ウェスレイアン大学学生会、
工場式鶏卵場の残酷な状態への反対を表明
ALIVE海外ニュース 2003.7-8 翻訳:宮路
4月27日、ウェスレイアン大学学生会(WSA)は非常に残酷な状態で飼養されている鶏が産んだ卵の、構内売店における販売の禁止を求める決議を採択した。これにより、WSAはアメリカの大学で初めて、いわゆる「工場式鶏卵場」への反対を表明した学生を代表する団体となった。さらに決議は会の意思決定において動物の福祉が合理的な要因のひとつであることを認めた。これを受けて同大学に食品を供給している業者はWSAの決定に沿った納品を行うことに同意した。
大学の売店からこの「苦痛の産物」を取り除くことにより、学生は責任ある消費と同情心を重視する姿勢を表明した。多くの人間、そして人間以外の動物が苦しんでいる世界の現状において、学生は無気力と絶望に陥ることなく、不必要な苦しみを生み出す原因としての自らの役割を最小限に抑えようという勇敢な一歩を踏み出した、と同大学のロリ・グルーエン教授は述べている。
工場式鶏卵場の、産卵鶏にとっても従業員にとっても残酷な状態や、その環境への影響はよく知られている。多い場合は10羽の鶏が羽を広げるスペースもない狭いケージに入れられ、産卵鶏はひよこのときにくちばしの3分の2を切り落とされ、生涯痛みを伴って生きる。また、定期的に強制換羽という、鶏の肉体にショックを与え新しい産卵期が来たと人工的に思わせる作業のために3週間ほどの断食をさせられる。
企業による通常の労働者搾取に加えて、工場式農場の従業員は排泄物からのアンモニア臭や腐敗した鶏の糞に含まれる窒素など、多くの業務に関連した危険に身をさらされている。また、工場式農場から排出される固形廃棄物やそこで発生するアンモニアガスは地元の生態系に害をおよぼす。
ヨーロッパ連合はバタリー・ケージの建設を禁止したが、アメリカは国家としてこのような飼養状態が劣悪であるとまだ認めていない、と学生活動家はいう。
巨大アグリビジネス企業はアメリカの鶏卵業界を支配し、環境保全型の小規模農場を破綻させた。コネティカット州ではKofKoff
Egg Farm という企業が鶏卵市場の90パーセントを占め、地元農家を破産に追いやったと非難されている。ウェスレイアン大学の決議は、小規模で有機の認定を受けている地元の平飼い農家との協力を促進し、もっとも環境保全に配慮された製品を学生に提供すると共に、地元農家を支援しようとする決意を表すものである。
Wesleyan University, Environmental Organizers’ Network
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