【アメリカ】
エキゾチックアニマルが次の感染症発生の原因に?
ALIVE海外ニュース 2003.9-10 翻訳:宮路
政府は、今春サル痘をアメリカにもたらしたアフリカのげっ歯動物の輸入を禁止したが、エキゾチックアニマルがペットとして人気があるため、次の感染症発生を防ぐ方法はほとんどない、と専門家チームは議会に伝えた。
保健機関や野生生物機関は、人間の疾病を引き起こす原因となる様々な野生動物の輸入や州間の販売を禁止する広範囲な権限を持つが、このような禁止措置は常に疾病が発生してから取られる。しかし、問題が起こる前に対処する必要がある、と獣医師であるクローフォード食品医薬品局副局長は上院環境委員会に伝えた。
問題はその方法だ。多くの動物は、自身は発病しないまま人間の疾病のキャリアとなる。最近発生したいくつかの新興疾病については、キャリアすら分かっていない。例えば、クローフォードは、数年前にマレーシアでブタから農民に感染したニパウィルスのキャリアについてさらなる研究が必要だと考えている。
このような状況に加え、ジョーンズ魚類野生生物局副局長によると、この十年間でエキゾチックアニマルの取引は62パーセントも増え、昨年だけで少なくとも2億5000万匹の魚類・両生類、200万匹の爬虫類、3万8000の哺乳動物が輸入されている。
ペット取引に限らず、アフリカのげっ歯動物は、人が予期しない場所にもいる可能性があることが明らかになっている、とジョーンズは付け加えた。アメリカの検査官は、最近、キャビア用冷蔵倉庫であるべきものの中にあった野生動物の肉(ブッシュミート)や、狩猟の土産のトロフィー(狩りの獲物の身体・身体の一部)からアフリカのげっ歯動物を発見したという。
サル痘は、アフリカから送られた800の動物の中にいた感染したガンビアン・ジャイアント・ラットネズミからペット用プレーリードッグに感染し、そこから32人の人間に感染した。
実際、サル痘はいっしょに送られてきた他のいくつかの種でも発見されたが、検査のためにすべての動物の所在を突き止めることはできなかった。