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【アメリカ】

毎年、殺処分されるために生まれてくる何百万もの犬猫

ALIVE海外ニュース 2006.3-4  翻訳:宮路

動物の倫理的扱いを求める人々の会 ヘザー・ムーア
(People for the Ethical Treatment of Animals ;PETA)

アメリカ国内だけでも、毎日、5万匹以上の子犬や子猫が生まれているが、その多くが優しい言葉や人の手のぬくもりを経験できるのは、余剰動物として処分されるときだけだ。これらの動物すべての引き取り先を見つけるのは不可能だからだ

毎年、アメリカ全土で600万から800万匹の犬猫がシェルターに収容され、そのうち、およそ300万から400万が安楽死させられる。そのほとんどは若く、健康で、人懐こく、約25パーセントは純血種だ。にもかかわらず、子犬繁殖場(パピーミル)やブリーダーは流れ作業で道具を作り出すように、次から次へと動物を生産し続ける

■悲惨な子犬繁殖場

ペットショップで販売されている子犬10匹のうちほぼ9匹は子犬繁殖場から来ている。子犬繁殖場では、狭苦しく、設備らしい設備もなく、不清潔な状態で犬を飼養している。2000年4月にNBCテレビ局の番組で子犬繁殖場の問題を取り上げた獣医師のドナルド・アレン博士によると、子犬繁殖場の犬は、非人道的な状態で飼養されている場合がほとんどで、木につながれていたり、糞だらけの金網のケージに閉じ込められている。

雌犬は年に2回出産させられ、子犬が産めなくなると処分される。子犬は母犬から離され、仲買人に売られ、仲買人からペットショップに転売され、そういうペット産業の事情にはまったくうとい客に販売される。子犬は、十分な食餌、水、換気、移動用住居なしに、ピックアップトラック、トレーラートラック、飛行機などで長距離移動させられることもある。

子犬も母犬もほとんどの場合、栄養不良、外気への露出、そして獣医による適切な手当ての欠如に苦しんでいる。犬に予防接種をさせない繁殖場もあり、子犬の多くは連邦法が定める州境を越えた子犬の最低販売年齢である生後6週間前に売買されている、とアレン博士は報告している、時期尚早な離乳で子犬が病気になりやすい可能性もあるし、近親関係にある犬同士を掛け合わせて子犬を生ませることも頻繁に行われるので、このようなことが原因で、良くない遺伝的傾向や非常に攻撃的な性格になることもある。

2000年に、PETAはカンザス州のニールセン・ファームという子犬繁殖場で覆面捜査を行った。 ニールセン・ファームでは、犬が快適に過ごすための寝床の類は何も与えておらず、夏の焼けつくような暑さや冬の凍りつくような寒さから身を守る手段はまったくといっていいほどなく、病気になっても獣医師の手当てを受けさせることはなかった。 犬の多くは汚れた目から涙がにじみ出ており、耳は感染でひどい状態になり、疥癬が体全体にひろがり、ワイヤーの床が原因で足に膿瘍ができているものもいた。

■法律の問題

米農務省(USDA)は犬の飼養施設が連邦動物福祉法の居住水準に違反していないかどうかを監視し、検査する責任があるが、このような施設の検査は優先順位が低い。子犬繁殖場は州政府の監視の目もほとんど届かず、州によって現行の法規も異なる。

現行の国内法は数えるほどしかないが、それにすら煩わされたくない業者が海外でビジネスをすることも多い。あるカナダ人弁護士によると、アメリカの子犬繁殖場所有者はカナダで犬を購入する。国境を通過するのも容易で、常に行き来している。ニューハンプシャーのある繁殖業者は、何十匹もの犬や猫を不潔な状態で飼養しているのが見つかり、動物虐待の罪で逮捕されたが、インターネットでロシアから子犬を1匹1900ドル(約20万円)で販売していた。

■無責任な繁殖業者

繁殖業者もまた子犬繁殖場経営者と同様だ。彼らの関心は儲けを上げることで動物の福祉ではない。子犬繁殖場同様、繁殖業者は犬の種別基準に合った好ましい身体的特徴を持ち合わせるように繁殖させるが、これが様々な健康上の問題を引き起こすことが多い。繁殖業者の多くが尾切り、耳切り、声帯除去などの苦痛を伴う、不要な処置を慣行している。

米獣医師会(American Veterinary Medical Association: AVMA) は耳切りと尾切りについて「医学的見地から必要とされるものではなく、また患畜へのメリットもない。これらの処置は痛みや不快感を引き起こし、また、外科処置につきものの、麻酔、失血、感染の危険が伴う」としている。これらの処置は非常に残酷であり、欧州では多くの国で禁止されている。 また、多くの獣医師が声帯除去処置を批判している。というのは、これは不要であり、術後に多大な痛みを伴い、犬から自然なコミュニケーションの手段を奪うことになるからだ。

繁殖業者は、しばしば犬を狭く、汚れた場所に押し込んで飼養している。例えば、バージニア州サフォークのジョン・ボーディエットは、かつてレトリーバーのチャンピオン犬を繁殖させていたが、100匹以上の犬を、木々に覆われた土地の、汚れた、みすぼらしい飼養施設や囲いや犬小屋で飼養しており、動物虐待のかどで告発された。雨が降ると、犬たちは十分な雨よけもなく、汚い水たまりの中にいることを余儀なくされた。PETAや他の団体からの救援者が、泥や排泄物のぬかるみを通り抜けて、濡れて冷たくなっている犬たちのところにたどり着いてみると、多くは病気にかかっており、栄養不良で、蚤や寄生虫だらけだった。

