【イギリス】
ペットのエレクトリック・ショック・カラー禁止
ALIVE海外ニュース 2008.11-12 翻訳:宮路
ウェールズでは、ペットのエレクトリック・ショック・カラー(電気でショックを与えて無駄吠えなどを止めさせるための訓練用首輪)を禁止する。
しかし、英国の他の地域では、まだ、エレクトリック・ショック・カラーの使用に対する姿勢を考慮中で、製造業者は、ウェールズにおけるペットのエレクトリック・ショック・カラー使用禁止計画に反発している。
ウェールズでは、自治政府が新しい力を行使し、ペットのエレクトリック・ショック・カラー(電気でショックを与えて無駄吠えなどを止めさせるための訓練用首輪)を禁止することになった。
これにより、英国内ではウェールズが、電気ショックによって動物の問題行動を矯正する首輪を禁止する最初の地域となる。
エリン・ジョーンズ農村地域大臣は、エレクトリック・ショック・カラーの使用を刑事犯罪とする法律を制定するといっている。
禁止法を導入するのは、ペットの不必要な苦しみについて憂慮しているからだと、ウェールズ政府はいう。
この問題に関する政府のパブリックコメント募集は2月1日に終了している。
ジョーンズ農村地域大臣は、これは簡単に検討できる問題ではないという。
「エレクトリック・ショック・カラーを使用したことがあり、動物の問題行動の矯正に役に立ったという経験がある人達からの意見とは対照的に、この装置の不適切な使用方法について、非常に憂慮する意見が多くありました。さまざまな意見に対して相当の考慮を払った結果、ウェールズでのエレクトリック・ショック・カラーの使用を禁止する法律を導入するよう提案します」。と大臣はいう。
<規制の拡大へ>
禁止法は、動物福祉法に基づいて施行される。
「獣医師や専門家の監督下において、特定の人がこの首輪を限定的に使用する可能性、また、動物の行動を制限する電気柵の使用についても検討します」と、大臣は付け加えた。
ウェールズ政府は、ウェールズにおけるエレクトリック・ショック・カラーの販売と所有を禁止することも考慮に入れて、現在、詳細な規則を作成中だという。
しかし、英国の他の地域では、まだ、エレクトリック・ショック・カラーに対する見解を考慮している最中だ。
イングランドの環境・食糧・農村地域省は、2010年に発表予定の科学調査の結果を待って、法の制定を検討するという。
スコットランド政府は、すでに同様の禁止法に関するパブリックコメントを実施しており、“適当な時期に”発表するという。
また、北アイルランドでも、エレクトリック・ショック・カラー禁止の可能性が検討されている。
<反対意見>
しかし、エレクトリック・ショック・カラー製造業者協会(Ecma) は、禁止提案は性急で、時期早急、かつ不必要だと主張する。
Ecmaの広報担当者、ダンカン・マクネアは、これは“科学を読み違えている”せいだという。
「この決定は、訓練用エレクトリック・カラーを使用したことのある飼い主ほとんどの経験を否定するものである。これらの飼い主は、ペットにも自分にも非常に大きなメリットがあり、動物の命を救うことになったケースも多いと言っている」と、マクネアはいう。
<賛成意見>
動物福祉団体、王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、ウェールズ政府の決定を非常に歓迎している。
「私たちは、このような残酷な器具の使用禁止を考慮するウェールズ政府の姿勢に喜んでいます」と、RSPCAのデヴィッド・ボウルズ渉外担当部長はいう。「これは動物福祉法に基づく、ウェールズとイングランドにおける最初の主要な法律であり、私たちは、ウェールズにおける動物福祉基準を改善しようとす
るジョーンズ農村地域大臣の意欲を歓迎し、全面的に支持します」
RSPCAは、犬をほめて訓練する方法や、必要な場合には、シトロネラ・カラー(犬がほえると仕込まれたシトロネラというハーブの液が犬の顔にスプレー状に吹きかけられるようになっている首輪)のような代替の「嫌悪療法」を引き続き支持するという。
自由民主党のカースティ・ウィリアムズ議員は、ウェールズ政府の決定を称賛し、「私は、エレクトリック・ショック・カラーの刺激を自分で実際に体験したことがありますが、これは痛いものです。訓練方法として効果をあげるためには痛くないといけないのです。痛みと恐怖は動物を訓練するための人道的な方法ではありません」と述べた。
BBC news 2008年6月26日
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/wales/7473597.stm
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