだろう。3万あるチェーン店のうち、イタリアには280店舗しかないのだから。

 毎日ハンバーガーにされるために屠殺されている動物たちはいったいどのくらいいるのだろう。屠場に連れて来られるものもいれば、ラーゲル飼育場で死ぬものもいる。

 ウシ、ブタ、ニワトリの、それぞれの概算を出すのは難しい。

マクドナルドの本拠地

 マクドナルドは商品の大部分が、大抵は発展途上国から輸入した物であることに対する批判を避けるために、彼らの本拠地としてモデナ市を選んだ。アメリカ経済帝国主義のシンボルは、運命の皮肉か、イタリアの中でも1番労働組合の発達したモデナに理想の地を見つけたのだ。

 モデナのハンバーガー工場(手作業はたいていEU加盟国以外の人々が従事している)では、国内用だけでなく、デンマーク、キプロス、ギリシャの店の分も作っている。

 毎日のようにポー川流域の乳牛の列が、何も知らず、あるいは強制され、あるいは無防備に、イタリア最大の乳と肉の巨大産業クレモニーニの屠場へと向かって行くのが見える。(クレモニーニ家の息子達の1人はエミリア地方の小さなハンバーガー・チェーン店バーギーの発案者であったが、当然マクドナルドグループに吸収され、現在はマクドナルドの名を背負っている)

 パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを作るために使われた乳牛が、ハンバーガーを作り出すために利用される。彼らは本物のラーゲル収容所で、レモンのように十分に乳を搾り取られたあげく、「ご苦労さん」とピストルで頭蓋骨に穴をあけられ、鉄の釘を脳にぶちこまれるのだ。

ハンバーガー・システム

 週刊誌ヴェネルディ誌上のインタヴューの中で、マクドナルドチェーンのイタリア責任者は、露骨に語っている。マクドナルドのハンバーガーシステムは、社会生活や経済のあらゆる分野に影響を与え、世界のあらゆる場所で模倣者を生み出し、言葉に影響を与え、新聞や報道や広告に力を及ぼし、学校、大学、映画館、病院などに徐々に入りこんでいく、と。

 ハンバーガーの焼き具合と同じく、我々の生活はもはやマニュアル化されている。

 他の多国籍企業と同様にマクドナルドも、最も無防備な消費者、つまり子供や若者に、洗脳するための特製の広告を押しつけている。こうして道化師パパクラウンやロナルドの微笑んだ顔を通して子供達をからかうだけでなく、家族のような位置を占めて、本物の家族に取って代わろうと企んでいる。

スマイルだけではない。

 しかしビッグファミリーであるマクドナルドは、その構成分子、つまり経営陣や従業員に対して様々なことを強制する。スマイルをたやすな。与えられた物だけを食べろ。いつも親切でいなさい。お客にはなるべく短時間でサービスしろ。15分で用意しなさい。チップを自分のものにしないように、制服にはポケットがついていてはならない。下段の鉄板は177度、上段は218度に。

 そして、ハンバーガーが相手でもまちがいを犯した者には災いがふりかかる。

 マクドナルドは「ヒューマニティ」という名の犯罪を発明した。3月にパリのチェーン店の従業員に信じられない出来事がおこった。お腹をすかして物乞いをしていた女性に、チーズバーガー5個(彼女のたっぷり1日分の食事に相当する)をあげたら、即刻解雇されてしまったのだ。その従業員レミー・ミレはまだ23歳だ。解雇通知の白い紙に黒々と書かれた彼の罪状は、「雇用契約と、食品に関する内部規則を尊重しない」というものだった。

 マクドナルドはふざけているわけではないのだ。宣伝キャンペーンのテーマは「スマイル」だ。従業員はお客に微笑まなければならない。だが自分自身の感情を表す権利はないのだ。

マックワールド文化

 ル・モンド紙にバーバー氏が書いている。

 「アメリカのグローバルな文化、つまりマクドナルドの文化は、民主主義に無頓着なかわりに、それほど敵意のあるものでもない。その目的は、種族も市民も潜在的なイヤな客もなく、消費者という新しい種族の男女から構築される全世界的消費社会の創造だ。この新しい国際文化は、合理的視点から彼らを批判する者を放逐するだけでなく、いろんな文化を背景にもった市民たちがつくる文化社会を夢見る民主主義者をも放逐する。」

 バーバー氏の記事『反民主主義のマックワールド文化』はこう始まる。「植民地化された人々とその地方の文化は、植民地建設者と一緒になって、依存の度合いはたいしたことではないと言い張りたがる。そして、覇権の範囲を相対的なものとみなしたがる世界市場に対して、彼らの間には相互関係が存在するという幻想をもち、共謀して陰謀を企てる。」

 またこうも書いている。「マックワールド文化には抵抗できない。たとえば日本では、事実上ハンバーガーとフライドポテトは蕎麦や寿司にとってかわった。“クールな”未成年たちはかろうじて意味をつかむことのできる英語表現の伴奏付きで言い合っている。

 フランスでは、独自の文化を守ろうとする純粋国語主義者たちが英語訛りの堕落したフランス語に対して闘いを宣言してから10年もたってない。だが今日、フランス経済の先行きは、ユーロディズニーの成功にもかかっている。フランスに新しい祭りとして突然ハローウィンが出現したのは、クリスマス前の売上停滞の時期の消費を刺激するためだ。

 秩序を乱し混乱を招くこのような現象は、アメリカナイズへの動きの一例にすぎない。世界の自由は、1種類しかないメニューへのドレッシングソースの選択にますます似てきた。」

順応的な消費者

 「60年代にハーバート・マーキューズは、個性がなくなり画一化されることを予言していた。

 恐怖よりもテクノロジーによってひきおこされた順応主義。そこにおいては文化は同一の人間しか作れなくなる。ウィリアム・ベネットやパット・ブキャナンのようなアメリカの保守主義者達も、このことを認めていた。市場は民主的共同体に属する義務を免除するべきではない。一消費者として行なう選択がもたらす社会的結果について、我々市民の間で議論する事を妨害すべきでない。」

 消費者と、彼ら市民を守らなければならない団体は、まず第1に生命体であり、その健康は毎日食卓に載せられるものによって危険にさらされている。共犯者である宣伝謀略は、不適切で無益な商品の消費を強制しつつ、宿命の犠牲者たちを無意識の内に翻弄しているのだ。

イタリア LAV(動物実験反対協会) 会報2月号より
翻訳:竹内紀子


 
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