残念なことに、ボーディエットのような繁殖業者は多にも大勢いる。彼らはまるで野菜を育てるようなやり方で動物を飼養し、動物が何を欲し、何を必要としているか、ほとんど気にかけない。また、いわゆる「良心的な」繁殖業者でも、不要動物という問題に関しては何の解決にもならない。繁殖業者が動物を繁殖させて販売するということは、シェルターから動物を引き取る可能性のあった家庭をシェルターにいる動物から奪うということで、家庭を奪われた動物は処分されることになってしまう。

■無責任な飼主

自分のうちの犬や猫に子供を産ませる人も動物の人口過剰の一因を担っている。野良猫や、どこかでのたれ死ぬしかない遺棄された犬はすべて避妊・去勢していない動物から生まれているのだ。

多産な猫は1年間に3回出産し、1回の出産で4匹から6匹の子猫を産む。米国人道協会(HSUS)は、たった7年の間に1匹の雌猫とその子孫から42万の猫が生まれると概算している。 また、多産な犬は1年間に2回出産し、1回の出産で6匹から10匹の子犬を産むので、理屈上では、6年間で、1匹の雌犬から6万7千匹の犬が生まれることになる。

「運の良い」動物はきちんとしてシェルターで安楽死させられる。 それ以外は、シェルターに入ることもできず、餓えや極端な高温あるいは低温が原因で死ぬか、または車に轢かれたり、しつこい病気にかかって衰弱したり、動物実験施設に動物を売っている業者に捕まったり、闘犬の「おとり犬」にされたり、他の動物に襲われたり、残酷な人間に虐待されたり殺されたりするのだ。

■PETAの 地域動物プロジェクト(Community Animal Project: CAP)

CAPは、PETAの本部があるバージニア州タイドウォーターの街をくまなく歩き、適切に飼養されていない動物や虐待されている動物を助けるという活動を行っている。ほとんど毎日、昼夜を問わずに行っている活動の中でCAPチームが目にするのは、避妊手術をしていない元飼い猫で今は捨てられて野良猫となり、猫エイズや猫白血病のような致命的な病気にかかっている猫から生まれた野良猫、疥癬のせいで見た目には犬とは分からなくなってしまった野良犬、下痢と嘔吐で脱水症状を起こし瀕死状態の子犬たち、裏庭に鎖でつながれ、飼い主から暴力を受け、まともに世話もしてもらえず、そんな暮らしのせいで気がおかしくなった犬などだ。

ソフィーも、そういう動物の仲間だった。発見されたときには餌も水もない状態で車のバンパーにつながれていた。PETAのスタッフが近づくと、恐怖で身を縮めた。PETAは、飼い主に所有権を放棄するよう説得し、スタッフのひとりがソフィーを引き取った。短い鎖につながれ、絶え間ない恐怖を強いられる暮らしで疲れ果てていたので、新しい家に連れて来られると、一昼夜眠り続けた。そして、今、まだ用心深いところはあるが、人懐こく、エネルギッシュで、愛情豊かなソフィーは、新しい保護者といっしょに長い散歩に出かけ、海岸で遊ぶようになった。

またイッチィ・ビッチィという猫は、他の避妊・去勢していない犬や猫と共にあらゆる過酷な天候に晒されて暮らしていた。PETAのCAPチームは猫たちを捕獲し避妊・去勢した。イッチィ・ビッチィは運良く、元PETAのスタッフに引き取られ、他の2匹の猫といっしょに室内でかわいがられて暮らしている。

しかし、ハッピーエンドの話は極めてまれだ。何百万匹もの野良犬や野良猫、そして不用動物がいる。PETAのスタッフも、他の動物救助者もそれらの動物すべてを引き取ることはできない。それは誰にもできないことなのだ。

■避妊・去勢が唯一の解決策

しかし、簡単で効果的、かつ倫理的で安価な解決策がある。ペットショップや子犬繁殖場、ブリーダーから動物を買う代わりに、シェルターから引き取り、避妊・去勢をきちんと行いさえすれば、動物の人口過剰を防ぎ、殺される動物の数を減らすことができるのだ。

避妊・去勢は動物の人口過剰を減らす最良の方法であるだけでなく、犬や猫における、ある種の健康問題や問題行動を防ぐ良い方法でもある。避妊は、生理期間中、雌犬が我慢しなければならないストレスや不快感、そして子宮ガンの危険性を取り除き、乳ガンになる可能性も大きく軽減させる。去勢は、オスがうろついたり、喧嘩をする傾向を弱めるし、睾丸ガンの予防にもなる。

メスの犬や猫は生後8週間で避妊手術をおこなうのが望ましい。オスも生後8週間で去勢手術を行うのが望ましいが、避妊や去勢は成犬・成猫でもだいたいいくつになっても安全に行うことができる。

(アメリカでは)ほとんどすべての地域で避妊や去勢を低価格でおこなってくれるサービスがある。PETAのSNIP "Spay-Neuter Immediately, Please" (今すぐ避妊・去勢してください)移動サービスはバージニア州タイドウォーターの低所得層向けに低価格の避妊・去勢手術を提供しているし、SPAY-USAでは全米向けのホットラインを用意し、割引で手術を行ってくれる動物病院、人道協会、その他の機関を紹介している。

毎年、何百万という罪のない動物が欲と見栄と怠惰のせいで死んでいる。動物たちが生きるか死ぬかはあなた次第だ。苦しみを解決する側になり、避妊・去勢をしてほしい。詳細については以下のサイトへ。
http://helpinganimals.com/
http://www.snipsponsor.com/

2006年1月4日

American Chronicle
http://www.americanchronicle.com/articles/viewArticle.asp?articleID=4601


 
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